世界の女の子の自立を支援する「ハートサポートプロジェクト」|ライター・五月女菜穂
世界の女の子の自立を支援する「ハートサポートプロジェクト」|ライター・五月女菜穂

ハナコラボSDGsレポート 布ナプキン作製支援を実施!世界の女性の自立を支援する「ハートサポートプロジェクト」 Learn 2023.03.08

ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった4人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。今回は、ライターとして活躍する五月女菜穂さんが、「ハートサポートプロジェクト」を担当する〈大王製紙〉の海堀真由さん、出野結香さんに話を伺いました。

ザンビアでの布ナプキン作製の様子。©️大王製紙
ザンビアでの布ナプキン作製の様子。©️大王製紙

アフリカにあるザンビア共和国の首都、ルサカ市のスラム街。そこには、生理用ナプキンを買うことができず、不衛生な代用品で感染症のリスクを抱える女の子たちが多くいます。そんな彼女たちの生理を取り巻く環境を改善し、自立を実現するために今困っていることを解決・支援するプロジェクトが「ハートサポートプロジェクト」です。

2018年に生理用品「エリス コンパクトガード」の発売とともに始まった「ハートサポートプロジェクト」は、毎年のように支援内容をブラッシュアップ。今年は初めて日本とザンビアをオンラインで結ぶ「世界女の子会議」を開催し、その内容をまとめたレポートをTwitterでシェアすることで、布ナプキンの作製費支援に参加できるそうです。

どのような思いでプロジェクトが始まったのか。〈大王製紙〉でフェミニンケアのブランドマーケティングを担当している課長の海堀真由さんと出野結香さんにお話を伺いました。

生理が、あきらめる理由にならない世界へ

生理用品「エリス コンパクトガード」。
生理用品「エリス コンパクトガード」。

ーー改めて「ハートサポートプロジェクト」が始まった経緯とこれまでの活動内容を教えてください。

出野さん:〈ハートサポートプロジェクト〉は生理用品の「エリス コンパクトガード」の発売を機に始まったプロジェクトです。「エリス コンパクトガード」は「ハートで、ハートは強くなる」というコンセプトのもと生まれた商品。日本のみならず、世界中でチャレンジし続ける女の子を応援したいという気持ちでプロジェクトが始まりました。

実は始まりの年である2018年は、ケニアの女の子たちのもとに紙ナプキンをそのままお渡しするという支援をしていました。大きな反響をいただき、200万枚の生理用ナプキンを届けることができました。

そして翌2019年はより一歩踏み込んだ支援として、生理用ナプキンを使おうにも下着を持っていない子に対して清潔な下着を支援したほか、経血で汚れてしまった衣服を洗える洗濯用石鹸や、安心して全身を洗うことのできる身体用石鹸などを届けました。また、物資だけではなく、女性の悩みを相談できる女性教諭の雇用といった「自立」に向けたサポートも展開しました。

ケニアでの活動の成果が見えてきましたので、2021年から支援先をザンビア共和国に変更しました。2021年は、SNSでの1投稿につき布ナプキン1枚分の作製費が支援される仕組みで、キャンペーン開始後2週間で上限の3,000件(枚)を達成しました。2022年には、前年の同様のSNSキャンペーンと、東京・渋谷に期間限定で設置した「オリジナル支援自販機」で、計5,142枚の布ナプキン作製支援へとつながりました。

課長の海堀真由さん(右)、出野結香さん(左)。
課長の海堀真由さん(右)、出野結香さん(左)。

ーー確実に成果をあげているのですね。ちなみに紙ナプキンから布ナプキンへ切り替えたのはなぜなのですか。

出野さん:やはり布ナプキンは繰り返し使えるからです。私たちが今いる日本の衛生環境と、ザンビアの衛生環境は全く違うんですね。紙ナプキンをただ渡したとしても、そのときは便利かもしれませんが、その後のごみ処理の問題が出てきますし、やはり紙ナプキンは高価なものなので継続的に買えるものではないのです。

継続的により良い生活を送るならば、布ナプキンの方がベターではないかということで、布ナプキンへの作製支援に切り替えました。ザンビアの女の子たちには、布ナプキンの材料を支給するだけでなく、実際に裁縫研修を受けてもらい、布ナプキンを自分で作れるようになってもらいます。

「ハートサポートプロジェクト」の仕組み。©️大王製紙
「ハートサポートプロジェクト」の仕組み。©️大王製紙

ーー2023年の「ハートサポートプロジェクト」はどのような内容なのでしょうか。

出野さん:今年初めての取り組みは、日本とザンビアの女の子代表が集まって、オンライン上で「世界女の子会議」と称したイベントの開催です。Twitter上で事前に募集した話題をもとにしながら、日本の女の子とザンビアの女の子が各国の状況や悩みをシェアし、一緒に頑張ろうと連携しあうようなイベントになりました。

今後、この「世界女の子会議」の様子をまとめたレポートを「エリス」公式Twitterに公開します。そして、3月8日〜31日の期間、Twitterでハッシュタグ「#エリスハートサポート2023」をつけて、「世界女の子会議」のレポートの感想を投稿いただくと、1投稿につき1枚の布ナプキン作製支援ができるというキャンペーンを展開します(上限5,000件)。

ーー布ナプキンの作成支援のほか、ザンビアでコミュニティスペースの運営もされているそうですね。

出野さん:はい。施設の一室を借り、そこに綺麗なトイレを設置しているほか、女の子たちが布ナプキンをつくったり、イベント開催ができたりするスペースを設けています。ポイントは保健師さんが常駐していること。生理のことだけではなく、体や性の悩みを相談できる場所としても機能しています。

Twitterキャンペーンで集まった日本からのメッセージを横断幕にして、ザンビアの女の子たちに送ったという。©️大王製紙
Twitterキャンペーンで集まった日本からのメッセージを横断幕にして、ザンビアの女の子たちに送ったという。©️大王製紙

ーー「ハートサポートプロジェクト」は「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」「パートナーシップで目標を達成しよう」というSDGsの達成に貢献するものですよね。これからの展望を教えてください。

海堀さん:この「ハートサポートプロジェクト」の取り組みを通じて、「生理が、あきらめる理由にならない世界」を目指したいと思っています。メーカーとしてできることは限られるかもしれませんが、それでも継続することが大切だと思うんです。実際、ザンビアの状況も少しずつ変わってきていますから、これからもプロジェクトを継続させたいと考えています。

出野さん:そうですね。私は日本に生まれて、仕事をして、自分でお金を稼いで、欲しいものが買える生活をしています。一方で、ザンビアの女の子の中には、生理が理由で学校に行けなくなって、勉強からドロップアウトして、知識不足や勉強不足によって夢を叶えられず、貧困という悪循環の中にいる子たちがたくさんいます。そんな女の子たちが少しでも自分のやりたいことにチャレンジできるように。これからも「ハートサポートプロジェクト」を広めていきたいと思います。

「ハートサポートプロジェクト2023」

https://www.elleair.jp/hs/

■SNSを通じた布ナプキン作製支援
期間:2023年3月8日(水)~3月31日(金)
概要:Twitterでハッシュタグ「#エリスハートサポート2023」をつけて「世界女の子会議2023」の様子をまとめたイラストレポートの感想を投稿いただくと、投稿数に応じて布ナプキンの作製支援費を届けます(5,000件上限)。

photo:Shu Yamamoto

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