ハナコラボSDGsレポート 100年の歴史を持つ和紙工房の新たな挑戦。廃棄された野菜や果物から紙を作り上げる〈Food Paper〉
ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった4人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。第43回は、エディター、ライターとして活躍する大場桃果さんが、廃棄された野菜や果物から紙を作る〈Food Paper〉に取材。伝統工芸士・紙漉き職人の五十嵐匡美さんとブランディングを担当する安田昌平さんに話を聞きました。
地域の農園や工場から集まった廃棄食材が紙に生まれ変わる。
ーー現在使っている素材はどのように集まってきているのでしょうか。
五十嵐さん:例えばブドウに関しては、近所のブドウ農園でジャムを作る時に出てくる搾りかすをもらっています。そこは無農薬で栽培しているため虫の被害に遭ってしまうことも多く、そういったものを私たちが活用しています。
安田さん:あとは近くの小中学校で子どもたちが食べた後のみかんの皮とか。メインで扱っている玉ねぎやじゃがいも、にんじんは、福井県内にあるカット野菜工場から皮をもらっています。
ーーそれは皆さんの方からお声がけをして取り組みが始まったんですか?
五十嵐さん:ほとんどがそうです。電話をしたり直接会いに行ったりして、ご協力をお願いしました。あとは、私たちの活動を知った近所の大根農家さんが葉の部分をたくさん届けてきてくれたことも。これから大根の季節になると思うのですが、先日「今年もまた持って行くね」と言っていただきました。
ーー捨てられてしまうはずのものがこうやって素敵な商品に生まれ変わるのは、食材を作っている方々にとっても嬉しいことですよね。
五十嵐さん:そうですね。みなさんに喜んでいただけているので、〈Food Paper〉を始めてよかったなと思います。
ーーちなみに一番人気の商品はどれですか?
安田さん:ノートやメッセージカードが人気ですね。カードは8種類あるのですが、全種類買われる方もいらっしゃいます。
ーーみかんやにんじんはなんとなく色のイメージができるのですが、ネギが想像以上にきれいで驚きました。
安田さん:これは長ネギの青い部分を使っています。焼き鳥のねぎまを想像してもらえばわかるとおり、料理で使うのってだいたい白い部分じゃないですか。だから、廃棄として出てくるのは青い部分がほとんど。その結果としてこのようにきれいな緑色になっています。
ーーなるほど!「これはどの食材のどういう部分かな?」と想像しながら使ってみるのも面白そうですね。