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27歳でデザイナーを志し、北欧へ移住。 〈マリメッコ〉でデビュー!テキスタイルデザイナー・島塚絵里さんがいまに至るまで。 LEARN 2018.07.02

ヘルシンキを拠点に、テキスタイルデザイナーに通訳、コーディネーターとマルチに活躍する島塚絵里さん。27歳でデザイナーを志し北欧へ移住、その後〈マリメッコ〉でデビューした彼女のターニングポイントとは?Hanako創刊30周年特別企画『働くことと、生きること。46人の、転機と決断。』「転機は通過点。オンリーワンな仕事をする人。」よりお届けします。

英語教師からデザイナーへ、無駄ではない回り道。

〈CASE GALLERY〉の個展にて撮影。
〈CASE GALLERY〉の個展にて撮影。

島塚絵里/東京生まれ、フィンランド在住。現在はフリーランスデザイナーとして〈マリメッコ〉等にプリントデザインを提供するほか、イラスト、執筆、コーディネート、翻訳の仕事にも携わっている。

ヘルシンキを拠点に、フリーランスデザイナーとして活躍する島塚絵里さん。〈マリメッコ〉などにデザインを提供し、さらに通訳やコーディネーター……と何役もこなす才人だ。〈cocca〉や〈kippis〉といった日本のテキスタイルメーカーとのコラボも多い。

島塚さんが最初にフィンランドに行ったのは13歳。森と湖の国、くらいの知識だったが、漠然とした外国への興味からホームステイを決意。「〝女らしく〞とか言われないのが楽だった。大人も子どもも男女も分け隔てなく世界が広がりました」

もともと絵が好きだった島塚さんが、進路として考えたのは〝英語〞か〝美術〞。美大も視野に入れ、予備校にも通ってみたが受験ギリギリで語学の方向に決めた。大学卒業後は沖縄で英語教師として働く。しかしデザインの道を諦めきれず27歳でフィンランドに移住。大学ではテキスタイルデザインを学ぶことに。「テキスタイルには絵を描くことや自然、手仕事という自分が好きな要素が全部詰まっていると思った」

〈マリメッコ〉で最初に採用された3柄のデビュー作。
〈マリメッコ〉で最初に採用された3柄のデビュー作。

〈マリメッコ〉でテキスタイルデザイナーとしてデビューしたのは、大学在学中の2014年、39歳の時。決して早い方ではないが、フリーランスになった現在でもヘルシンキを拠点に世界中から声が掛かる。「昔、美大予備校の先生に『アートはいつでも始められるけど、語学は若い方がいい』って言われて。すごく回り道はしましたが、結局無駄ではなかったなと思います」

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宮古島にある〈HOTEL LOCUS〉のテキスタイルデザインを担当。植物を編むことや絣柄をモチーフにした手ぬぐい。

島塚絵里さんのターニングポイントとは?

①フィンランドで異なる文化に触れる。
中学時代の夏休み、たまたま欠員が出たというきっかけで1カ月間フィンランドでホームステイをする。「日本の中学では楽しいことばかりではなく、海外で違う価値観や世界の広さを実感して、すごく楽になりました。漠然と海外への興味が湧いてきたのはこの経験からです」

②フィンランドへ渡り再び大学生になる。
27歳の時にフィンランドへ移住する。「英語と日本語ができれば仕事があるだろうと思っていたのに全然なくて。カフェで皿洗いのバイトをしながら、フィンランド語を勉強して大学受験することにしました。専攻は最後まで悩み、生活の一部となるテキスタイルデザインに」

③周囲の助けもあってフリーランスとなる。
大学在学中に〈マリメッコ〉に就職したため休学。社員時代には2年間休職をして学校に行ける制度があり、利用して復学。大学に通いながら通訳やデザインの仕事をする。その後、〈マリメッコ〉の上司やパートナーの助言もあり、復職せずにフリーランスとして活動を始めることに。

Hanako『46人の、転機と決断。』特集では、オンリーワンな仕事をする女性を多数ご紹介しています。

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(Hanako1159号掲載/photo :Ayumi Yamamoto text : Keiko Kamijo)

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