ねぶた、津軽弁、郷土料理、伝統工芸を一気に体験! ねぶたに睨まれて眠れないと噂の〈星野リゾート 青森屋〉へ。 LEARN 2019.09.14

青森の宿を巡って温泉に浸かりながら心身ともに英気を養う旅。前編は”眠れない客室がある”と噂の〈星野リゾート 青森屋〉です。(え、心霊スポット的な?と心配になった方、大丈夫です。違います)

想像以上だった「青森ねぶたの間」

今回訪れた三沢市の〈星野リゾート 青森屋〉のテーマは「青森三昧」。滞在中あちこちで青森の方言や祭り、文化を満喫できるという温泉宿です。約22万坪(!)の敷地面積の中には大きな池やそこに浮かぶ茅葺き屋根の浮見堂などを有する広〜い公園があり、お散歩も楽しめます。

〈星野リゾート 青森屋〉は青い森鉄道三沢駅より徒歩10分(無料の送迎バスあり)
〈星野リゾート 青森屋〉は青い森鉄道三沢駅より徒歩10分(無料の送迎バスあり)

さて、この〈星野リゾート 青森屋〉、今年4月に誕生した客室が世間をザワつかせているのです。全236室あるうちのたった1室、特別仕様で作られた客室がなんと「ねぶたの迫力で寝かせない」という。ね、ねぶたの迫力で寝かせないってどういうことやねん! というわけで、宿泊させてもらうことにしました。

ちなみに、ねぶたとは青森市で8月2日から7日に開催されるお祭りで使われる灯籠のこと。明かりを灯した巨大な灯籠を山車に乗せて練り歩き、その独特の迫力で見る人を片っ端から魅了しまくります。このねぶた見たさに国内外から約300万人の観光客が押し寄せる、青森の夏の風物詩なんです。

〈星野リゾート 青森屋〉は、このねぶたを一年中感じられるようにといろいろなプログラムを館内で用意しているのですが、「客室で過ごす時間も忘れられないものになったら…」というスタッフの熱い思いから作ってしまったというのが「青森ねぶたの間」。構想から完成まで1年かけたというビッグプロジェクト!

では、さっそく室内に入ってみましょう。

まず、客室の扉を開けると待ち受けているのが、征夷大将軍・坂上田村麻呂。高さ約2mのねぶた絵に勇ましい表情が描かれていて、この瞬間からテンションが上がります。

ちなみにねぶたは歴史上の偉人たちが形作ることが多いそうで、「青森ねぶたの間」は「古代東北の歴史」をテーマに坂上田村麻呂を始め3人の英雄がいるのだそう。

扉を開けた瞬間に睨まれる!
扉を開けた瞬間に睨まれる!

主室に設えられた立体ねぶたは、北方の守護神・毘沙門天のご加護を得て、鬼神を従え奮闘するアテルイの勇姿。障子には荒れ狂う津軽海峡を渡ろうとする義経の姿が描かれています。英雄揃いの客室。全員キャラが濃すぎてテラスハウス状態です。

幅約3.2m、高さ約1.4mのアテルイの迫力!
幅約3.2m、高さ約1.4mのアテルイの迫力!
障子は「津軽海峡 義経飛龍」。ソファの後ろには孔雀が。
障子は「津軽海峡 義経飛龍」。ソファの後ろには孔雀が。

それだけではありません。寝室の天井には見る位置によって見え方が変わるねぶた絵が。立ったまま主室から寝室を見ると義経の顔が見え、寝室のベッドに寝転がり、天井を見上げると義経が竜馬とともに津軽海峡を渡るシーンが見えます。もうどこまでもねぶただらけ!そして熱気がすごい。

寝室の天井は絵が変わるサプラ〜イズ。
寝室の天井は絵が変わるサプラ〜イズ。
TVを隠しているパネルにもねぶた。テ、テレビ観るの緊張するな。
TVを隠しているパネルにもねぶた。テ、テレビ観るの緊張するな。

ちなみに客室には館内着が用意されているのですが、「青森ねぶたの間」にだけ、ねぶた祭りで活躍する「跳人(はねと)」の衣装が用意されているのです(ふつうの館内着もありますよ)。浴衣を着て、しごきを腰に巻き、袖をまくりあげ、 タスキを結ぶ。そして、花笠をかぶれば、どうですか!ねぶた祭りに参加している気分に!

跳人の必需品、鈴ももちろん用意してあります。
跳人の必需品、鈴ももちろん用意してあります。

青森ねぶた祭を楽しめるレストランも!

「青森ねぶたの間」は1室だけしかない特別な部屋なので、ど〜〜〜しても予約が取れない、なんてこともあると思います。でも、安心してください。館内には、青森四大祭り(「青森ねぶた祭」、「弘前ねぷた祭り」「五所川原立佞武多祭り」「八戸三社大祭」)のパフォーマンスを食事をしながら楽しめるショーレストラン「みちのく祭りや」があります。室内で観劇できるので、嵐が吹き荒れようが大雨が降ろうが関係なし。一年中ねぶたのショーを観ることができます。

おいしい食事をいただきながら祭りを堪能。
おいしい食事をいただきながら祭りを堪能。
大きな山車が目の前でぐるぐる回る!
大きな山車が目の前でぐるぐる回る!

ねぶた(ねぷた)と一言で言っても、地域によってねぶたの形状やお囃子のテンポや掛け声、踊りもまったく違います。その違いを楽しめるのもこのショーレストランならでは。

こちらは「青森ねぶた祭」の山車。
こちらは「青森ねぶた祭」の山車。
こちらは「八戸三社大祭」の山車。
紅白の小◯幸子かな?と勘違いしそうになるほどド派手な山車に大興奮!
こちらは「八戸三社大祭」の山車。
紅白の小◯幸子かな?と勘違いしそうになるほどド派手な山車に大興奮!

池に浮かぶ露天風呂!

全国のお風呂好きのみなさん、お待たせしました。ここから温泉情報です。〈星野リゾート 青森屋〉には4つの温泉があります。

「浮湯」はなんと池に浮かんだ露天風呂。湯船につかりながら幻想的な景色が眺められます。冬には、ねぶたの灯篭が池に浮かぶんだとか(ぜひ生で見てみたい)。内湯はヒバの香りが漂う「ひば湯」。また、車で5分ほどの場所にある「元湯」は津軽びいどろの光が美しく透過する温泉。4つ目は広〜い公園の中にある「足湯」です。こちらはタオルも用意してあるので、散歩の途中でそのまま足湯ができます。

露天風呂「浮湯」。ドラマティックな風景。
露天風呂「浮湯」。ドラマティックな風景。
ヒバの香りに包まれる「ひば湯」
ヒバの香りに包まれる「ひば湯」
元湯はクラシカルな佇まい。
元湯はクラシカルな佇まい。
浮見堂を見ながら足湯を。
浮見堂を見ながら足湯を。

古民家で青森の郷土料理を頬張る。

公園の中には、茅葺屋根の古民家を再利用した「南部曲屋」というレストランがあります。ここでは、夕食に青森の食文化を味わえる「七子八珍会席」をいただきました。

「七子八珍」とは、青森で昔から伝わる海の幸で、「七つの子」=このこ・たこのこ・ほたてのこ・すじこ・ましらこ・ぶりこ・たらこ、「八つの珍味」くりがに・がさえび(しゃこ)・なまこ・うに・ふじつぼ・しらうお・さめ・ほや、を指しているそう。豊富な魚介類がこんなにいただけるなんてさすが海に囲まれた青森県!

青森県南部地方にあった豪農の邸宅を移築した南部曲屋。
青森県南部地方にあった豪農の邸宅を移築した南部曲屋。
こちらが「七子八珍盛り合わせ」でございます。
こちらが「七子八珍盛り合わせ」でございます。
お刺身と一緒に運ばれたドライアイスで雲海のような風景に。
お刺身と一緒に運ばれたドライアイスで雲海のような風景に。
「牛肉と野菜の焼き物 カシスソース添え」りんごのお皿がキュート。
「牛肉と野菜の焼き物 カシスソース添え」りんごのお皿がキュート。
〆はお蕎麦で。
〆はお蕎麦で。

果たして、寝られたのか?

お風呂にも入り、食事も堪能。さぁ寝るか!と客室へ戻ってきました。

「眠らせない部屋」というまことしやかにささやかれている噂は、嘘か本当か!?!?

結論から言うと、私、爆睡しました。

迫力満天のねぶたたち。かなり熱量が高めですが、スイッチ一つで照明を落とすことができます。真っ暗にして寝られるんです。ちなみに明るい場所でも寝られる!という方はぜひ明かりをつけたままで。こんな体験他ではできませんから。

寝ると見える天井絵。夜寝る前、朝起きた瞬間に睨まれます。
寝ると見える天井絵。夜寝る前、朝起きた瞬間に睨まれます。

睨まれながら起き、朝5時から入れる「元湯」で入浴。南部曲屋へ移動して朝食「ふるさと御膳」をいただきました。土鍋ご飯と囲炉裏で焼いた川魚、青森の郷土料理の数々を朝から頬張ってエネルギー充電完了です。

川魚の塩焼き、おいしー!
川魚の塩焼き、おいしー!

〈星野リゾート 青森屋〉は馬車にのって公園を散歩できたり、民芸品作りを体験できたり、一年中あちこちでいろいろなプログラムを用意しています。

季節によって内容を変更するそうなので、次はいつ来ようかなぁと夢が膨らむ宿泊となりました。

〈星野リゾート 青森屋〉のアイドル、うるるちゃん。
〈星野リゾート 青森屋〉のアイドル、うるるちゃん。
「あおもり工房」では、南部裂織を体験(8月31日まで)。
「あおもり工房」では、南部裂織を体験(8月31日まで)。

〈星野リゾート 青森屋〉

■住所:青森県三沢市字古間木山56
■電話:0570-073-022(星野リゾート予約センター)
■アクセス:JR八戸駅から車で約90分、三沢空港から約20分(無料送迎あり。要予約)
■チェックイン15:00〜、チェックアウト〜12:00
■1泊2食付 2名1室利用時 1名あたり17,000円〜(税別)
「青森ねぶたの間(定員3名)」1泊2食付 2名1室利用時 1名あたり29,500円〜(税別)

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