ニッポンのお茶のニューウェーブ。#4 日本の最高の作り手が集結。お茶好きは国産烏龍茶を目指す。
お茶好きの心を掴むのが国産烏龍茶。生産量が少なく大変稀少なお茶だ。生産者たちの独自の感性や高い技術が光る一品を、専門家がセレクト。9月28日(水)発売Hanako1213号「新しいニッポンのお茶。」特集よりお届けします。
国産烏龍茶は、進化著しい挑戦的ジャンル。
〈The Tea Company〉の くらさわ 中焙煎
台湾の名人の下で学んだ茶師・渡邉拓哉さんの意欲作。静岡・大嵐の烏龍茶専用農園で栽培する日本品種「くらさわ」を用い、揉捻作業により国内では珍しい球状の茶葉に成形。「かつての凍頂烏龍茶のようなふくよかさ!」。30g 2,700円。
HP:https://the-teacompany.jp/
Selector:川崎武志〈ティーマーケット ジークレフ〉代表
かわさき・たけし/東京に5店舗を構える、1996年創業の茶葉専門店の代表。2015年から「プレミアムティーコンテスト」の審査員を務め、和紅茶のおいしさを広めている立役者。
台湾など現地で技術を学ぶ作り手も増え、レベルアップ中の国産烏龍茶。萎凋(葉を萎れさせて発酵を促す)など、不発酵の緑茶にはない半発酵茶ならではの製法も、茶師の探求心を刺激するのかも。「工程が複雑な烏龍茶が上手な茶園は、ほかのお茶の味も確か。作り手が今表現したいことが顕著に表れるお茶だと思う」と、〈ティーマーケット ジークレフ〉の代表・川崎武志さん。茶師が再現する現地の味や、日本らしい烏龍茶を追求する茶園など、異なるアプローチも面白い。
1.〈宮崎茶房〉の有機烏龍茶【みなみさやか春】
宮崎・五ヶ瀬のJAS認定茶園。有機栽培の「みなみさやか」の春摘みを使用。萎凋作業によりクチナシのような花香が際立つ。「台湾の金萱茶(きんせんちゃ)にも似たミルキーで華やかな風味」。50g 1,080円。
TEL:0982-82-0211
HP:http://www.miyazaki-sabou.com/
2.〈茶工房 比留間園〉の烏龍茶 半球状 中焙煎
狭山伝統の手もみ茶を極めた「極茶人」の異名を持つ比留間嘉章さんが営む、埼玉・入間の名園。揉捻(茶葉をもみ込む)作業で半球状の茶葉に仕上げた最新作。「火入れの妙にこだわった労作。魅了される味です」。12g 1,080円。
TEL:0120-51-4188
HP:http://gokuchanin.com/
3.〈木村製茶工場〉の猿島烏龍
茨城・猿島(さしま)で、台湾品種の青心(チンシン)烏龍を栽培し、製茶。文山包種茶をモデルにした軽発酵で、スズランのような甘い香りが続く。「国内屈指の作り手の一人。現地の味を再現する真摯さに感嘆」。20g 648円。
HP:https://www.kimuraseicha-kohjyo.com/
4.〈五ヶ瀬緑製茶〉の烏龍茶 TB 5gタイプ
宮崎・五ヶ瀬で、無農薬の釡炒り茶を作る製茶園。茶名人・興梠(こうろぎ)洋一さんが手がけた烏龍茶は、あえてのティーバッグ。「この品質でこの価格は驚き。飲み手に歩み寄った入門編というべき烏龍茶」。5g×15個 648円。
HP:https://gokasemidori.stores.jp/
5.〈備前屋〉の狭山微発酵茶 琥珀
代表の清水敬一郎さんは、萎凋香による茶作りの名人。台湾茶と出会い、台湾製の製茶機による釡炒り製法で作る微醗酵茶は、淡い琥珀色の気品ある一品。「微発酵で烏龍茶の“清香”の風合いを表現。まさに新機軸の釡炒り茶」。24g缶 1,080円。
HP:https://bizenya-cha.com/
6.〈森内茶農園〉のウーロン茶 SORA
静岡・本山茶の郷で手もみ茶を製造する茶園。台湾由来の品種の新芽で作る烏龍茶は、蜜のような甘さと熟した果実の香り。「森内吉男さんは精緻な製茶理論を持ち、烏龍茶作りにも長けた方」。30g 1,080円。
TEL:054-296-0120
HP:https://www.moriuchitea.com/