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2022.03.29

第153回 スイーツが環境保護に マフィン、クッキーから「環境」を考えてみませんか?ラフォーレ原宿に〈ovgo B.A.K.E.R Meiji St.〉がオープン

ラフォーレ原宿に3月1日にヴィーガンのベイクショップ〈ovgo B.A.K.E.R Meiji St.〉がオープンした。オープンしてわずか1ヶ月ほどなのに、すでにお店の入り口には行列ができるほど認知されている。〈ovgo B.A.K.E.R Meiji St.〉は2020年に立ち上げられたヴィーガンのクッキーやマフィンなどの焼き菓子のブランド。スタートから2年余りで通販、店舗、そして今回のラフォーレへの出店と驚くほどのスピードで成長を遂げている。そんなヴィーガンを身近な存在へと感じさせてくれたこのブランドを立ち上げたのが溝渕由樹さんだ。

ヴィーガンは美味しい

チョコレートの味が生かされた、しっとりブラウニー 638円。
チョコレートの味が生かされた、しっとりブラウニー 638円。

〈ovgo B.A.K.E.R Meiji St.〉は牛乳、バター、卵といった動物性の素材を使う代わりに、豆乳やココナツミルク、米油などに置き換えたヴィーガンのベイク商品を販売するブランド。他にもオーガニックや国産素材を積極的に使用することで、材料の輸送距離も意識するなど、食を通して環境問題に向き合う。クッキーはほんのり甘くてサクサク、ブラウニーなどはしっとりしているのにライト。大きさはアメリカンタイプで、「一度に全部、食べられるかな?」と思わせるボリューム。でも、「ひちくち」食べたらその軽さと、おいしさであっという間に完食してしまう。
〈ovgo B.A.K.E.R Meiji St.〉を立ち上げた溝渕さんは、お菓子の修行をしたわけではない。大学を卒業して、商社に就職したという経歴を持つ。
「食とフェアトレードに興味があり、三井物産に就職しました。その後、3年ほどして転職したんです」と話す。
商社にいればいずれは海外勤務もあるだろうし、思い描いた仕事にもつけるかもしれない。年収だってトップクラスの金額が約束されている。が、彼女はあっさりその座から降りてしまうのだ。
「自分が挑戦してみたいことにそこの会社で取り組んでいる姿が描けなくて。このままいいお給料をもらい続けたら、その生活から抜けられなくなり身動きがとれなくなる。今のうちに辞めようと退職しました」。
こうした、彼女特有のスピード感ある判断力と行動力は驚きだ。

なかなか手に入らないのなら、自分で作って売ろう!

ovgo baker 環境問題
クッキーは個包装なので、好きな種類を組み合わせるのも楽しい。335円(テイクアウト)
クッキーは個包装なので、好きな種類を組み合わせるのも楽しい。335円(テイクアウト)
ovgo baker 環境問題
クッキーは個包装なので、好きな種類を組み合わせるのも楽しい。335円(テイクアウト)

「次に就職したのがDEAN&DELUCAです。ミッドタウンで販売スタッフでした。六本木なのでヴィーガンフードを求める外国のお客様に出会うことも多かったのですが、ヴィーガンフードはない?と言われても、野菜チップスしか勧めるものがなくて。まだまだ、日本にヴィーガンが浸透していなかったんです」
大学時代に留学したロンドンで、クッキーやマフィンを焼いていた溝渕さん。日本でヴィーガンの商品を求めている人がいるのなら、自分がつくろうと決意。働きながらヴィーガンのクッキーを焼き、通販やファーマーズマーケットで販売を始めた。

屋号はオーガニック、ヴィーガン、グルテンフリー、選択肢(options)の頭文字をとって名前を〈ovgo B.A.K.E.R〉に決定。ちょうどコロナ禍、ステイホームの時期と重なり販売は順調に。〈ovgo B.A.K.E.R Meiji St.〉に専念することにしてほどなくして、ラフォーレでのポップアップショップの話も決まった。〈ovgo B.A.K.E.R Meiji St.〉に専念することにした。
「初めてのラフォーレでのポップアップショップも決まった時には、2週間という長丁場だったので、就職しながら手伝ってくれていた小学生の同級生だった友人も、仕事を辞めて独立してくれました」。溝渕さんが製造に回る時は同級生の松井さんが店番にといった具合で、ラフォーレのプロジェクトをやり遂げた。その後、会社運営にかかせないお金の調達などは、大学の先輩が、外資系証券会社を退職して、〈ovgo B.A.K.E.R〉事業に合流してくれた。

Z世代が支える、ヴィーガンムーブメント

自身も私生活では肉を食べない食生活になった。
自身も私生活では肉を食べない食生活になった。
20代のスタッフがほとんど。イラストが得意な人はメニュー作成を手伝ったり。それぞれの才能を発揮してもらっている。
20代のスタッフがほとんど。イラストが得意な人はメニュー作成を手伝ったり。それぞれの才能を発揮してもらっている。
自身も私生活では肉を食べない食生活になった。
20代のスタッフがほとんど。イラストが得意な人はメニュー作成を手伝ったり。それぞれの才能を発揮してもらっている。

溝渕さんがヴィーガンにこだわる理由は、環境問題にもコミットしているから。食から環境を考えるのは世界的なトレンドだ。牛を一頭育てるためには大量の穀物が必要で、畜産物の排出するメタンガスが地球温暖化とかかわると言われている。イギリスのオックスフォード大学は、食事から肉や乳製品をカットすることで二酸化炭素の排出を大幅に削減できるという研究結果を出した。環境問題に敏感なZ世代はヴィーガンに関心が高い。
「29歳の私にとって学んだ環境問題といえば、水俣病、四日市ぜんそくといった公害のイメージが強いです。ですが、生まれた時から気候変動に晒されていて、幼いころからあらゆる場面で気候変動を見聞きしてきたいまの20代の前半の子たちにとって、環境問題は自分ごとです」と溝渕さん。
日本でもヴィーガンや気候変動に取り組むことが、もっと身近なことになってほしいとの願いが強いからこそ、原宿の象徴とも言えるラフォーレのオープンは彼女にとって大きな出来事だった。
「私は起業をしようとか社長になりたいと思っていたわけではないのですが、いまでは〈ovgo B.A.K.E.R〉にはたくさんのスタッフが集まってきてくれました。立場の変化に困惑することもあるのですが、いろんな先輩方のお力も借りながら、これからも、ヴィーガンや気候変動問題に関する取組みを広げるためなら、すすんで事業を広げてもっと多くの方にヴィーガンクッキーを届けたいです」

〈ovgo B.A.K.E.R Meiji St.〉
■東京都渋谷区神宮前1-11-6ラフォーレ原宿2F
■11:00〜20:00
■無休(休みは施設に準じる)
■@b.a.k.e.r_meiji.st

編集部
編集部 / Hanako編集部

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