なぜハマる?何が違う?櫻坂46の知られざる魅力。 LEARN 2023.05.18

ライブをきっかけに櫻坂46推しになったというテレビプロデューサーの小山テリハさん。なぜ、どうして惹かれるのか、櫻坂の振付を担当するTAKAHIROさんと櫻坂の「魅力」を語り合いました。

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「 サイリウムを振るヒマもなく地蔵状態で観入ってしまうんです 」(小山テリハ)

TAKAHIRO:多くの人にとって、自分が転んでしまったときに立ち上がる勇気を与えてくれるのが歌であり、アイドルグループの大きな魅力だと思うんです。転んでも大丈夫だよと元気づけてくれたり、痛みを無邪気に笑い飛ばしてくれたり。そんな中「転んでしまって痛いだろう。傷口から血が出てるだろう。でもそれが人生。それでも前を向かなくちゃだめなんだ。だから一緒に歩こう、前に進もう」というのが櫻坂46。歌もパフォーマンスも生の情動にあふれたグループじゃないかな、と。

小山テリハ(以下、小山):いわゆるアイドルとは一線を画す存在ですよね。尖ってる。苦しさから逃げず、むしろあえてそれに立ち向かい、自分をさらけ出す。決してきれいごとにしない。だからカッコいい。彼女たちの歌を聴くとドキッとさせられるし、ライブへ行くと女性ファンが多いなと感じるんです。櫻坂と同世代の女性が半分を占めてるんじゃないかな。

TAKAHIRO:共感し共有する存在ですよね。10〜20代前半の世代にとっては「私がいま感じていることを体現している」のであり、上の世代になると「若い頃の気持ちを思い出させ、社会人としてつらいことがあっても一緒に悩み歩いている」と。

小山:私がハマったキッカケは、やっぱりライブなんです。初めて生のステージを観たときに放心状態に陥って。アイドルというより、アーティストのパフォーマンスを観た、という読後感。サイリウムを振るヒマもなく地蔵状態で観入ってしまったんです(笑)。

TAKAHIRO:僕は振付をするときに、例えば「かわいい」という歌詞の奥の、その先の感情に触れられるように、というのを大事にしていて。心の奥の奥にまでメッセージを感じてほしい、だからこそ手を上げる方向だったり、その指先にまで表現をこだわったりするのですが、そういったことに対して、メンバー一人一人の意識も高く、理解も早い。だから全体のパフォーマンスのクオリティも高くなるんです。

小山:感情が一個で終わらない、心の深部まで届く、というのはめちゃめちゃわかります。最新シングルのカップリング曲「Cool」にはそれがすごく出てますよね。MVは正直ゾッとするような世界観なんです。でも、彼女たちは迷いなくやりきっている。媚びてない。「自分たちの表現をする」という姿勢が貫かれている。だから、MVじゃなく映画を観たような読後感が得られるというか。それはきっと、「その先の感情」に触れるからだと思うんです。

TAKAHIRO:「受け」ではなく「攻め」の姿勢だというのもあるでしょう。僕も彼女たちと対峙するときは手加減しません。

小山:テレビ番組をつくるときによく言われるのが、「わかりやすいことをやれ」「万人受けすることをやれ」ということなんですね。でも、彼女たちが表現するものは逆。それを是とするスタッフ側もすごいですが、彼女たちの地頭の良さも感じるんです。だからこそ、私は『サクラミーツ』というバラエティ番組をつくることにしたんです。一人でも多くの人に彼女たちのポテンシャルの高さを知ってもらいたいという思いが募って。

TAKAHIRO:なぜ、コントを?

小山:彼女たちの表現力を、バラエティでどう活かせるかと考えたとき、コントというアウトプットにたどり着いたんです。そして、堀内健さんやアンガールズの田中(卓志)さんといった百戦錬磨の芸人さんたちに同等に対峙してもらいました。アイドルを理由に「すべり笑い」に逃げたくなくて。すると、芸人さんたちも舌を巻くほど台本を読み込んでくるし、アドリブも素晴らしい。井上梨名さん、大沼晶保さん、武元唯衣さん、増本綺良さんに出てもらっていますが、彼女たちの「憑依力」には感嘆する日々なんです。

text : Izumi Karashima

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