夢がいっぱいの焼き菓子屋〈POPPY COFFEE and BAKERY〉の魅力。/第55回なかしましほの散歩のレシピ FOOD 2023.03.02

料理家・なかしましほさんが、気になるお店とその方に会いに行く本誌連載「散歩のレシピ」。今回は世田谷区・弦巻にある〈POPPY COFFEE and BAKERY〉へ訪れました。

店内に入ると目の前に焼菓子が並ぶショーケースが。コーヒーや紅茶、コーヒーグッズなども販売している。石田さんが迎えてくれました。
店内に入ると目の前に焼菓子が並ぶショーケースが。コーヒーや紅茶、コーヒーグッズなども販売している。石田さんが迎えてくれました。

昨年7月に弦巻にオープンした焼菓子の店〈POPPY COFFEE and BAKERY〉。
栃木県黒磯や都内に店舗を構える人気のカフェ&コーヒーショップ〈SHOZO COFFEE〉の新しいお店です。スタッフの松本海央さん・石田香月さんとは、おふたりが表参道のお店にいた頃からの知り合いで、いつもやわらかな笑顔で接客するふたりが大好きだったので、新しくお店を始めたと聞いてから、お会いする日を楽しみにしていました。

店の入り口に行列ができることも。
店の入り口に行列ができることも。

到着したのはお昼頃。駅から少し離れた立地なのですが、ご近所さんや遠方からもお客様が途切れることなくやってきます。日々気軽に食べてほしいというおふたりの想いから、並ぶのは「焼きっぱなし」のベイク(焼菓子)たち。とはいえ、どれも焼き色や形が美しく、素朴とは少し違う、技術があってこそ出せる表情があります。

左から、リンゴのガレット580円、クッキー350円。ガレットは季節により変わる。
左から、リンゴのガレット580円、クッキー350円。ガレットは季節により変わる。

レシピは〈ツルミ製菓〉の鶴見昂さんが考えられたものを中心に、以前もこの場所で使われていたという100歳になる(!)というオーブンを引き継いでいます。
オリジナルの包装紙で包まれたマドレーヌや季節の素材を焼き込んださくさくのガレット、何といっても印象的だったのはプレーンマフィンとバターミルクビスケット。
マフィンは表面はさくっと、中はしっとり少しむちっとしたはじめての食感! 卵の風味が強くない分、粉と乳の風味がしっかり感じられます。大きめがうれしいビスケットは、バターミルクのほのかな酸味が広がり、こちらも中はしっとり。何もつけずにこのままでもおいしく、粉にこだわっているという石田さんの言葉通り、まさに生地を楽しむお菓子でした。実はお店に行った帰り、バッグの中から漂う匂いに我慢できず車内でこっそり食べてしまったくらい、ひとつひとつのお菓子からはしっかりと、粉やバターの香りが感じられるのです。
自分だけじゃもったいない、友人や家族、大切な人としあわせを共有したいと思うお菓子たちでした。

焼き菓子屋〈POPPY〉の魅力。

今回訪れたのは〈POPPY COFFEE and BAKERY〉

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〈POPPY COFFEE and BAKERY〉
住所:東京都世田谷区弦巻2-8-17 │ 地図
電話番号:03-6413-0208
営業時間:11:00〜17:00(火〜16:00)
定休日:水、木曜
焼菓子と共に黒磯で焙煎した〈SHOZO〉のコーヒーを買って行く人も多い。クローズ前に売り切れることもある。

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