発酵と、大豆と、わたし。 5/20〜5/26 なっとう娘の「ねばログ」毎日通信。ありのままで向き合うこと。原点回帰と経木。
納豆をこよなく愛する23歳「なっとう娘」が送る、納豆のビジュアル、香り、テイストについてコメントしつつ、魅力を語っているコラムです。(あくまでも個人の感想です)日々ライブ配信にて紹介している色とりどりな納豆たちがずらり!身近な存在だけど実は奥が深い納豆の世界へ、あなたも誘われちゃうかも!?ぜひご覧くださいませ!
このコラムでは、毎日の配信で食べている納豆1週間分を3つの評価軸をMAXの数値を5として、私の主観で評価させていただいています。あくまでも、その納豆の特徴を表すための数値なので、数値の高い低いに優劣はありません!ご自身の好みに合った納豆探しの参考にしてみてくださいね。
〈3つの評価軸〉
・ねばり(弱い 1↔5 強い)
・納豆のかおり(控えめ 1↔5 濃厚)
・豆のかたさ(柔らかい 1↔5 固い)
上記3つの評価のほかに、各納豆に関する情報と感想として「なっとう娘メモ」を添え、私の思う納豆の魅力を余すことなくお伝えさせていただきます。みなさんと多種多様な納豆の世界を共有できたら嬉しいなと思いコラムという形で発信をはじめましたので、ゆるりと読んでいただけたら嬉しいです!
それではレッツ「ねばログ」!
▽1週間分の納豆配信まとめ動画も公開中!▽
1.漆黒の贅沢。「丹波黒 黒豆納豆」/〈鎌倉山納豆〉
●ねばり 1.3
●納豆のかおり 1.2
●豆のかたさ 2.0
足繁く通っている新宿京王百貨店の納豆棚にて、私はとある黒い箱に釘付けになっていた。「丹波黒 黒豆納豆」の文字が刻まれた黒い箱は他の納豆ともまた違った空気感を放ちながら鎮座していた。
丹波黒豆と言えば、あの特有の甘みとねっとりとした濃厚な食感。過去に食べた黒豆納豆のことに思いふけっていたら、いつの間にか黒い箱の入ったレジ袋を下げていた。
タレは付属していないとのことだったので、自前のタレを用意。少しかき混ぜてからタレを投入し、口に移し込む。歯ざわりは柔らかく、噛み締めていけばいくほど豆の甘みが、タレの塩気を引きだし、絶妙なバランスでの味わいを奏でる。一粒一粒の豆の大きさも主役級さることながら、おつまみとしてこのまま出していいほど品のいい佇まいの豆である。
やっぱりこの甘味を引き出すには、わさびは外せない一品になるだろう。暑くなってきた気候に、さっぱりとしたわさびと甘い黒豆を楽しみたい今日このごろである。贅沢がしたい日にオススメの一品です。
2.限定品に弱い私。「国産小粒有機」/〈有限会社菅谷食品〉
●ねばり 1.2
●納豆のかおり 2.5
●豆のかたさ 3.0
なかなか納豆のパッケージでは見ることのない「限定品」という文字。ついつい気になり手が伸びる。
口に含むと、タレは甘めで少しエグみのある独特な竹のような味わいがする。きっとこの味を思い出したのはあれだ。竹の箸を間違えて噛んだときの味と似ているからだ。
大豆の固さは、平均的で粘りはかなり緩く、有機・国産などオーガニック思考な方にオススメの一品。
3.ホクホク感を楽しんで。「一人前の舞」/〈有限会社下仁田納豆〉
●ねばり 3.5
●納豆のかおり 3.4
●豆のかたさ 3.5
たしかにこの三角形で経木に包まれているのは、大概が80gオーバーである。タレが付いていない商品のため、久しぶりにストレートで納豆をいただくことにした。
粘り気は少なく、ほくほくとした大豆の食感を楽しみながら大地のありがたみを改めて感じていた。経木の香りも納豆の香りと相まって、華麗に舞うように鼻を抜けていく。
大豆と納豆菌の発酵にひたすら再感動でき、たまにはストレートで原点回帰もいいと思えるそんな納豆だった。
4.ありのままで向きあう。「高畠納豆」/〈有限会社高畠納豆〉
●ねばり 0.4
●納豆のかおり 3.2
●豆のかたさ 3.1
白いヴェールをまとい、紅の紙と経木に包まれた納豆。経木をさらに紙で包んだ納豆はしばしば見かけることもあるが、さらにそれをこだわりを感じさせる白濁のビニール製の袋で包んでいる納豆はあまり見たことがなかった。
今週は配信中にしては、珍しい食べ方をするなあと思いながらも、ストレートでいただいた。糸状の細い粘り気を見届けながら、口に頬張る。豆一粒一粒を感じながら食べる納豆は、発酵とはこんなにも素晴らしいものかと改めて感じさせてくれる。
タレで食べるもよし、醤油で食べるもよし、柚子胡椒、マヨネーズ、はちみつ...など無数の組み合わせが楽しめる納豆の原点はこの旨味にあるのかと、改めてこの納豆の味の寛大さを知る。
みなさんも気が向いたら、これを機にストレートで納豆と向き合ってみてください。
5.経木と名刺とせいろ。「大江のせいろ蒸し国産小粒」/〈有限会社菅谷食品〉
●ねばり 1.8
●納豆のかおり 3.9
●豆のかたさ 3.8
今週はよく経木の納豆を食べるなぁと思いながら開封。藁苞納豆と同じく、木の皮の香りの強い経木もある種の納豆界のファッションと言えるのではないか。
実はここだけの話、今度、自分の名刺を納豆に関する素材で作ろうと思っている。その際にこの経木もその候補の1種だ。経木で作られた名刺だなんて、だいぶ渋くて良い。そんなことを思いながら私は納豆を口に運んだ。この納豆はタレなしの商品なので、自前のタレを使用している。
木の香りを強く感じながらも、食べ応えのある小粒の納豆を噛み進めていく。目を閉じると納豆がせいろで蒸されている情景が前に広がり、しっかりと大豆に熱が通っていくことを自分のイメージ越しではあるが、感じた。いつか実際にせいろ蒸しの現場に行ってみたいものである。
6.お口の中に大海現る。「ザ・北海道」/〈北海道はまなす食品株式会社〉
●ねばり 1.9
●納豆のかおり 3.3
●豆のかたさ 3.4
北海道という地名だけで、納豆のパッケージ、ブランドが成り立ってしまうのではないかと思えるパワーワード。しかし、北海道は大豆の産地という名前の売り方だけでは気が済んだいないようだ。
特産品の1つでもある、鮭を用いて更に納豆を楽しんでもらおうという北海道の飽くなき探求精神には脱帽レベルである。大きく鮭のイラストが印刷された和紙のような肌触りのパッケージを開封すると、2パックの納豆と鮭節が出迎えてくれる。
粘り気は少し緩めで、混ぜていくと鮭節の香りが広がっていくのを感じる。口に運ぶと、魚独特の旨味、香りを感じる。正直なところ、鮭節なのか鰹節なのか見分けがつけられるかと言われると、確信を持てないと言ったところである。おむすびの具としても、重宝できそうな一品。
7.ひきわりは正義。「プロ仕様ひきわり納豆」/〈株式会社朝一番〉
●ねばり 4.0
●納豆のかおり 3.9
●豆のかたさ 3.8
やっぱりひきわりは美味しい。(毎回言ってる気がしてきた)自分でも理解不能なのだが、なぜかバター醤油のポップコーンの味を味覚がキャッチしている。笑 歯で納豆をスリスタ潰すように噛んで行くと、ひきわり納豆独特の方向な香りが、鼻から抜けていこうと渋滞しているのを感じる。
この香りを富士山の空気や、平成の空気のように缶詰か何かに詰めて、すぐ嗅げるようにしてみたい。きっと本当にその空気で白米がいける気がしている。
●「5/6〜5/12「北海道大豆」に魅せられて。」はこちら。
●連載『なっとう娘の「ねばログ」毎日通信。』まとめページはこちら。
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