
節電の基本を知る。 今すぐはじめられる節電アイデア9選!まずはこまめなスイッチオフからスタート。
ゼロカーボンアクションの30の項目の中でも真っ先に取り組めて、ひとりひとりがはじめることで大きな影響を生むことができるのが“節電”です。こまめなスイッチオフからまずはスタートしよう!暮らしのなかで電力が使われている場所はたくさんあるが、効果の高い節電ポイントを知っているかが成功のカギ。電力消費量がアップする冬に備えて、今から習慣づけておこう。

2019年に一世帯から排出されたCO2の平均は年間約2・8トン、そのうちの約7割は家電や給湯などの電力使用によるものだ。なぜ、電気を使うとCO2が排出されるのか?それは、石油や石炭、天然ガスによる火力発電では、電気を作る際にたくさんの二酸化炭素が排出されるから。つまり、私たちが電気を使えば使うほど二酸化炭素が増える仕組み。ゼロカーボンを目指すには、節電と、CO2が出ないエネルギーを使用することが重要だ。
まず、私たちができる節電について考えてみよう。節電といえば、「照明のスイッチはこまめに切る」「使わない家電のプラグは抜く」などと昔からいわれてきたが、本当にそれだけで大丈夫?家電や環境のことにも詳しい節約アドバイザーの和田由貴さんに話を伺った。
「家で使用する電気や電化製品はさまざま。すべてを節電することは難しいと思います。まずは使用頻度と使用電力の割合が高いものから見直してみましょう。一般に消費電力が高い家電は、①冷蔵庫、②照明、③テレビ、④エアコン、⑤温水洗浄便座といわれています」これらの家電には省エネタイプも多く登場。地域によっては買い替えに補助金やポイントがつくことも。

「24時間ずっと電力が必要な冷蔵庫や温水洗浄便座は、旧型のものは電気使用量が高い。買い替えると電力消費が半分に。つまり電気代も大幅ダウンすることができてお得です」とはいえ、ひとり暮らしで大型家電をすべて買い替えるのはハードルが高そう…。「いえいえ、急いで買い替えなくてもいいんです。今の家電の使い方を工夫して節電アクションを実行すれば、毎月かなりの節電ができますよ。」
「まず、最初に気をつけたいのは、電気ポットやIH家電、炊飯器や暖房、ドライヤーなど熱を発するもの。“エネルギーを多く使うのは、熱を発するとき”というのを覚えておきましょう。小型の電気ポットでも、長時間保温をしてしまうと多くの電力を使用するので注意!」
また、CO2排出ゼロの再生可能エネルギーへ移行するのも賢い選択。「再生可能エネルギーは、太陽光や風力、地熱、中小水力、バイオマスなどから作られる、自然由来のエネルギーのこと。燃料を使わず、繰り返し利用できる。従来の電力と電気代もほとんど変わらないので、これは率先して変えてほしい。再エネの会社も増えてきてプランも選べるようになりました。自分に合う電力会社をぜひ探してみて」
Navigator…節約アドバイザー・和田由貴(わだ・ゆうき)
家電製品アドバイザー、食生活アドバイザー、環境カウンセラー、省エネルギー普及指導員など、暮らしや家事の専門家として多方面で活動。「節約は、無理をしないで楽しく!」をモットーに、雑誌やラジオ、テレビなどのメディアで活躍中。