一期一会に感謝して。 1日5食、パンを食べる「パンラボ」主宰が直伝!こだわり“パンの食べ方”とは。
多いときは1日5食(以上)もパンを食べまくっている池田さん。そんな“パンおたく”には、 自宅での食べ方にもパンを尊び敬う毎日の儀式があります。道具や所作、パンとの向き合い方に至るまで、 パンへの愛と美学が投影された、池田流“パン道”に迫ってみました。
【切る】厚めに切る!
「断面が美しくないとパン様に申し訳ない。常に最高の切れ味のものを」と、刃渡り21cm、重さ198gのナイフで食パンを分厚くカット。「おいしい食パンほど口どけがいいから厚切りに。パンは断面から鮮度と風味が落ちてしまうので、店でスライスしてもらわず食べるときに自分で切ります」
【焼く】目を離さない!
中までしっかり熱が伝わり、外側はパリッと仕上がる〈Panasonic〉のコンパクトオーブンを愛用。「厚めに切っても、表面はパリパリ、中はふわふわモチモチに焼き上がります」。タイマーは2分に設定し、その間も目を離さず焼き加減をチェック。時々位置を変え理想の焼き加減に仕上げる。
【塗る】バターは薄く!
バターケースは〈野田琺瑯〉。「蓋がボード代わりになって便利」。バターは薄くスライスしてのっけるだけ。「バターは伸ばさない。口の中で溶けた方がフレッシュな風味を楽しめるし、見た目もいい」とのこと。スライスしやすく、バターが刃にくっつきにくい波刃のフルーツナイフを愛用。
【味わう】ガブッ食べる!
おいしくパンが焼けたら、目を閉じ、精神を集中させ、パンの味をじっくりと噛みしめる。「食パンは割かずにがぶりと。いつも同じスタイルで食べた方が、同じ条件でデータを取りやすいです」。自宅では、“パンには紅茶”が池田流。食パンの種類によって紅茶の種類を変えるこだわりぶり。
Navigator…池田浩明(いけだ・ひろあき)
パンの研究所「パンラボ」主宰。パンライター。自称「ブレッドギーク」(パンおたく)。NPO法人新麦コレクション理事長として、日本においしい小麦を普及する活動も行う。
(1182号掲載/photo : Kaori Ouchi styling : Hiromi Abe text : Ayano Sakai edit : Yoshie Chokki)