昭和から続くニッポンのクラシックホテル。 老舗ホテル〈The Okura Tokyo〉の新たなスタート。国際都市・東京を象徴する、新時代の“おもてなし”。 TRAVEL 2020.07.21

創業50年を超える老舗ホテルに共通するのは、新たな時代を迎えてなお、進化し続けている点。これからの100年もきっと、思い出の宿る場所として彼らは存在し続ける。今回は2019年9月一からのスタートをきった〈The Okura Tokyo〉をご紹介します。館内には以前と変わらぬゲストの姿がありました。

2015年8月。本館ロビーには老若男女、国籍問わず多くのファンが訪れ、1962年から続いた歴史がいったん閉じることを名残惜しんだ。それから4年。〝建て替え〞ではなく一からのスタートを選択した〈The Okura Tokyo〉が開業を迎えた2019年9月、館内には以前と変わらぬゲストの姿があった。

天井から吊り下げられた「オークラ・ランターン」はLEDに。また、梅の花のテーブルは漆を塗り替え、鏡面仕上げで輝きを取り戻した。
天井から吊り下げられた「オークラ・ランターン」はLEDに。また、梅の花のテーブルは漆を塗り替え、鏡面仕上げで輝きを取り戻した。

誰もが驚いたのは、代名詞ともいえる「オークラロビー」だろう。記憶に残る意匠はそのままに、けれどもより洗練され、新時代に添った形で見事に蘇っていたからだ。実際にこの場に立ってみると、スマホを動かす手が止まり、視線が自然と上へと向かう。そして大きく深呼吸をして、ひと息。開業以来、この地に流れる〝気〞を思い切り吸い込めば、まるでデトックスしたかのように、驚くほどリフレッシュできる。これが東京の一等地で、それも誰もが訪れることができる場所として、開放されている意義は大きい。

もちろん、大きく生まれ変わった点もある。それは、館内がつの異なるコンセプトをもつ棟で構成されている点だ。客室ごと天空に浮いているかのような躍動感のある高層棟の「オークラプレステージ」、色濃く和のテイストを残した静寂が包む中層棟の「オークラヘリテージ」。どちらも大切にされてきた「日本の情緒」を随所に感じられる空間として、新たな歴史を刻み始めている。

〈The Okura Tokyo〉

■東京都港区虎ノ門2-10-4 オークラプレステージタワー
■「プレステージルーム」1泊1室70,000円〜(税サ別)
■全508室

〈オーキッド〉
■03-3505-6069
■6:30〜22:00
■220席/禁煙

〈スターライト〉
■03-3505-6075
■11:30〜24:00
■89席/禁煙

(Hanako特別編集『Hanako TRIP 今、泊まりたいのはライフスタイルホテル。』掲載/photo:Masanori Kaneshita text&edit:Yoshie Chokki)

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