『伊藤家の晩酌』~第八夜2本目/華やかな香りが通り抜ける「花の香 和水 純米大吟醸」~
2020.02.02

第27回 娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 『伊藤家の晩酌』~第八夜2本目/華やかな香りが通り抜ける「花の香 和水 純米大吟醸」~

弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第八夜からは二夜にわたって、娘と父が二人っきりの九州旅で実際に酒蔵を巡って選んだ6本をご紹介。旅の思い出の聞き手として母・ミキも加わった第八夜、2本目は熊本の肥沃な土地から生まれた美味なる日本酒。
(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)
伊藤 ひいな
伊藤 ひいな / 唎酒師

「東京生まれの23歳。大学入学時から割烹料理店でアルバイトをはじめ、20歳のお酒の解禁とともに日本酒にハマる。唎酒師の資格も取得し、日本酒の知識を増やすべく日々邁進中。父はHanakoをはじめ多くの雑誌で引っ張りだこの人気フォトグラファー、伊藤徹也。酒好き気質は間違いなく父親譲り!」

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第八夜2本目は、香り抜群、飲み心地のやさしい「花の香 和水 純米大吟醸」

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熊本県和水(なごみ)町にある花の香酒造。和水町で育った山田錦を100%使用し、仕込水も菊池川の伏流水という、すべてが“和水”という土地だからこそ生まれた日本酒。「花の香 和水 純米大吟醸」720ml 1731円(税別・ひいな購入時価格)/花の香酒造株式会社

娘・ひいな(以下、ひいな)「この『花の香』っていうお酒は熊本県玉名郡和水町のお酒だよ」
父・徹也(以下、テツヤ)「そうそう、福岡の八女から熊本へ」
ひいな「まずは飲んでみよ!」

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一同「乾杯〜!」
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冷やの状態でワイングラスに注ぎ、みんなでゴクリ。

母・美樹(以下、ミキ)「うわぁ、おいしい! ふわっと香りが入ってきた!」
テツヤ「これは冷え冷えがうまいわ。ちょっと温度が足りなかったら、重くなるかも」
ひいな「うんうん、冷やして飲んだ方がおいしいね」
テツヤ「うんまいねぇ、このお酒! 意外に後からくるね」
ひいな「ちょっと酸味があって」
テツヤ「酸でキレてる感じあるね」
ひいな「なんかね、はちみつとか花の蜜みたいな甘みも感じない? 
蜜を口の中で回してる感じ」
ミキ「うんうん、わかる。でも少し酸もあって、さっと消えていく感じ」
ひいな「そうそう」
テツヤ「あのさ、試飲する時によくやる、空気を入れながら飲むやつ
、あれやってみたら味変わるかな?」
ひいな「あれね、あんまりよくないんだって(笑)」
テツヤ「マジかー?」
ひいな「この前ね、とある講座を受けに行ったの。その時、口の中で回さないで、普通にゴクンと飲んでくださいって言われて。飲んだ瞬間に、お酒の入り口と真ん中と後味を把握してくださいって」
テツヤ「なるほど〜。まぁ、飯食いながら、口の中でお酒回したりやんないもんな(笑)」

熊本県和水町、きれいな川沿いに建つ〈花の香酒造〉の様子はこちら!

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写真をみせながら母・ミキに見学の様子を説明!

ひいな「どうしてこの蔵を選んだかっていうと、前に日本酒のセミナーを受けたことがあって。その時の講師が『花の香』の方だったの」

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ミキ「これはギャラリー?」
ひいな「そう。写真を飾ってあったよ。他にも意外だったのが、農業部のオーガニック推進係があって。最新の設備も投入しながらも、昔ながらの造り方も推進していて、両極端のことを一緒に進めているのがユニークだなと思って」
ミキ「すごいね。おもしろい!」
ひいな「ね。そのことにすごい好感を持って。セミナーの時も、実際にその土地に行ってみないとわからないこともあるから、ぜひ和水町に来てみてくださいって社長さんがおっしゃっていて。それで実際に行ってみたの」
テツヤ「時間のない中、蔵を全部案内してくれたんだよな」

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蔵を案内してくれたのは代表取締役社長の神田清隆さん。

ひいな「そう。お話も聞かせていただいて、すごくあったかい蔵だった」
テツヤ「娘さんがすごい素敵だったよね。かっこよかったな」
ひいな「そう、神田道子さんがオーガニック推進部係なんだよね。試飲もさせてくださって」

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オーガニック推進部係の神田道子さんとバーカウンターで試飲。

テツヤ「ああ、自分たちで田んぼも持ってるんだよね?」
ひいな「そう、最近は自分たちでオーガニックでお米を育て始めてるんだって」
ミキ「わぁ、それはすごいね」

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菊池川沿いに建つ花の香酒造。土地の恵みを活かした酒造りを目指す。

ひいな「この先が全部畑になっていて、川挟んだ向こう側も自分たちの畑なんだって。全量、和水町のドメーヌ化に取り組み始めてるのね。2019年度から始まったらしくて。去年は台風で大変だったから、お米がなかなか採れなくて初年度から大変だったっておっしゃってた」
テツヤ「ドメーヌ化ってわかりますか?」
ミキ「よく聞くけれど、ちょっとわかってないかも…。今までも何度か話に出てきてたよね?」

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ひいな「ドメーヌ化っていうのはね、その土地に湧く水を、米を育てる水にも使うし、お酒の仕込水どちらにも同じものを使って、和水町の土地のものでお酒を造ること」
テツヤ「それってワインの世界でも同じことだよね?」
ひいな「うん、同じだね。この『和水』は、お水もそうだし、お米も和水町という土地にこだわって造ったお酒なんだよね。すごく自然が豊かな和水町だから生まれたお酒ってこと」
テツヤ「ほら、実際に鴨の、なんだっけ?」
ひいな「合鴨農法! 田んぼに鴨を放して、雑草や虫を食べさせることで、農薬を減らしたり使わない農法のこと。その鴨たちはどうするんですか?って聞いたら、いまは違う施設で肥やさせて食肉として食べるというサイクルを作っている段階なんだって」
ミキ「うん。ううん!? 鴨は食べられちゃうの?」

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テツヤ「そう。いただきますの精神だね」
ひいな「この蔵の2階が、日本酒とお米を育ててくれた鴨を食べられるレストランになるんだって」
ミキ「土地の恵みを全部いただく、っていうことなんだね」
ひいな「それがワインじゃなくて、日本酒でっていうのがいいよね」
テツヤ「すごくいいところだったな」
ひいな「熊本って実は“水の都”っていわれてて、水道の水源の80%が地下水なんだって。普通は20%くらい。それくらい地の力っていうか、土地の力が強い場所なんだね」

「花の香 和水 純米吟醸」に合わせるのはピリッと山椒が効いた「生麩田楽」!

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ひいな「このお酒に合わせる料理は、生麩です!」
テツヤ「うわ、絶対合うな」
ミキ「おいしそう!」
ひいな「左から、あわ麩、よもぎ麩、ごま麩です! 上にかけた田楽味噌は、群馬県の永井酒造から買ってきたものだよ」
ミキ「上にかかっているのは山椒?」
ひいな「そう」
ミキ「山椒が効いてるね! このお酒に山椒がすごく合ってる」
テツヤ「これさ、もはや水と合わせてもうまいんじゃないかっていうくらい生麩がうまいね」
ひいな「ちょっと(笑)。ちゃんと日本酒と合わせて!」
テツヤ「なんかさ、四合瓶の減るペースが早いんだよな」
ひいな「確かに、減りが半端ないね」
ミキ「おいしいし、グラスが大きいからなみなみと入っちゃう」

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テツヤ「山椒がいいね。この組み合わせ、最高」
ミキ「山椒のふわっとくる香りとお酒の香りが合う。負けてない。」
テツヤ「このお酒は何になるの? 純米大吟醸?」
ひいな「そうだよ」
テツヤ「だから香りが強めなんだね」
ひいな「蔵がね、高揚感のあるお酒を作りたいって言ってて、濃い味のものと合わせてほしいって聞いたから、これは田楽味噌と山椒のペアでやってみようかなと思って」
テツヤ「なるほど。腑に落ちるおいしさだね」
ミキ「麩だけに」
一同「(笑)」
ひいな「ちょっと油を多めに、揚げ焼きにするのがポイントかな」
ミキ「どうして、山椒を合わせようと思ったの?」
ひいな「ちょっとアクセントがほしかったから」
テツヤ「これ、家にある山椒?」
ひいな「そうだよ。生麩って脇役なイメージだけど、それを主役にするにはスパイスかなと思ったんだよね」
テツヤ「なるほどなぁ。味噌に山椒って合うね。旅館の突き出しでもいける!」
ひいな「グビグビ飲んじゃうね」
テツヤ「酒蔵の人の意図通りになってるね」
ひいな「濃い味と合わせて」
テツヤ「でも、こんな強い味でも負けないお酒だね」
ミキ「和水町って位置的には内陸にあるのかな?」
テツヤ「そう。川があって、山に囲まれている地域だね」
ミキ「あぁ、だからこういう味噌とか合うんだろうね」
ひいな「生キャラメルとかでも合うと思うな」
テツヤ「それ、おもしろい!」
ひいな「煮詰めた角煮とか」
テツヤ「っていうか、やっぱりうなぎでしょう!」
ミキ「うなぎ食べたい!」
ひいな「間違いない!」
テツヤ「川も近いし、川魚合うんだろうな」
ひいな「そうやって、このお酒がいろいろな食べ物を連想させてくれるのは、お酒として完成してるってことだと思うんだよね。ぜひいろいろ試して飲んでほしい!」

純米大吟醸のあまりのおいしさに、開眼!?

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テツヤ「いままであんまり大吟醸系を押したことなかったじゃない?」
ひいな「かなり抑えめな純米大吟醸でしょう?」
ミキ「華やか過ぎなくて、でも上品で」
テツヤ「うん、そうそう。ほかの蔵でも大吟醸系を買ってみたかったんだけど、ちょっと値段が高いから手が出せないのがいくつかあって…」
ミキ「大吟醸ってそんなに値段が違うの?」
テツヤ「ぜーんぜん違う!」
ひいな「うん、倍とか違うよ」
テツヤ「これはね、すごくいい純米大吟醸だね」
ひいな「お値段もお手頃だしね。さて、How much?」
ミキ「2400円!」
テツヤ「3200円!」
ひいな「ハズレ! なんと1700円!」
テツヤ&ミキ「え〜〜〜〜〜! 安い!」
テツヤ「今までの純米酒と変わらないじゃん! 仕入れて、高く売りたいよ(笑)」
ミキ「うわ、お得だね」
テツヤ「これ、相当うまいよ!」
ひいな「一升瓶でも3400円だって」
テツヤ「一升瓶で買う買う! でも、入れる場所がないからなぁ。一升瓶入るセラー買うか」
ひいな「買ってくれる(笑)?」
テツヤ「もうさ、値段で選べないね」
ひいな「日本酒ってそうなの。値段が高いからおいしいっていうわけじゃない。蔵の価値観もあるし、値段も含めて、蔵の良心で完成してるから」
テツヤ「2019年ベストかもね」
ひいな「おぉ? アワードやってもいいかもね。今までの振り返り」
テツヤ「年度末にやろうよ! 真摯にやってる蔵をやっぱり応援したいよね」
ひいな「うん、すばらしいお酒をもっと知ってほしい」
ミキ「パッケージも、なんか真面目な感じがするね」
ひいな「この風土を感じて飲んでほしいから、ぜひ蔵にいってほしいな」
ミキ「写真見てると行きたくなるよ」
テツヤ「鴨に合わせて飲みたくなってきたな。Uber Eatsで鴨料理、配達してくれるとこないかな」
ひいな「鴨料理、あるかな…(笑)」

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テツヤ「これ喜ばれると思う、ほかのジャンルの料理にも合うし、山椒が合うっていうことは中華にも合うと思う!」
ミキ「あ、麻婆豆腐!」
テツヤ「俺、今から作ろうか?」
ひいな「得意料理だもんね」
テツヤ「ここまでみんなの評価が高いお酒、なかなかなくない?」
ひいな「試飲で1本なくなったの初めてかも(笑)」

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花の香酒造株式会社のみなさま、ありがとうございました!

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