大人女子の一人旅は、美を磨く。 箱根湯本の人気温泉宿〈養生館はるのひかり〉へ。ヘルシーな玄米菜食と温泉で心身デトックス。 LEARN 2018.12.19

華やかな行楽や贅沢な食でなく、心身の再生を求めひっそり出かける「養生」型の温泉が話題。今回は箱根湯本の温泉宿〈養生館はるのひかり〉をご紹介します。朝に夕に、艶やかな源泉掛け流しの湯に身を任せ、芯から身体を温めてみては?

地元無農薬野菜の滋養と温泉で心身を整える宿。

朝に夕に、艶やかな源泉かけ流しの湯に身を任せ、芯から体を温める温泉は、日本古来の「養生」の基本。
朝に夕に、艶やかな源泉かけ流しの湯に身を任せ、芯から体を温める温泉は、日本古来の「養生」の基本。

日常を離れ、ちょっと羽目を外して仲間と山海のご馳走に舌鼓を打つ温泉が〝ハレ〞ならば、ひっそりと一人、心身の再生を求める〝ケ〞の温泉宿が〈養生館 はるのひかり〉だ。良泉をかけ流しで堪能する温泉はもとより、宿の菜園と無農薬栽培に徹する近隣の農家の旬の野菜たっぷりの玄米菜食のおいしさに魅せられて、常時3割はリピーター客という人気の宿。

有機・無農薬栽培の地元の野菜や豆で作る玄米菜食の夕ごはん。中でも、メイン格は「畑のごちそうサラダ」。豆乳のソースを添えて。
有機・無農薬栽培の地元の野菜や豆で作る玄米菜食の夕ごはん。中でも、メイン格は「畑のごちそうサラダ」。豆乳のソースを添えて。
雑穀ごはんと味噌汁、イワシの丸干し。体と心にじわりと染み込む朝ごはんの基本。簡素にして芳醇な滋味。
雑穀ごはんと味噌汁、イワシの丸干し。体と心にじわりと染み込む朝ごはんの基本。簡素にして芳醇な滋味。
手前が宿の正面玄関。旧東海道沿いの町に大正時代に建てられた茶屋建築の佇まいが美しい。
手前が宿の正面玄関。旧東海道沿いの町に大正時代に建てられた茶屋建築の佇まいが美しい。

大正期の財閥の茶屋として建てられた母屋など、品格がにじむ木造建築や庭も、休息と滋養を求めて滞在する客に静けさを約束する。

食材の多くは宿主自らが手がけたもの!

冬に到来した嵐や霜枯れの困難を乗り越え、小ぶりながらも土の中から姿を見せる甘い白人参。宿の自家菜園にて。
冬に到来した嵐や霜枯れの困難を乗り越え、小ぶりながらも土の中から姿を見せる甘い白人参。宿の自家菜園にて。
朝ごはんに添える黒豆の自家製藁苞納豆。豆本来の風味が生きる驚きのおいしさ。
朝ごはんに添える黒豆の自家製藁苞納豆。豆本来の風味が生きる驚きのおいしさ。
冬から春に仕込む自家製のいちご酒。旬の小田原産のいちごを漬け込む、その香りの高さは特筆。
冬から春に仕込む自家製のいちご酒。旬の小田原産のいちごを漬け込む、その香りの高さは特筆。
夕食の別注料理「奴麻婆豆腐」650円。紅芯大根や黄ラディッシュなど、根菜と揚げ白髪葱をのせ、旨辛味噌を添えた一品。
夕食の別注料理「奴麻婆豆腐」650円。紅芯大根や黄ラディッシュなど、根菜と揚げ白髪葱をのせ、旨辛味噌を添えた一品。

2015年より湯守りとして宿を切り盛りする米山雄二郎さんは、農学や生物学、発酵を学んだ経験から、無農薬野菜栽培、納豆や果実酒、野菜や海藻を発酵・熟成させて作る自慢の調味料〝旨辛味噌〞など、宿の食卓に上る食材の多くを自ら作る。

山芋、大根、ブロッコリーほかたっぷり野菜の味噌煮込みも体が温まる。
山芋、大根、ブロッコリーほかたっぷり野菜の味噌煮込みも体が温まる。

「土地に根ざした有機栽培で作る野菜は甘く、風味も濃厚。こうした季節の野菜を中心に、発酵食品や植物繊維豊富な食事で腸内環境を整え、さらに温泉効果で心身ともに温まっていただけるよう心がけています」

リブランドオープンを機に、お一人様部屋も充実!

景色の良いお一人様部屋。毎月初めに開始する予約で3カ月先まですぐに埋まってしまうとか。
景色の良いお一人様部屋。毎月初めに開始する予約で3カ月先まですぐに埋まってしまうとか。

さらなる魅力は、温泉宿では稀な、お一人様部屋の充実だ。リブランドオープンを機に、一人客のためのテラス付き洋室3部屋を見晴らしの良い最上階に新設。

無農薬のお茶やコーヒーが飲める広々とした読書室も完備。
無農薬のお茶やコーヒーが飲める広々とした読書室も完備。

初夏の新緑を一人部屋から独り占めし、読書室で静かに過ごす。養生のための温泉滞在が今、静かなブームを迎えている。

〈養生館はるのひかり〉

新宿から小田急ロマンスカーで箱根湯本駅へ85分。新幹線や小田急線急行での小田原駅経由なら、箱根登山線に乗り換え箱根湯本駅まで15分。
■神奈川県足柄下郡箱根町湯本554
■0460-85-5641
■全14室 1泊2食付き1人12,800円〜(1人部屋は14,800円)

(Hanako TRIP『1泊2日からの元気をもらう、週末旅。』掲載/photo:Tetsuya Ito text:Chiyo Sagae)

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