働く女性のための転機の準備/お金を「増やす」 あなたは家を「買う?借りる?」。都内と地方、それぞれの借りる派でコストを比較。
生涯、家賃を払い続けるか。それとも思い切って家を購入するか。永遠の悩みでもあるテーマ、住まいとお金のこと。コロナ禍をきっかけに、家の存在意義を見つめ直す人が増えています。「買う」に踏み切った人、「借りる」選択にとどまった人。ます。今回は、都内と地方、それぞれの買う派でコストを比較。共通するのは「30代女性、一人暮らし」。年収や職種によっても住まいの選択は変わるけれど、一番大きなポイントは「どんなライフスタイルを送りたいか」。地方と都内、それぞれの住まいに関するお金事情を取材しました。
2.買う・地方/@栃木県・那須
・Name:Aさん
・Age:36歳
・Job:フリーランス
・ncome:年収約300万円
・購入時の物件価格:330万円(諸経費込み)
・間取り・広さ:庭付き一戸建て
・築年数:35年(購入時)
・購入時の頭金:0円
・ローン支払額:4万円/月
・借入金融機関:両親
・ローン返済年数:7年(無利子)
東京生まれ東京育ちのAさん。移住前は恵比寿で家賃15万円の賃貸マンションに住み、外食は週に5回。イベント関連の会社に勤め、ボーナスは年3回出ていたそう。現在はヨガインストラクターから地域の魅力を発信する手伝いまで、多分野で活躍中。
庭付き一戸建てに出会えたのは地域とのご縁から。
誰もが羨む都会生活を謳歌していたAさんが、生き方に疑問を覚えたのは30歳の時。「再開発によって日々変わっていく街の姿を前に、自分はこの先も競争社会の中で生きていくのかな…と」一度抱えた疑問は不安に変わり、いつからか“東京から出る”という手段について考え始めた。「でも、いきなり移住は絶対失敗すると思ったんです。特にお金に対する価値観は、ガラリと変えないと難しいだろうと」
そこで、お金のやり取りなしで食事と宿泊場所を労働力や知識と交換する取り組み「WWOOF(ウーフ)」に参加。移住前1年をかけ、農家の手伝いをしながらお金に対する考え方を見つめ直すステップを踏み、仕事もフリーランスへとシフト。「今の肩書きは自称“那須観光大使”で、私が出来ることは極力お引き受けします。でも、やりたい仕事しかしないので、ノーストレスですね」
家とは、地域に溶け込む中で人づてに紹介されて出会ったそう。移住に伴う住宅購入の助成金として、自治体からは30 万円が支給された。「まさか戸建てを紹介されるとは思いませんでしたけど、これもご縁だな、って。よく仕事が不安定な今の状況で家を買ったことに驚かれますが、お金や将来の心配は、むしろ東京にいた時の方が大きかったです」
MY FAVORITE
野菜は道の駅で週に1度1,000円分をまとめ買い。
新鮮でおいしい野菜が破格値で手に入るのは地方ならでは。「なんてことのないシンプルな料理すら抜群です(笑)。ただ、別荘族も多いエリアなので、外食費は東京とそう変わらないかもしれませんが」
思わぬ出費は車の購入。でも地方では移動に欠かせません。
約30万円で購入した中古の軽自動車。「公共交通手段で動ける範囲には限界があるんです。駅前の賃貸で生活することも考えましたが、移住した以上は東京とは違うライフスタイルを送りたかったので」