ハナコラボSDGsレポート 水素エネルギーだけじゃない!泊まるだけ、選ぶだけで SDGsなホテル〈川崎キングスカイフロント東急REIホテル〉
ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった4人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。第53回は、ナチュラルビューティーハンターとして活躍するシナダユイさんが、〈川崎キングスカイフロント東急REIホテル〉販売促進部門の服部未来さんに話を伺いました。
再生可能な次世代のエネルギーで運営、体感できます。
ーーそもそも、なぜ水素ホテルを作ろうと思ったのでしょうか?
「ここキングスカイフロントエリアは、“ライフサイエンスと環境”という2つのコンセプトがあり、『国際戦略特区』という国に定められた特別な場所で、日本の最先端医療の開発や研究を行っているところがたくさん入っています。この地に唯一の商業施設として開業するにあたり、川崎市と化学メーカー〈昭和電工〉さんから提案をいただきました 」。
ーー連携をされているんですね。まさに目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」ですね。
「環境省が2015年より行なっている『地域連携低炭素水素技術実証事業』の一環で〈昭和電工〉さんの商業用で使われている水素パイプラインをあと1キロ通したらホテルでも使えるということで始まりました。水素の元になっているのは家庭から出る使用済みのプラスチックなどであること、そこでできた水素をトレーラーで液化して運ぶのではなく直接供給していただく。この2点が“世界初の水素ホテル”になります」。
ーー水素にはどのようなメリットがありますか?
「小さくしたプラスチックを高熱の中に入れて水素と一酸化炭素を取り出し、精製工程で出た二酸化炭素はドライアイスや炭酸飲料の炭酸に。なので、水素を作る過程で二酸化炭素を出していません。輸送もなく、ホテルの燃料電池で化学反応させて使うときも、副産物は少量の水のみ。全ての過程でCo2が出ていないのです」。
ーーなるほど、Co2フリーの電力が使われているんですね。
「開業から約2年間は館内の約30%を水素で賄っていますと言っても目に見えるものがありませんでしたが、去年11月に導入した水素エネルギーを使って作るレタスを土曜日の朝食にスープとして提供したらお客様の反響が大きくて。将来的にはハーブや食用花(エディブルフラワー)を栽培して、ホテルで使っていこうかという話も出ています」。
多様な働き方も目指して。
ーーエネルギーって身近なようで、SDGsの中でも1番わかりずらい。こういうところで体感できるのはおもしろいなと思いました。
「水素の他に食品廃棄物を利用したバイオガス発電や水力、風力などを組み合わせた再生可能エネルギー100%で運営している環境に優しいホテルです。レタスのスープを召し上がっていただければSDGsの取り組みを体感していただけますし、お客様の選択肢の一つになれば、温暖化が進んでいる中でもホテルは機能していけるかなと」。
ーーこの取り組みや運営がうまくいけば、きっと2050年までには当たり前に…なるといいですね。
「インフラ整備もこの京浜工業地帯だからできたことは事実ですし、実際都内のホテルでやろうと思ってもすぐできることではありません。この実証事業が例になり、どんどん日本で進んでいけたらいいなと思います」。
ーー期待しています!それと...実はホテルに置いてあるパンフレットの中で、服部さんが女性の働き方についてもお話しされていたのが印象的でした。
「”あなたにとってSDGsは”って箇所ですね。当ホテルも、まだ男性の方々が管理職を占めているようなホテルなので、私が発信して少しでも女性進出に繋がればなと」。
ーー希望を持って何かを変えられる、変えていこうとする姿勢を見られるのがSDGsっておもしろいですね。何より服部さんが活き活きと働いている姿が印象的でした。本日は様々なお取り組みのご紹介ありがとうございました!
「ぜひ、ごゆっくりカフェで焼きたてのクロワッサンワッフルを楽しんでいってくださいね」。