ご飯屋さんから老舗の小物屋さんまで。 芸妓さん舞妓さんが教えてくれた本当に行きたいお店
京都の名店や老舗に寄り添い付き合い「街の観光大使」的存在の芸妓さん舞妓さん。ご飯屋さんから老舗小物屋さんまで、彼女たちが教えてくれたとっておきのお店とは?リアルな声と共にお届け。
1.名物はふわとろオムライス!老舗洋食店〈グリル富久屋〉
真生「こうやって3人で顔を合わせるのは、久しぶりやねえ。」
ふく朋「真生さん姉さん、おおきに。」
市こま「お会いできて、うれしおす。おたのもうします。」
真生「今日のお題は「ひみつの京都」。おふたりにもきっと秘密にしておきたいお店があると思うけど、よう行かはるご飯屋さんはどんなとこ?」
ふく朋「そうどすねえ。普段は、お店に寄らせてもらうより、出前をお願いすることがおおおすねえ。たとえば宮川町の〈グリル富久屋〉さん。」
真生「老舗の洋食さんやねえ。」
ふく朋「へえ。有名なのは、芸妓さんのリクエストで生まれた「フクヤライス」どすねえ。ケチャップライスの上にトマトやマッシュルームの入ったふわふわの玉子焼きをのせたもので、ふわとろオムライスという感じ。そやけど、なんぼおいしいても、フクヤライスばかりではカロリーオーバーやから(笑)、「メキシカンサラダ」にすることもあります。」
真生「健康や美容を考えることも大切やねえ(笑)。」
2.まさに隠れ家!使い勝手の良い割烹料理店〈ゆるり割烹 藤茂〉
真生「市こまちゃんは?」
市こま「うちの教えたくないご飯屋さんは、〈ゆるり割烹 藤茂〉さん。ここほんまに隠れ家どす。おまかせコースやのうて、一品でお願いできるので、そのとき食べたいものを注文できます。」
真生「割烹いうことは和食のお店?」
市こま「へえ。新鮮なお造りやのどぐろの焼き物といった正統派の割烹料理もありますし、気軽に食べられる揚げ出し豆腐なんかもあって、普段使いからお客様とのご飯食べまで、いろいろとお世話になってます。」
3.ランチにもおすすめ!老舗の湯葉専門店〈千丸屋〉
市こま「姉さんは、どうどすか?」
真生「お友達とでかけるのは、ランチが多おすね。湯葉専門店の〈千丸屋〉さんが、今年リニューアルしてお昼ご飯を食べられるようにしはったんで、ちょくちょく寄せてもうてます。3種類の乾燥湯葉とたっぷりのお野菜を食べられるし、自分とこは料理屋ではなく湯葉屋なのでと、謙虚な姿勢でシンプルなお湯葉のお鍋を出してくれはるのやけど、これがほんまにおいしい!」
市こま「お湯葉は体にもよさそう。」
4.デザインが和モダンでかわいい!小間物を揃えるなら〈幾岡屋〉
真生 「ご飯屋さん以外にも、そっとお教えしたいお店がありはる?」
ふく朋「うちは、四条通にある〈幾岡屋〉さんでしょうか。髷に挿す「花簪」や、「千社札(名刺)入」などを、季節ごとにお願いしてます。古くから五花街の芸舞妓さんが身に着けるものを扱うてきはった老舗やさかい、どの品もよいものばかり。」
5.料理の隠し味にもぴったり。絶品チリメン〈たきもの ゑびす〉
市こま「上七軒に観光でおいやしたら、ぜひのぞいていただきたいのが〈たきもの ゑびす〉さんです。熟練の職人さんが炊かはる「チリメン山椒」や佃煮が絶品です。「カレー味のチリメン」もあって、これはサラダにかけたり、パスタの具材にしたりと、いろいろなお料理にも使えて重宝します。素敵なパッケージで、お土産にもぴったり。」
6.京都のハイカラおやつ。こだわりのチョコレート!〈加加阿365祇園店〉
真生「京都にはええもんがたんとあって、どこを紹介するか迷います。おふたりが京都らしいもの挙げてくれはったんで、うちはちょっとハイカラなものにしようかな。」
ふく朋「どちらどすか?」
真生「祇園町南側にある〈加加阿365祇園店〉さんというチョコレートのお店は、ずっとお気に入りなの。花街らしい町家を改装したお店で、佇まいも素敵。365日の紋が入ったチョコレートは、お客様や友人のお誕生日や記念日にお贈りすると、とても喜ばれます!招き猫ちゃんのチョコレートや舞妓さんモチーフのエクレアなども京都らしく可愛いので、楽屋見舞いや差し入れにもよく使わせてもらいます。」
市こま「わあ、おいしそう。うちも今度寄せてもらおう(笑)。」
真生「今日はええ情報交換ができたね。京都へ来はる皆さんにも、行っていただきたいお店ばかりどすねえ。」
(Hanako1141号掲載/photo : Kunihiro Fukumori text : Shinobu Nakai)