『伊藤家の晩酌』~第三夜2本目/若き杜氏が手がける新ブランド「AKABU 純米吟醸酒 雄町」~
2019.09.22

第10回 娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 『伊藤家の晩酌』~第三夜2本目/若き杜氏が手がける新ブランド「AKABU 純米吟醸酒 雄町」~

弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 2本目は岩手を代表する酒に成長した、話題の一本。
(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)
伊藤 ひいな
伊藤 ひいな / 唎酒師

「東京生まれの23歳。大学入学時から割烹料理店でアルバイトをはじめ、20歳のお酒の解禁とともに日本酒にハマる。唎酒師の資格も取得し、日本酒の知識を増やすべく日々邁進中。父はHanakoをはじめ多くの雑誌で引っ張りだこの人気フォトグラファー、伊藤徹也。酒好き気質は間違いなく父親譲り!」

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2本目は、香りがすーっと通る上品な味わいの「AKABU 純米吟醸酒 雄町」

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震災後、ゼロから復活した蔵で2014年に誕生した新ブランド。赤い兜のマークが目印。「AKABU 純米吟醸酒 雄町」720ml 2,052円(税込・ひいな購入時価格)/赤武酒造株式会社

娘・ひいな(以下、ひいな)「若杜氏といえば、赤武(あかぶ)は外せないお酒なの」
父・徹也(以下、テツヤ)「どこのお酒?」
ひいな「岩手県盛岡市」
テツヤ「ラベルもおもしろいね。兜?」
ひいな「そう。ワインみたいでしょ?」

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テツヤ「ラベルに書いてある『雄町(おまち)』って何?」
ひいな「酒造好適米の名前だよ。1本目に飲んだのは山田錦で、これは雄町」

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テツヤ「恥ずかしながら初めて聞いたよ。難しいことはいいから、まず飲もう(笑)」

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(ワイングラスの内側にお酒を添わせて、くるりと一周)

ひいな「これはね、ワイングラスで飲んでほしいの。香りがすごくいいから、こうやって香りを立たせてから飲んでみて。平たいおちょこで飲むのはもったいないなと思って」
テツヤ「大切な儀式だね。ワインを撮影する時も、こうやってやるよ」
ひいな「このお酒は、香りを楽しんでほしい」
テツヤ&ひいな「んじゃ、乾杯!」

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テツヤ「う〜ん、いい香り。こりゃ、もうワインだね」
ひいな「雄町っていう酒米を使った、純米吟醸だよ」
テツヤ「上品な吟醸だな、嫌味がないね」
ひいな「そう! 嫌味がない!」
テツヤ「きっと、いい人が造ってるんだね」

「AKABU 純米吟醸酒 雄町」に合わせるおつまみは、「かぼちゃのサラダ」!

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ひいな「赤武は、いろんな酒米と向き合ってて、このお酒は雄町」
テツヤ「赤武だけで、何種類も出てるの?」
ひいな「そう。しかも最近、賞を総なめにしている」
テツヤ「そりゃ、すごいね」
ひいな「このお酒は飲んだ時に、パッションフルーツみたいな香りがするなと思って」
テツヤ「うん、確かに日本酒を飲んでることを忘れる日本酒だね、これは。何、飲んでるんだろ?って一瞬思った」
ひいな「海外でも評価が高いんだよ」

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テツヤ「なるほど、このローマ字表記とか、兜は海外を意識してるんだね。相当攻めたパッケージだよね」
ひいな「前から赤武のお酒はおいしいと思ってたんだけど、何と合わせようかなと思って、かぼちゃのサラダにしてみたよ」
テツヤ「意外な組み合わせだけど、すごく合うね」
ひいな「ね、合うでしょ?」
テツヤ「レーズンの残り香がすごいマッチしてる」
ひいな「最初はね、ねっとりしたのが合うかなと思ってポテトサラダを作ってみたの。でもポテトじゃないなと思ってレーズンを入れてみたら、合うことがわかって、そこにクリームチーズを足してみたり。で、結局、かぼちゃに玉ネギとラム酒につけたレーズンを入れてみたよ」
テツヤ「香りが華やかだから、レーズンの甘い香りにも合うんだろうな、きっと」

震災から酒蔵を再建!若き杜氏が挑む新たな酒造り。

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(赤武について調べる、父・テツヤ)

ひいな「杜氏は長男の古館龍之介さん。東京農業大学の醸造科を卒業して、蔵を継いだの」
テツヤ「日本酒界のエリートだね」
ひいな「龍之介さんが大学1年生の時に東北の震災が起きて、岩手県の大槌町に蔵があったんだけど全壊しちゃったんだって。そこから岩手県盛岡市に蔵を建てることできて、大学を卒業した2014年に岩手に戻って後を継いで、この『赤武』っていう銘柄を造ったんだって」
テツヤ「もともと実家が酒蔵だったんだね」
ひいな「そう。場所ごと移動して、新しく建て直したみたい。いままでお酒を造っていた人たちは大槌町にいたから距離があったから、蔵人を新規で募集して、若手の龍之介さん主導でお酒造りをもう一度始めたみたい」
テツヤ「22歳という若さで、このお酒を造ったんだね」

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ひいな「そんな若さで質の高いお酒を造って、ここまで有名になるのは難しいことだったと思うよ。酒造りって、“手造りが命”みたいなところがあるけれど、龍之介さんは、使えるところは機械を使って、ちゃんと休めるようにと考えて、蔵人もシフト制でやってるらしい」
テツヤ「そりゃ、いまどきのやり方だね」
ひいな「『白龍』の女性杜氏の吉田さんもそうだけど、設備投資にすごくこだわってて。設備をしっかり導入して少ない人員でもできるようにしたり」

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テツヤ「蔵の存続がかかってるんだもんな。ひいなもどこかの酒蔵に入ってみるってのは考えたことないの?」
ひいな「うん、前に考えたことある」
テツヤ「酒造りがしてみたいの?」
ひいな「うん、お父さんみたいに、“手に職”っていうのに憧れてる」
テツヤ「小さい頃からずっと言ってたんだよな。引っ越しても食える職業がいいよって。カメラマンは、なんだかんだ雇われみたいなもんだからさ。美容師とか、料理人とか、そういう仕事だと場所にとらわれないでいいよってね」
ひいな「人手不足で困っているところがあれば、ぜひ!」

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