娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 【日本酒】純米大吟醸を禁断の熱燗に…。「東洋美人 純米大吟醸 Asian Beauty」~『伊藤家の晩酌』第二十八夜2本目~ LEARN 2021.12.19

弱冠24歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?今回は、寒い季節に飲みたくなる燗酒にぴったりな日本酒をご紹介。第二十八夜の2本目は、リーズナブルで飲みやすい山口のお酒。

「東洋美人 純米大吟醸 ASIAN BEAUTY」に合わせるのは「牛肉の西京漬焼き」。

純米大吟醸を禁断の熱燗に…。「東洋美人 純米大吟醸 Asian Beauty」~『伊藤家の晩酌』第二十八夜2本目〜

ひいな「今回、思いついたアテが2つあって。そのうちの一つは口のなかがパサパサしそうだからやめて、もう一つにしてみたよ」
テツヤ「その却下したほうが気になるんだけど」
ひいな「フィナンシェ」
テツヤ「え?何?」
ひいな「マドレーヌみたいな」
テツヤ「おぉ〜。甘いものと合わせるのね」
ひいな「それもいいかなって」
テツヤ「あぁ、でもわかるわかる。この甘みに合うと思う」
ひいな「でも口のなかの水分奪われて、水飲みたくなりそうだなと思って和食にしました」
テツヤ「急に変わったね(笑)」
ひいな「牛肉の西京漬焼きです!」
テツヤ「なんか想像してたのと違った!うまそ〜!フィナンシェからこっちへ大きく振ったねぇ」
ひいな「白味噌と純米酒をたっぷり入れて、みりんとお砂糖で味付けしてみたよ」
テツヤ「『東洋美人』に漬けたの?」
ひいな「今回は違うお酒で漬けました。でも良いお酒だよ(笑)」
テツヤ「ぜいたくだなぁ」
ひいな「いろいろレシピがあるんだけど、今回はお酒を使って風味を合わせてみようかと。味は濃いめにしましたので、白髪ねぎと合わせてお召し上がりください」
テツヤ「一口で?」
ひいな「うん」
テツヤ「いただきます!うん、おいしい!この味噌の甘さがお酒と合うね」

ひいな「でしょう?黒砂糖を使ってみたよ」
テツヤ「お酒の酸味と味噌の甘みが合うねぇ。肉もやわらかいねぇ」
ひいな「お味噌に漬け込んでるからね。このお酒を調べてたら、納得することがあって」
テツヤ「うんうん」
ひいな「どこかのお酒の“イズム”を引き継いでる感じがして」
テツヤ「イズム?どこだろう?」
ひいな「どこだと思う?」
テツヤ「え〜!俺でもわかる?」
ひいな「『東洋美人』は、四代目の方が実習先で学んだ経験をもとに造ってるんだって」
テツヤ「ようは、その実習先っていうのが知られてるところなんだな」
ひいな「確かにこの上品さはね、似てるなって」
テツヤ「俺、蔵に行ったことある?」
ひいな「ないんじゃないかな?」
テツヤ「俺、飲んだことある?」
ひいな「『伊藤家の晩酌』の中ではないかな。でも絶対飲んだことはあると思う」
テツヤ「じゃ、わかんないな」
ひいな「『十四代』を造ってる高木酒造」
テツヤ「へぇ」
ひいな「そこで実習を積んだんだって。『十四代』は飲んだことあるでしょう?」
テツヤ「あるある」
ひいな「『十四代』の命を削る酒造りに感銘を受けたって書いてあって」
テツヤ「そりゃすごい」
ひいな「王道の日本酒造りを意識してたりとか」
テツヤ「純米大吟醸らしさってみんなが想像するものに当てていくっていうことだな。スタンダード」
ひいな「このお酒も、純米大吟醸だなって誰もが思う味わいというか」
テツヤ「あぁ。なるほどね」
ひいな「純米大吟醸って華やかで、あとにべたってするところもあると思うんだけど、それがないのが『東洋美人』のいいところで。あと『0杯から1杯へ』ってうのを目標にしてるらしくて」
テツヤ「あぁ、なるほど」
ひいな「日本酒をまったく飲まない人が飲むようになるっていうのが目標らしい」
テツヤ「フィナンシェに合わせようとしたってことはさ、お菓子にも合わせられるってことだもんな」
ひいな「入り口を狭めちゃうのは王道って言えないのかなって思う」
テツヤ「確かに」
ひいな「この純米大吟醸を嫌いな人っているのかな?って考えたらすごく少ないと思うんだよね」
ひいな「うんうん、わかるよ。俺はお燗にした方が好きだったな」
編集・小倉「俺も」
ライター・薮下「私も」
ひいな「これは蔵の人に伝えないとね」
テツヤ「純米大吟醸=冷酒が当たり前なんだもんな。これがスタンダードになると、俺たちが今まで知ってた純米大吟醸はなんだって話になるよな。新しい感じがするなぁ」

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