和紙の町・岐阜県美濃市で〈NIPPONIA 美濃商家町〉宿泊&和紙作りの“物語”を知る。
2020.02.12

伝統の「和紙漉き体験」や「工場見学」が付いたツアーがスタート! 和紙の町・岐阜県美濃市で〈NIPPONIA 美濃商家町〉宿泊&和紙作りの“物語”を知る。

“和紙の町”である岐阜県美濃市に2019年誕生した、古民家を再生したホテル〈NIPPONIA 美濃商家町〉。同ホテルでは現在、美濃の伝統工芸「美濃和紙」の職人と協力し、宿泊と和紙作りの現場見学がセットで体験できる『Washi-naryツアー』を開催しています。また、今回はもう一つのアクティビティプランである『手漉き和紙体験』も一緒に体験してきました!体験を通して、和紙作りの“物語”に触れてみましょう。
稲垣恵美
稲垣恵美 / フリーライター

「北海道出身。食、お散歩、ゆるいもの、ライブなどが好きです」

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和紙の町・美濃の繁栄を支えた「美濃和紙」の歴史。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

豊かな自然に囲まれた、伝統的な日本建築の町並み…岐阜県の中央に位置する美濃市は、1300年以上の歴史を誇る伝統工芸“美濃和紙”によって支えられてきた町。職人の技術で丹念に作られた美濃和紙は、繊細な風合いと丈夫さが魅力です。

そんな美濃市ですが、現在は過疎化が深刻となっているのが現状。昔ながらの伝統工芸も存続の危機にさらされています。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

そんな中、町をもう一度活性化させようと美濃和紙メーカーの丸重製紙企業組合と、全国で古民家再生の活動をおこなう株式会社NOTEが手を取り合い、みのまちや株式会社を設立。

2019年に、同社は地域活性の取り組みとして、かつて和紙原料商人・松久才治郎氏の邸宅と蔵だった空間を、和紙ショップ併設のホテル〈NIPPONIA 美濃商家町〉へと生まれ変わらせました。

“眠れる資産”が生まれ変わったモダンな古民家ホテル。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町
茶室や庭園を備えた「満月」。

〈NIPPONIA 美濃商家町〉の客室は、「主屋」と「蔵」の2タイプ。「残月」「満月」「綾錦」「陽明殿」「大極殿」「金剛」の全6室を完備しています。印象的な客室の名前は、障子紙の銘柄からピックアップして命名されたそうです。

また、こちらの宿で働くスタッフは実際に美濃で暮らしている方が集まっています。そのため、住人の邸宅に招かれたような温かいおもてなしを受けられるのも魅力。滞在している間は住人になった気持ちで、美濃の文化や歴史、暮らしぶりを体験することができます。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

客室にも和紙の町ならではの工夫が満載。壁紙や障子など、随所に美濃和紙が取り入れられています。中には、職人が手掛けた和紙のアート作品も。和紙といろいろな素材を組み合わせて作られた作品もあり、独特の存在感を放っています。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町
身体に優しい食材を、バランスよく食べられます。

朝食は、地元の食材を中心に使った心温まる和定食。季節ごとの食材の美味しさを感じられます。料理をふるまってくれるのも、もちろん住人の方。部屋まで運んでくれるため、ゆっくりと味わうことができますよ。

『Washi-naryツアー』で和紙作りのストーリーに触れる。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

そして新しくスタートしたのが、宿泊とセットで楽しめる『Washi-naryツアー』。和紙の里・蕨生(わらび)や御手洗(みたらい)で、和紙作りの現場を見学しながら和紙作りの“物語”を追うことができるツアーです!

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

まずは、ホテルに併設する和紙ショップ〈Washi-nary〉にて、オーナー兼“和紙ソムリエ”の辻晃一さんが、和紙の奥深さや地域の歴史を説明してくれました。このショップでは、職人さんとお客さんのつながりを大切にしているため、職人さんの顔と名前を出して和紙を販売しています。

また、ワインのテイスティングのように、和紙も“試してみなければ良さがわからない”というところに共通点を見出し、「ワイナリー」から店名を取ったそうです。

ほかには「活版印刷」が体験できるアクティビティプランもあるので、興味のある方は問い合わせてみてくださいね!

美濃 NIPPONIA 美濃商家町
刈り取りしたばかりの時期だったため、楮の姿はありませんでした。

そのあとは、車で蕨生へ移動。やってきたのは、和紙の原料となるクワ科の植物「楮(こうぞ)」を栽培している畑。楮の栽培は簡単ではありません。定期的な草刈りにくわえ、夏には幹を太くするために余計な枝をつみとる「芽かき」という作業をしなければならず、人手が必要なのだそう。うまく育てば、半年から1年で2~3mまで成長するそうです!

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

それから、畑のすぐそばにある〈美濃こうぞ生産組合 穴洞支部〉を見学します。中では、ちょうど楮の表面の黒皮を取りのぞく「たくり」と呼ばれる作業をしているところでした。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

畑で刈り取った楮を専用の蒸し器に入れ、蒸しおわったあとにナイフで一つひとつ皮を剥いでいきます。

その剥いだ皮を乾燥させて初めて和紙の原料となるのですが、天候に左右されるので管理も大変だそう。この作業をされているのが80歳を超える高齢の方というのも気になります。「大変なことも多いけれど、たくさん収穫できた時は嬉しい」とお話されていました。

和紙を作るまでに「こんなに苦労があったんだ…」と、実際に目で見て実感できたのは本当に貴重な経験です!

美濃和紙の手漉きにチャレンジ!

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

次に訪れたのは和紙工房の〈Warabi paper company〉。通常の『Washi-naryツアー』とは別プランですが、今回は特別に和紙漉きも体験させていただきました!まずは、職人さんが和紙ができるまでの工程、和紙漉きの流れについてを説明。和紙作りに欠かせない水は、美濃の清流・板取川の井戸水を使うことで、よりしなやかな和紙になるとのことです。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

次に、職人さんによる和紙漉きのお手本です。最初に「化粧水」と呼ばれる水を薄くすくって流します。これを2回繰り返したら、深く水を汲んで、波が全体にいきわたるように水を横に揺らします。流したら、また水を汲んで今度は縦揺り。これをもうワンセット繰り返します。最後に、「払い水」で表面に残ったごみなどを払い、きれいな表面を作りあげます。

水を横と縦に揺らす製法は、美濃和紙の伝統の漉き方。こうすることで、より丈夫な和紙ができるそうです。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

次は、職人さんからレクチャーを受けつつ私も和紙漉きにチャンレンジしてみました!職人さんはすいすいと水をすくいあげていましたが、持ってみると意外と重たい…!それでも最後の方は少しコツを掴んできて、楽しんで漉くことができました。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

漉いた紙に、今度は紅葉や金箔、色付きの和紙などを使って自由に飾り付けていきます。オリジナリティを出せて楽しい!

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

1回の紙漉きで、3パターンの和紙を作ることができます。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

その紙に、もう一枚「落水紙」と呼ばれる、水を落として模様をつけた紙を重ねます。水滴でこんなに繊細な模様ができるなんて…和紙は奥深い!

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

その後、作った和紙を真鍮製の大きな乾燥機で乾かしていきます。乾くまでにおよそ5~10分かかるので、その間は敷地内を散策したり、工房の和紙を眺めたりと自由に過ごせます。こちらの工房ではいろいろな種類の和紙や和紙で作ったライト、名刺などの販売もおこなっていて、その場で購入することもできます。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

そうこうしている間に、和紙が完成しました!自分で作ったからこそ愛着はひとしお。また、和紙ができるまでの苦労を知れたので、さらに「大切にしよう」という気持ちが芽生えました。

和紙漉きを体験したい方は、工房との調整が必要なため、まずはホテルに問い合わせてみてくださいね。

製紙工場で「機械漉き」の現場を見学!

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

最後に、御手洗にある丸重製紙企業組合へ移動。ここでは「機械漉き」での和紙作りの様子を見学できます。製紙工場の中を見学できるのは貴重だそうですよ!

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

機械漉きは、和紙をロール状に流しておこないます。ここでも手漉きに忠実な製法で、横揺りと縦揺りを再現。機械での作業とはいえ、繊細な加減などは職人の感覚も必要なのだそうです。

紙漉きの様子を見てから見学をしたことにより、さらに和紙作りへの理解が深まりました!

住人の暮らしと伝統工芸に出会う旅。

美濃 NIPPONIA 美濃商家町

地域の文化や暮らしを体験できる今回のツアーは、旅行にはもちろん、地方への移住を考えている方にもぴったりだと感じました。ツアーが気になった方は、現場の状況によって日程を調整するため、まずは〈NIPPONIA 美濃商家町〉へ問い合わせを。

ぜひ「住人」になった気持ちで、和紙の町でのひとときを過ごしてみてくださいね。

〈NIPPONIA 美濃商家町〉
■岐阜県美濃市本住町1912-1
■0575-29-6611(9:00~18:00)
公式サイト

『Washi-naryツアー付き宿泊プラン』
■宿泊(朝食付き)、和紙専門店・楮畑・和紙工房・和紙工場の見学
■宿泊代+30,000円/1回
※予約については問い合わせ。

『手漉き和紙体験付き宿泊プラン』
■宿泊(朝食付き)、和紙工房での和紙漉き体験
■1泊 15,235円~(時期・人数によって変動)
※価格はすべて税込み。

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