シオリーヌ
2020.12.20

第71回 理想を追い求め、動き続けている人たちに聞く。 仕事、結婚…生き方を選ぶ。 #6/『あえてもう一度法律婚を選んだ。』YouTuber/助産師・シオリーヌさんの選択。

働き方に結婚、出産や自分の体について…、日々は選択の連続。突きつけられる選択肢に迷ったり、間違ったり、軌道修正をしながらも、自分の道を歩み続ける、わたしたちの話。「どこで」「誰と」「何をして」働くのが自分にとって心地よいのか。理想を追い求め、動き続けている人々の話。今回は、YouTuberであり助産師のシオリーヌさんにお話を伺いました。

女性が改姓することが当たり前だと思っていた。

シオリーヌ

「結婚」というと、多くの人が想像するのが、婚姻届を役所に提出する、いわゆる「法律婚」だろう。法律婚か事実婚か、迷った末に法律婚を選んだ人がいる。人気性教育YouTuberで助産師のシオリーヌさんだ。「性の話をもっと気軽にオープンに!」とカメラの前で快活に話す彼女だが、これまで自身のプライベートについては多くを語ってこなかった。そんな彼女が、今年5月に『結婚しました(2年ぶり2度目)』という動画を配信。そこには夫であるどさんこつくしさんも登場した。

離婚経験があるシオリーヌさん。1度目の結婚では自身が改姓をし、その煩雑さに辟易したという。「看護師、助産師、保健師、受胎調節実地指導員の資格を持っているんですが、それぞれの免許に対して氏名の変更手続きをしなくてはならず、それには戸籍謄本の提出と手数料が必要なんです。なぜ自分ばかりが負担しなきゃいけないんだろうと思いました。でも、結婚すると決めた時には、どっちが名字を変えるかという話し合いすらなく、当たり前のように女性である私が名字を変えるものだと思っていました」

結婚に対する自分の思いと相手の意見をすり合わせる。

それでも今回、再び法律婚を選んだのには理由がある。そこにはパートナー・つくしさんとの徹底的な話し合いがあった。「もしまた結婚をするとしても、自分の名字は絶対に変えないと決めていたんです。そこで彼には、お互い改姓を望まないのであれば事実婚で、あなたが改姓してもいいなら法律婚にしようという話をしました」事実婚制度では、子どもの親権は母親にあり、父親は認知という形になる。「自分の子どもなのに認知というのは寂しい」というのがつくしさんの意見だ。また、彼自身、改姓することに対して抵抗がなかったため、法律婚を選ぶことになった。

「私にとって、法律婚の一番のデメリットは改姓が必要なことでした。その問題をクリアできたので、法律婚をすることにしました。法律婚にはメリットもあって、それは既存のシステムが使いやすいこと。家族として認められるので、複雑な手続きをしなくて済むんですよね」これまでも、日々の小さな違和感からライフプランまで、日常における対話を大切にしてきた2人。話し合いこそがパートナーシップのスタート地点だとシオリーヌさんは言う。実は性教育とパートナーシップは切っても切り離せない問題。相手とヘルシーな関係を築くうえでも、お互いが納得できる関係性について話し合える距離感が理想だ

世間が決めた暗黙のルールに従う必要はない。

つくしさんが改姓をする形で今年4月に籍を入れたシオリーヌさんだが、新たな発見もあったそうだ。「結婚したことで変わったことが何もなくて驚きました!(笑)うれしい半面、夫がいろんな手続きに追われているのを見て、申し訳ない気持ちにもなりました。今後、名字を変えずに法律婚が選べるようになればいいなと思っていて、選択的夫婦法律婚を選ぶことになった。

「私にとって、法律婚の一番のデメリットは改姓が必要なことでした。その問題をクリアできたので、法律ばいいなと思っていて、選択的夫婦別姓制度に賛成しています」さらにシオリーヌさんは続ける。「これだけ働き方や生き方が多様になってきたなかで、結婚や恋愛の形がステレオタイプというのは無理があります。それ故に女性が苦しい思いをしているのが現状。ここで一度立ち止まって、世間で当たり前とされていることは何なのか、それに対して自分はどう思うか、考えてみるといいかもしれません。私たちは、男性から指輪をもらい、プロポーズをされて、法律婚をし、女性が名字を変える、という暗黙のルールに沿わなくてもいいんです」法律婚を選んだシオリーヌさんは今、満足そうに見える。彼女は女性が改姓せずに法律婚するという一つの選択肢を、私たちに示してくれた。

迷った時の支え…『逃げるは恥だが 役に立つ』 海野つなみ

『逃げるは恥だが 役に立つ』 海野つなみ

「契約結婚」を切り口に、男女が抱えるさまざまな社会問題について言及した漫画。ドラマ化もされたラブコメディだ。「勇気を持って対等に話し合うことが、よりよいパートナーシップを築くために不可欠であるということを思い出させてくれる作品です」(講談社/全11巻/429〜440円)

My decision

・1度目の結婚で学んだ 経験を2度目で生かす。
・自分の「絶対に譲れないポイント」を決める。
・パートナーとお互いが納得いくまで話し合う。

Biography

・1991:神奈川県に生まれる。
・2014:助産師、看護師、保健師の資格を取得する。受胎調節実地指導員の資格を取得する。最初の結婚相手と離婚を経験。名字を元に戻す。
・2018:性教育YouTuberシオリーヌとして活動を開始!
・2019:パートナーであるつくしさんと入籍。
・2020:つくしさんが改姓。

シオリーヌ

1991年生まれ。YouTuberで助産師。初の著書となる『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』を12月8日にイースト・プレスより刊行予定。現在クラウドファンディングに挑戦中!

(Hanako1190号掲載/photo:MEGUMI, Tomo Ishiwatari, Andy Jackson, Keiko Nakajima, Naoto Date illustration:Manako Kuroneko text:Rie Hayashi, Mariko Uramoto, Makoto Tozuka, Miho Oashi, Rio Hirai edit:Rio Hirai)

Hanako SDGS
Hanako SDGS / Hanako編集部

「政府や企業のだけのものではなく、私たちが毎日を変えていくための課題でもSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)。Hanakoはみなさんと一緒にSDGsについて考えていくために、様々な情報を発信していきます」

Hanako SDGSさんの記事一覧 →
2021年4月1日以降更新の記事内掲載商品価格は、原則税込価格となります。ただし、引用元のHanako掲載号が1195号以前の場合は、特に表示がなければ税抜価格です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。
TOPに戻る