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低GI「わらび大納言」にまるでマカロンな「もなかプレート」… 【京都】進化する老舗の名店のスイーツに目が離せない!
思わず心ときめく和モダンな甘味の展開やヘルシーをコンセプトにした新ブランドの立ち上げなど、伝統と革新が生む京都の名店の今にクローズアップ!
1.寺町商店街のど真ん中にオープンした大型店舗。〈甘党茶屋 梅園〉
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街中の立ち寄りやすい場所にできた新店舗。広々とした建物は、店の表に残っていた古いタイルから発想して、洋館風にリノベーションした。
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2階のカウンター席から外を眺めるのも楽しい。
「甘党茶屋とはすなわち、日本のカフェだと思うんです」と、3代目・西川葵さん。厳選した材料を使い、伝統の製法で作る甘味の味わいは昔と変わらぬまま、お店の雰囲気はぐっと現代的で身近になった。
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10月頃からは、1年以上試行錯誤して開発したという、どら焼きを使った新商品も登場予定。
〈甘党茶屋 梅園〉
昭和2年創業 。河原町通沿いの、現在本店がある場所で開業した甘味処。小ぶりのみたらし団子が名物で、老若男女が集う。3代目・西川葵さんは、ギャラリーを併設した〈うめぞの CAFE&GALLERY〉や、ケーキのような見た目のかざり羹を取り扱うお店〈うめぞの茶房〉など、新傾向のお店を続々とオープン。
2.京都の玄関口で買えるモダンデザインの京菓子。〈鶴屋?信 IRODORI〉
「和菓子を幅広い世代に親しんでいただけるように」と、これまでとは趣をガラリと変えて展開する直営店〈IRODORI〉。

京都駅八条口という便利な立地もうれしい。
和紙デザイナー・堀木エリ子氏が装飾を手がけるカフェで、マカロンのような最中をはじめ、和モダンな甘味を味わえる。
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併設のショップでは、パステルカラーの琥珀糖やスティック状の有平糖など、現代的なデザインの菓子やグッズを販売。

ほかの店舗では買えない限定物も多いので、帰り際にお土産を選ぶのにも最適。
〈鶴屋?信 IRODORI〉
享和3年創業。初代・鶴屋伊兵衛が上京区で創業し、茶の湯と共に発展してきた京菓子の老舗。昭和25(1950)年に〈株式会社鶴屋信〉を設立。「ヨキモノヲツクル為ニ材料、手間ヒマヲ惜シマヌ事」という家訓を大切に上質な京菓子を種類豊富に生み出す。代表銘菓に風味豊かな「柚餅」や棹菓子の「京観世」など。
3.京都人に長年愛されている焼き菓子店〈村上開新堂〉にカフェが誕生。
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「お茶とお菓子を店内で楽しみたい」という、お客からの長年の要望に応えて、元々住居であった店奥のスペースを改装し、カフェをオープン。イートイン限定のスウィーツセットがいただける。
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スウィーツセットはフォンダンショコラか、ほうじ茶シフォンケーキの2択。各1,200円。「開新堂らしさを大切にしつつ、ちょっとゆっくりしていただける場所を作りたくて」と4代目・村上彰一さん。
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坪庭を眺めながらくつろげる。
和の空間には、「ルイスポールセン」の照明や北欧家具がしつらえられ、センス抜群。建築やデザイン好きにもたまらない場所に。
〈村上開新堂〉
明治40年創業。皇居内で生まれ伯父に西洋菓子の製造を教わった初代・村上清太郎が、現在の地で開業。戦争による一時休業を経て昭和26(1951)年に再開。素朴で飽きのこない焼き菓子は京都の人々に重宝されてきた。現在の4代目・村上彰一さんは、「寺町バニラプリン」など新商品開発にも意欲的に取り組む。
4. 心にも体にも優しい作りたての和菓子を茶房で。〈亀屋良長〉
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2010年にテキスタイルブランド「SOU・SOU」とコラボレーションして以来、パティシエと新ブランドを立ち上げるなど、今までにないことにも積極的に取り組んでいる〈亀屋良長〉。
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昨年、健康面も意識した和菓子の新ブランド「吉村和菓子店」を立ち上げ、本店の内装をリニューアル。新しくなった店舗で今年6月より茶房も開始した。
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低GI値の素材を使った「わらび大納言」をメインに、今後は季節限定メニューなども取り扱っていく予定。
〈亀屋良長〉
享和3年創業。京菓子の名門と謳われた菓子司〈亀屋良安〉が火事で焼失し、当時の番頭・文平がのれん分けする形で創業。初代は良質な水を求めて、現在本店がある四条醒ヶ井の地に店を構えた。今も変わらず同じ場所で、醒ヶ井の井戸水を使用した菓子作りを行う。創業時からあるという「烏羽玉」が代表銘菓。
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(Hanako1141号掲載/photo : Makoto Ito, Kunihiro Fukumori (Tsuruya Yoshinobu IRODORI) text : Ai Kiyabu)