神田愛花さん×銀座、ドライブ旅行など新連載まとめ12選|ひとりで見るべき映画、子連れカフェほか
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これからのスタンダード?買わないで、交換する古着の見つけ方。
代々木公園<ALISHAN PARK CAFE>の
あたらしいファッション流通物語。

SUSTAINABLE 2023.09.02

最近自分の格好にしっくりこない。ときめく服に出会えていないし、何か新しい服をハントしたい気分。
…そんな時、あなたはどこで服を探す?
欲しいものも色々あるけれど、お金は賢く使いたい。
そんな時にぴったりな場所、それは<ALISHAN PARK CAFE(アリサンパーク カフェ)>で月1回開催される、クロージングスワップ(洋服の交換会)
いらない服をクローゼットから引っ張り出して、出かけよう!

クロージングスワップ(服の交換会)ってどんなイベント?

オーガニックカフェ&ショップ・アリサンでは2ヶ月に一度ほど、クロージングスワップのイベントが開催されている。このクロージングスワップとは、古着の交換会のこと。参加者はいらなくなった服を持ち込んで500円の参加費を払えば、そこでさらに他の参加者から集まった服を何枚でも持ち帰れるという、物々交換のようなイベント。

7月16日に訪れた今回は、アリサンの1周年を記念して、東京で活動するボランティア団体Homage Tokyo(オマージュトウキョウ)とコラボレーションという形で開催された。

そこでHomage Tokyoのプラディさん(写真・左)にこの取り組みについて伺いました。

プラディさん(写真・左)とアリーさん(写真・右)
プラディさん(写真・左)とアリーさん(写真・右)

生まれ育ったアメリカで培った、”交換する”文化を東京で。

「Homage Tokyoの取り組みは、去年の2022年から始めました。初めは3人でやっていたのですが、メンバーの一人が今海外で勉強中なので、今は私(写真・左)とアリー(写真・右)の2人で主な活動をしています。私はアメリカ生まれで2013年に日本に留学して以来、ここで暮らしています。もともと日本文化に詳しかった訳ではなく、アメリカの大学で日本語のクラスではパーティーが多いって聞いて何気なく取ったんです。そうして気づいたら、日本に留学して仕事をするまでに(笑)」
今ではすっかり日本での生活に馴染んでいる様子のプラディさんだが、この洋服交換会を始めたきっかけはなんだったのだろうか。

子供連れの人も多い。
子供連れの人も多い。

「実は生まれ育ったアメリカでは、いらなくなったもの・もう使わなくなったものを交換してリサイクルするイベントが多いんです。洋服だけでなく、日常的にいらなくなったものは家の外に置いておいてもいいから、家具とかもみんなご自由にどうぞという感じ。だから東京にもそういう気軽なカルチャーを持って来れたらいいなと思って」
もともとファッションが好きで、日本では下北沢などに古着をハントしにいくことも多かったという。「でもやっぱり、東京の古着は高いですよね(笑)。それに古着を買うことって最近はエコだと捉えられるけれど、実は海外から日本に服を送るのってものすごくコストもかかるし、地球にも負荷をかけていることになる。そういったことを考えているうちに、日本には服を交換してリサイクルする場が全然ないことに気づいて。そこで始めたのが、地域のカフェとコラボして開催する洋服交換会でした」
こうして、普段は会社員の仕事をしながら、日本で出会った仲間に声をかけて週末などにイベントを開催し始めた。

「実は僕、昔アメリカにいた頃に車で少しスピード違反をしてしまって。アメリカではそうすると、罰金とボランティア活動が課されるんです。僕はホームレスの方々をサポートをする選択をしたのですが、それをやっている時とても居心地がよかった。それでこれからもボランティアを続けようと決めたんです。やっぱり僕は何事も楽しみながらやりたいので、日本では元から好きだったファッションで始めようと思いました」ファッションが好きだからこそ、ビジネスにはしたくなかったとも語るプラディさん。環境のことも考えて、洋服を交換するというイベントをまず初めに思いついたそう。

「このイベントを通して、いらなくなったものや洋服にも歴史があるってことを意識する、想像することが大事なのかなと思います。もちろん、お店で古着を買うことも人生の楽しみとして良いと思いますが、全く知らない人の古い服を買うよりも、交換会では持ってきた人の思い出があるかもしれない。そう考えたら、より価値を尊重できる気がします」

自分に合うサイズを見つけたり、お気に入りのデザインを求めてみんな真剣な表情。
自分に合うサイズを見つけたり、お気に入りのデザインを求めてみんな真剣な表情。

実際、交換会には友人同士や知人同士で参加する人も少なくない。服だけではなく、人との繋がりも感じられる居場所になっている。
「あとは、Homageの他にも洋服交換会のグループはあるのですが、結構参加費が高くて2000〜3000円ぐらいが一般的。そうするとみんなファストファッション店に行っちゃったりするから、誰でも気軽に寄れるように私たちは参加費を500円に設定しています」

実際当日はかなりの数の持ち込みの洋服が集まる。ここで貰い手がなかった服たちは、どうなるのだろうか?
「残りは、後日フリーマーケットで無料で配っています。1時間ほどで無くなっちゃうんですよ。僕たちは服をローカルでまわしたいという気持ちがある。やはりアリサンでやるイベントは、立地柄、国際的で仕事を持っていて金銭的にも余裕がある方が多い。フリーマーケットにはもっとさまざまな背景を持った方たちがくるので、そういう場所でも服を循環させることが大事だと思っています」

まずは身近な人たちと楽しむ。なにかを始める時に大切にしていること。

臨機応変に、いつでも身軽に様々なことをこなすプラディさんだが、まだまだやりたいことは山積みだという。「まずは、こういったイベントを東京だけでなく、地方でも始めたいです。地方でおしゃれしたくてもお店がなくてあまり買い物もできない人たちに、古着を流通させて行きたい。交換会だけでなく、例えば服のリメイクのワークショップなんかもできたらいいですよね。もう使わなくなった服を手直ししたり、好きなアレンジを加えたり」

アイディアはどんどん飛び出す。「実は、僕たちがこういうイベントをやっているのは環境のためだけではなく、オーガニック・ベジタリアンカフェの良さをもっと日本で広めたいという思いもあります。今では日本でもかなり認知されてきましたが、やはりまだまだ経営が困難で倒産してしまうカフェが多いんです。この前も僕らがイベントをやらせてもらっていた店が潰れてしまって。だから僕らがイベントをすることで来た人たちが、カフェの食べ物や飲み物も買って、ベジタリアンフードの美味しさに気づいてもらいたいんです」

最後に、誰かのため、環境のため、何か行動をしたいと考えている読者に、何かを始める際のアドバイスを聞いてみた。
「僕らのイベントも、最初は全然参加者がいなくて。やり方も手探りでした。でもやりたい気持ちがあるのなら、ジャンルは違くとも既になんらかのプロの人とコラボレーションしてやったらいいんです。僕も30歳からこういう活動を本格的にやり出したので、どうしてもっと若い時に始めなかったんだろうって後悔してます(笑)。完璧から始めなくていいんです。明確なプランがなくても、まずは周りの人に話すことからはじめてみてください」

アリサン・少年
アリサン クロージングスワップ様子
アリサン クロージングスワップ
photo_Rin Tsukamoto edit_Wakaba Nakazato

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