伊藤沙莉さんインタビュー「大人になっても、人生はずっともがいてりゃいい」
2021.11.04

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』公開記念! 伊藤沙莉さんインタビュー「大人になっても、人生はずっともがいてりゃいい」

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』でヒロインを演じた伊藤沙莉さんに、作品の見どころや役作りについてじっくり伺いました。ロングインタビューはHanako 2022年1月号(11/28発売)『Hanako People』をチェック!
伊藤沙莉さんインタビュー「大人になっても、人生はずっともがいてりゃいい」

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』で、ヒロイン・かおり役を務めた伊藤沙莉さん。かおりは主人公・佐藤にとって初めての恋人であり、20年たった今も色濃く記憶に刻まれた最愛の女性でもある。

「かおりを演じるとき、彼女をかわいいなと思ったのは夏に長袖を流行らせようとしているシーン。事実でいえばアトピーで肌を人の目にさらしたくないから長袖を着ているんだけど、言葉や行動では『流行らせたいから』とめちゃくちゃポジティブに結びつけている。率先してやっているんだと、そのいじらしさがすごく愛おしく感じたし、かおりの内面の可愛らしさがつまった表現だと思ったんです。改めて、かおりが愛されるように演じなきゃいけないなって思わされました」

©2021 C&I entertainment
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本作で描かれているのは1990年代半ばから現代の東京。月日が経ってもかおりとの思い出を手放せずにいる佐藤の姿は、少なからず自身に重なる部分があったと振り返る。

「好きだった人にいわれた言葉はやっぱり月日が経っても色褪せないままで、私の場合は『めんどくさい』といわれた過去を今だに引きずってて、びくびくしがちです(笑)。それ以来、好きだなと思った人がいても確認せずにはいられなくて。『私、めんどくさい感じ? 大丈夫かな?』って聞いちゃう。その確認がめんどくさいってわかっているのに。売り言葉に買い言葉みたいに、その場の流れで出た言葉を今だに引きずっているということは図星だからだと思うんです。自分のめんどくささは自分が一番よくわかってますからね。見せたくない一面を自覚してしまうと、自分の見せ方にも少なからず影響がありますね。わがままをいわなくなるし、つまりは相手に対して素直じゃなくなってしまう。そういう呪縛みたいなものは私にもあります。思い出を美化するのと一緒で、過去のちょっとした傷を複雑骨折かのようにふくらませてしまったり。冷静になってみると、自分で勝手に傷をえぐって、大きなトラウマにしてるだけだったなって」

©2021 C&I entertainment
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ラブストーリーが軸でありながら、「普通とは?」「大人になるとは?」をそれぞれの事情を抱えた登場人物たちが問いかけてくる。

「佐藤は、“普通”ではない人になりたくてもがき続けた人。でも、普通が一番難しい。普通ではない何かを追い求めて、普通を遠ざけはじめるといよいよ軸がわからなくなってしまうだろうなと思いました。モヤモヤしたものがないというと嘘になるけど、私はどちらかというとすっきりとした気持ちで作品を観れました。そう感じるのも、私の年齢が27歳だからなんですよね。年齢を重ねれば重ねるほど、モヤモヤする次元を飛び越えて、『それもこれも含め、これが人生!』と受け入れられる作品だろうなと。若い人は、人生の予告編として観るといいし、大人は大人で、“大人になれないとか、なりたくない”とか足掻いていても、着々と大人になっているのを痛感すると思う。生きている限り、ずっともがいていりゃいいと思うし、そのもがきをシンプルに表現した映画だと思っています」

©2021 C&I entertainment
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映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』
作家・燃え殻が2016年に発表したデビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』を映画化。2020年、社会と折り合いをつけながら生きてきた46歳の主人公・佐藤が、いくつかの再会をきっかけに“あの頃”を思い出す恋愛青春映画。90年代から現代まで、時代を彩ったカルチャーとともに最愛の人との記憶を抒情的な映像で描く。主人公・佐藤を森山未來、ヒロイン・かおりを伊藤沙莉が演じ、大島優子、東出昌大が共演。11月5日(金)より、シネマート新宿、池袋シネマ・ロ サ、アップリンク吉祥寺ほかロードショー&NETFLIX全世界配信開始。

伊藤沙莉
いとう・さいり/千葉県出身。2003年にドラマデビュー。直近の出演作に、ドラマ『モモウメ』『全裸監督』『大豆田とわ子と三人の元夫』(ナレーション)など。今後、来年1月期ドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)、映画『ちょっと思い出しただけ』が公開予定。

photo : Mariko Kobayashi styling : Gen Miura hair&make : aiko text : Hazuki Nagamine

編集部
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