「リニューアルがたくさん！ 進化し続けるオアフ島のホテル。」

赤澤かおりのただいまHawaii！ Vol.08

「リニューアルがたくさん！ 進化し続けるオアフ島のホテル。」

TRAVEL 2025.06.20

長年のハワイ好きが高じて、『Aloha Book』などの人気ハワイ本を多く手がけてきたエディターの赤澤かおりさん。ハワイブームも落ち着いた今、でもでもやっぱりハワイって愛おしい！　と伝えたい。1ヶ月ハワイに行って感じたことを集中連載でお届けします。最終回、オアフ島のホテルのリニューアルについてのお話です。

【The Kahala Hotel & Resort】
～ザ・カハラ・ホテル＆リゾート（以下、カハラホテル）

昨年60周年を迎えた〈カハラホテル〉は、オアフ島の東、ワイキキから車で15分ほどの高級住宅地として知られるカハラ地区に佇む瀟洒なホテル。世界各国からセレブがゆったり休日を楽しむ場所としても有名なここが、2025年からリニューアルするということで、現状のカハラを見に行ってきました。

シンプルな中にハワイらしさを忘れない淡いブルーやグリーンを差し色にしたホテルは華美になることなく、独自のスタイルを貫き通しているところが相変わらずで素敵。今回のリニューアルのコンセプトは“カハラ・シック”。カハラのイメージはそのままに、さらに磨きをかけた、そんな感じのリニューアルを期待しました。

先日届いたリニューアル後のゲストルームを見て、やっぱり、さすが！　と思いました。それは、以前と印象を変えず、ソファーを真っ白なものに新調したくらいだったから。カーペットも同じ柄で、新しいものに張り替え。時代に流されることなく、いつだって堂々とカハラらしくあり続ける上品なこの姿勢が、長きに渡りセレブに愛されてきた理由なのかもしれません。この落ち着きとともに優雅な時間を楽しめる大人になったからこそ（なっているはず、いやもう少しかもしれないけれど）、来年は、何かの記念日に泊まりにきたいなぁ。

【OUTRIGGER Waikiki Paradise Hotel】
～アウトリガー ワイキキ パラダイス ホテル

カイウラニ通りとクヒオ通りの角という便利な場所にあり（ホテルの隣りにはオープンしたばかりのターゲット、通りを挟んだ向こうにはスーパーのワイキキマーケットもあり！）、長年愛されてきたホテル〈オハナ ワイキキ イースト〉が、2024年秋に〈アウトリガー ワイキキ パラダイス ホテル〉として完全に生まれ変わりました。

アウトリガーの系列は、ハワイに生まれて75年という歴史もあってか、ハワイの文化を大切に守り、伝え続けてきたホテル。ハワイらしさという話では、ホテルの佇まいはもちろん、置かれているオブジェやインテリア、壁画などなど語ればキリがないほど。

今までもプライベートでアウトリガー系列のホテルに泊まることが多かったのは、「ハワイでハワイらしさをとことん感じたかったから」というのが一番の理由でした。だから、今回のリニューアルはかなり期待大！　だったのです。

そして、やっぱり！　と感動。フロントに向かう階段の側面にはタパ柄（ポリネシアの伝統的な布の模様のこと）。上がってすぐのロビーの、ハワイの植物を彷彿とさせるダイナミックなパターンかつハワイの自然と融合するカラーのカーペットと、明るく光を取り込む空間。のっけからすばらしい変身ぶりに興奮してしまいました。

ここは、かつてハワイ王朝時代、プリンセス カイウラニの邸宅があった場所。ハワイ初のバニヤンツリーをはじめとするたくさんの植物が溢れていたことから“パラダイスガーデン”と呼ばれていたのだそう。このホテルの名の“パラダイス”とは、それが由来。

部屋数は443室。なかでもスイートルームは、王室の隠れ家のようなつくりになっているのだとか。ハワイの伝統や歴史、精神を大切にというアウトリガーホテルがずっと大切にし続けてきたものはそのままに、現代のハワイのアーティストたちによるロビーやプールの壁画、アート作品、壁紙などが館内のあちらこちらで見ることができるのもここの醍醐味。

グランドオープンの10月16日は、プリンセス カイウラニのお誕生日。さぞかし、カイウラニ王女も喜んでいたことでしょう。次のハワイはぜひここでハワイ王朝に想いを馳せながら、のんびりした時間を過ごしたいなぁと思っています。

【Hilton Hawaiian Village Waikiki Beach Resort】
～ヒルトン ハワイアン ビレッジ ワイキキ ビーチ リゾート

ワイキキのシンボルともいえる〈ヒルトン ハワイアン ビレッジ〉、レインボータワーの新しくなったゲストルームと廊下が2024年12月からお目見え。ワイキキの海辺をイメージしたブルーグリーンとポップな色調をアクセントにしたゲストルームは、ハワイ語で海という意味の”Kai”を取り入れ、「レインボー カイ」という名がつけられていました。

すべてのリニューアルが終了するのは2025年末から2026年初め頃だそうですが、すでに完成済みのゲストルームは宿泊が可能。ぜひ、このワイキキビーチからダイヤモンドヘッドまでのロングビューが楽しめるお部屋に泊まってみてください。私もいつ予約しようかなとカレンダーとにらめっこしているところです。

ところで、このレインボータワーのレインボーは、タイルでできているって知っていましたか？　1968年、今から57年前に初めてお目見えしたときには、高さ87メートル、幅8メートルの世界で一番高いモザイク壁画だったそうで、16,000個以上の手描きのカラフルなセラミックタイルが使用されたとか。2013年には壁画の工事も行い、ライトアップ用のライトLEDに変更するなど、時代に合わせた修復も行われてきました。ちなみにこのレインボーの壁画は、4キロ先の上空からでも見ることができるそう。

35年以上も続いている金曜日のヒルトンの花火は、このタワーからだとド迫力で見られます。レインボータワーのラナイから花火を見たときの、まるで子どものようにはしゃいでいたうちの両親の笑顔は今でも忘れられないもの。彼らも何十年も経った今も、ついこの間のことのように楽しかった思い出を話し続けています。その姿を見るたび、あぁ連れて行ってよかったなぁとしみじみ。

ここは、そんなスペシャルな時間を、ハワイを訪れた人々に与え続けてくれているところ。リニューアル後はさらにハッピーな時間と空間をプレゼントしてくれると思います。ちなみに、ドラマ『ハワイ Five-０』でもたびたび登場してきたこのホテルには、エルビス・プレスリーが宿泊したことで、その名前が付いているスペシャルな部屋もありますので、ぜひ、ここぞというときに予約をなさってみてくださいませ。