ミラノの新トレンドスポット!レトロな雰囲気が楽しめるグルメスポット3選
2019.04.06

「伊太利亜 ミラノ村からBuongiorno!」第6回 ミラノの新トレンドスポット!レトロな雰囲気が楽しめるグルメスポット3選

人生の転機でミラノへ引越しした元築地OLによる、伊太利亜通信。街を駆けまわるのが大好きな好奇心旺盛の食いしん坊が、意外と田舎でミニサイズの愛すべきミラノから、リアルな日常をお届けします。第6回は、まるで家にいるような気分でくつろげる、とっておきの3軒をご紹介!

静谷 麻衣 / フリーライター

「いままでに訪れた国、約35カ国。イタリアに来てからというもの、太陽が照りつける真夏の海で泳ぐことが何よりの楽しみとなりました!(Instagram @shizuraaa)」

静谷 麻衣
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新旧が入り交じる、ミラノ。

イタリアらしさを醸すテラコッタ色の建物とは対照的に、後ろにそびえ立つのはイタリアで一番の高さを誇る現代的なタワー。もともと「ドゥオモ(大聖堂)」のてっぺんに置かれているマリア像よりも高い建物は建てられることのなかったミラノですが、それを優に超える高層ビルが増えつつあります。住宅に目を移すと…古い建物内では旧式の木造エレベーターに取って代わり、現代風のシルバーのエレベーターが設置されていくことに違和感と寂しさを覚えることも。交通事情では、歴史ある石畳の道をガタゴトとトラムに揺られる日もあれば、無人運転の最新メトロを利用する日も。このように古いものも新しいものも容赦なく混在し、前者を大切にしつつ後者も取り入れていくのがミラノ流です。

そんな中で注目したいのが、家庭的な雰囲気の飲食店。まるで友人宅に招かれたかのような居心地の良い空間で仲間とともにゆっくりと時間を過ごせる、トレンドスポットながらも古き良き時代の記憶を大切にするスロースタイルの飲食店が登場しています。

1.〈A Casa Eatery〉

中庭を抜けると…「ここは本当にお店?」と確認してしまうほどに、家に帰り着いたようなホッとした気持ちにさせられる入り口が待っています。ドアの内側も、実際の家の玄関さながらの造り。“忙しい消費社会の雑踏から逃れた家庭的な環境で、現代に忘れられがちな穏やかさを提供したい。ゆったりとしたスペースとゆっくりと流れる時間に浸り、あなたの家だと思って束の間の滞在を楽しんで!”という思いから、店名に「家」という言葉が使われているのです。

自分の家に帰るのが面倒臭くなってしまうほど、くつろげてしまいます!ある日の夜のこと。素敵なインテリアに囲まれ、話に花を咲かせる7、8人のシニョーラ達の会がとても印象的でした。というのも…保守的で長らく男性優位社会だったイタリアにおいて、おじさんばかりでカッフェや食事をする姿を目にすることはあっても、60代以上の女性ばかりが集まって外出している場面に遭遇することはほとんどなかったから。“女性は家で家事”という時代から、少しずつ時代が変化しているように感じます。

この日の前菜に選んだのは、スライスされた小さなパンの上にカリカリに揚げたタコのフライと、スモークチーズ、それにクタクタに蒸し煮にした菜の花系のナポリ野菜(フリアリエッリ)が乗ったもの(13ユーロ)。野菜のほろ苦さがアクセントに効いていて、食材の意外な組み合わせがよく合う!季節の味にこだわり、45~60日毎にメニューを変えているのだとか。

隣のテーブルとは充分な距離があり、そこには様々な家具が配置され、ひとつとして同じ食卓はありません。

2.〈Aprés Coup〉

こだわりのある家具とその配置で、アール・デコの時代にタイムスリップしたかのような空間を提供するのは、ビストロ&パフォーマンスアートシアターの〈 Aprés Coup 〉。フロイトの「事後性」という言葉を店名に掲げ、現代を形作る上での基礎となった過去の文化を伝承するため、平日・週末問わず夜には多くのイベントを催しています。

満員御礼のディナータイム。生演奏のジャズに耳を傾けながら食事をする人々は、まるで家のリビングルームに居るみたい!

私が足を運んだ夜は、ジャズライブの日。ビストロと一体型の小さな舞台で生演奏されるジャズを聴いていると、すっかり表現者の世界に入り込んでしまいます。今、自分がどの時代に位置しているのかを見失い、日常から遠く離れた場所にいるようにも感じられるほど。食事可能なテーブルが予約でいっぱいの場合は、カウンターでお酒を片手に立ち見することも可能。1杯6ユーロのプロセッコや赤ワインを堪能しながら演奏を楽しめる、という懐が深いシステムです。

天井のランプは1910年代のアンティーク。

製薬会社を退職し残りの人生をこのお店に費やすことに決めたという店主は、イタリア人らしくスーツをきっちりと着こなす紳士。「照明を落とすことで、音楽を聴いたり演劇を見たりしたお客さんが暗がりで涙を流せる。帰りがけに演奏者や演者とも気軽に声を交わすことができる。そんな人間同士のコミュニケーションができる、1900年代初頭をテーマにした空間を作りたかった」とのこと。

お店で使う食器もインテリアの一部として置かれているのが素敵で、こちらがあれこれ質問するととにかく熱く語ってくれる店主。おばあちゃんのお姉さんの必要なくなったものをもらったりだとか、いらなくなったものを安く買える場所があって手に入れたりした、1890~1950年代のヴィンテージ家具や食器が多いそう。

ランチタイム前の店内。年代物の家具や食器に魅せられ、どの席にしようか迷ってしまう…。

“過ぎ去りし時代の雰囲気を醸すビストロで、いつもとは違うランチ休憩を!”と謳うランチメニューは11ユーロ(カッフェと水を含む)。パスタメニューと付け合わせから1品ずつ、またはメインと付け合わせから1品ずつ選ぶことができます。ワインは1杯4ユーロ。

メニューにシーザーサラダがあったので、珍しすぎてつい、オーダー!これまでイタリアのレストランでは一度もシーザーサラダに出会ったことがありません!他国で生まれた料理をあえてメニューに加える斬新さが、このビストロならではの独特な雰囲気を引き立てているようでした。このお店ならではの独特な雰囲気を引き立てているように感じるのです。

3.〈Risoelatte〉

店内に干されているのはなんと、おばあちゃんの大きなパンティ(笑)

こちらは、ミラノっ子の間でよく知られた家庭的な食堂。ドゥオモのすぐ近くでありながら、喧騒を離れた細い路地にひっそりと存在します。中二階のある小さな一軒家風で、1960年代を再現した店内はまさにおばあちゃんの家のようなレトロ具合。店名は「米とミルク」。

3ユーロの席料の中には、フルーツとバラの形のパン、それから入り口近くに置かれた食後酒が含まれます。りんごがまるごとサービスされるとは(笑)

食後にマッキアートを注文すると…牛乳、それと出来上がったばかりのカッフェが入った直火式のエスプレッソメーカーがそのまま提供され、お好みで注げます。あたかも自分の家でカッフェをしているかのような気持ちに!いや、それ以上に…飲み口が広くて薄い小ぶりなカップを手に取ると、まるで、おままごとでもしているかのような気分。食器や一部のインテリアは実際に使われていた1960年代のものなんだそうです。

1960年代の音楽を演奏するジュークボックスに寄り掛かかりながら、お会計をしてくれるおばあちゃん。

飾らないレトロな世界にたっぷりと浸った後にお店を出た瞬間は、なんだかひと時の夢から覚めたような気持ちに。

~今回ご紹介したお店はこちら~

〈A Casa Eatery〉
■住所:Via Conca del Naviglio 37, 20123 Milano
■アクセス:メトロM2「S.Agostino」から徒歩11分、トラム2番または14番「C.so Genova Via Ariberto」下車徒歩3分。
■営業時間:月~木19:30~22:30、金土19:30~23:00、日12:30~14:30と19:30~22:30
■定休日:なし

〈Aprés Coup〉
■住所:Via Privata della Braida 5, 20122 Milano
■アクセス:メトロM3「Porta Romana」から徒歩5分。
■営業時間:火水木8:30~22:00、金土8:30~0:00
■定休日:日曜日、月曜日

〈Risoelatte〉
■住所:Via Manfredo Camperio 6, 20123 Milano
■アクセス:メトロM1「Cairoli Castello」から徒歩2分。
■営業時間:12:30~14:30、19:30~22:30
■定休日:なし

静谷 麻衣

大切に引き継がれる古いものと、取り入れられる新しさとの調和。これからのミラノが楽しみです!

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