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2022.10.06

神々に守られた島、隠岐4島ツアーその3 【海士町 (中ノ島) 】後鳥羽上皇ゆかりの中ノ島で歴史を肌で感じたい。

島根半島を離れること約50km、見渡す限りの海原にこつ然と緑の島影が姿を現す。日本海に浮かぶ隠岐(おき)には、大地の成り立ちを伝える絶景と、離島ならではの独自の生態系、古くから受け継がれる固有の文化が損なわれることなく息づいている。「開発」の2文字から縁遠いところにあり続けるこの場所が、今やどれほど貴重なことか。2013年、世界ジオパークに認定されたことを機に国際的な評価が高まり、旅の上級者の間で注目の的になりつつある。

中ノ島・海士町(あまちょう)の人にとって後鳥羽上皇は遠い存在ではなく、生活圏内に気配を感じる身近な存在だ。大人から子どもまで、親戚のような気安さで「ごとばんさん」こと後鳥羽上皇を語る。いわく、隠岐の古典相撲や牛突きはごとばんさんを慰めるために始まったとか、菊の御紋はごとばんさんが海士で刀に刻んだのが由来だとか。この島で永遠の眠りについたごとばんさんは今、隠岐神社の御祭神となって島を見守っている。

文武両道。自ら道を開いた上皇の神徳にあやかる。

後鳥羽上皇が中ノ島で崩御してから700年の節目となる1939年、上皇その人を御祭神に創建された隠岐神社。武芸に秀で和歌に優れた才人にして、政治の主導権を取り戻そうとした気概の人にあやかろうと、開運を祈る人が後を絶たない。後鳥羽上皇が19年間を過ごした行在所跡や御火葬塚が境内に隣接。ごとばんさんの気配が色濃く感じられる。

後鳥羽上皇の詠んだ和歌の碑。上皇は隠岐で和歌に一層打ち込み、『遠島 御百首』や『隠岐本 新古今和歌集』を編纂した。
後鳥羽上皇の詠んだ和歌の碑。上皇は隠岐で和歌に一層打ち込み、『遠島 御百首』や『隠岐本 新古今和歌集』を編纂した。
56,000㎡の境内に佇む隠岐造りの社殿。春と秋に行われる例祭では、巫女舞が奉納される。
56,000㎡の境内に佇む隠岐造りの社殿。春と秋に行われる例祭では、巫女舞が奉納される。
後鳥羽上皇の詠んだ和歌の碑。上皇は隠岐で和歌に一層打ち込み、『遠島 御百首』や『隠岐本 新古今和歌集』を編纂した。
56,000㎡の境内に佇む隠岐造りの社殿。春と秋に行われる例祭では、巫女舞が奉納される。

〈隠岐神社〉
島根県隠岐郡海士町海士1784
08514-2-0464
拝観料無料

里山にポツン。なのに実はパワー絶大。

田んぼの真ん中に立つ鳥居、こんもりとした鎮守の森、緑に半ば隠れた小さなお社。日本昔ばなしのような景色に心が和むが、ここ宇受賀命(うづかみこと)神社は、実は延喜式神名帳記載の名神大社。かつては大陸からの危機に備えて日本を護っていたのだろう。海を見渡す断崖の上に鎮座していたという。古代のロマンが感じられる場所だ。

参道は田んぼの中の一本道。黄金色の稲穂が美しい。ご利益は五穀豊穣、海上安全、安産など。
参道は田んぼの中の一本道。黄金色の稲穂が美しい。ご利益は五穀豊穣、海上安全、安産など。
参道も狛犬も手入れが行き届き、集落で崇敬されているのがわかる。
参道も狛犬も手入れが行き届き、集落で崇敬されているのがわかる。
参道は田んぼの中の一本道。黄金色の稲穂が美しい。ご利益は五穀豊穣、海上安全、安産など。
参道も狛犬も手入れが行き届き、集落で崇敬されているのがわかる。

〈宇受賀命神社〉
島根県隠岐郡海土町宇受賀747
08514-2-0464(隠岐神社の宮司さんが管理されています)
拝観料無料

photo:Mihoko Sakamoto text:Mutsumi Hidaka

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編集部 / Hanako編集部

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