明日のための料理。 “もったいない”野菜の皮、魚のアラが絶品料理に!捨てないアイデアレシピ6選
野菜の皮や芯、魚のアラなどを捨ててしまうのはもったいない!ふだん廃棄しがちな部分を使いこなせば、フードロス削減にもつながる。目からウロコのアイデアレシピで、余すことなくおいしさを味わって。
1.「大根の皮の即席漬け」
むいた大根の皮をカットして、ポリ袋に入れた調味液に20分ほど漬け込むだけで、大根の皮ならではのパリパリとした歯応えが心地よい箸休めの出来上がり。冷蔵庫で一晩以上漬け込むとさらに深い味わいになる。自分好みの漬け具合に調整してみて。
2.「茹でささみねぎとしょうがの皮のソース」
長ねぎの青いところのネバネバとしたぬめりを生かしたソースは、切ったねぎとピリッと山椒の風味がアクセント。中国料理では椒麻(ジャオマ)ソースと呼ばれていて、粉山椒は花椒でもOK。茹でささみはもちろん、魚介類や焼き野菜など淡白な味と相性◎!
3.「人参のスープ」
ミニトマトの酸味と人参の甘みが溶けたスープ。人参は洗って、皮をむかずに輪切りにすることで、短時間で甘みがスープに染み出す。人参だけでは旨味と酸味が足りないが、ミニトマトを入れることで味がまとまり、人参の甘さも引き立つ。
4.「鯛めし」
焼いた鯛の味と香りが染み込んだご飯が贅沢な味わい。鯛のアラは旨味が濃い部位なので、しっかりと鯛の風味を堪能できる。アラは焼いてから炊き込むことで香ばしく風味が良くなる。また、ほぐしてから炊き込むと、炊き上がりに骨を除きやすいメリットも。
5.「じゃがいもとアボカドのサラダ」
マヨネーズの代わりにアボカドを使ったポテトサラダ。アボカドのまろやかさが、じゃがいものぱさつきを抑え、シンプルな味付けで素材本来のおいしさを楽しめる。じゃがいもは熱いうちに皮をむくと下味が入りやすくなる。ポテトサラダには男爵がオススメ。
6.「ブロッコリーのオイル蒸し」
ブロッコリーはお肉の代わりになるくらい栄養満点。甘くておいしいブロッコリーの茎も一緒に使うことで、一つの野菜から複数の味と食感が楽しめる。オイル蒸しはヘルシーで食べ応えも◎。最後に加えるナッツ類でコクをプラス。パスタなどアレンジも自在。
食べ切れそうにない食品は早めに寄付する賢い選択を!
SDGs達成に向けてキッチンから取り組めるのがフードロスの削減。フードロスとは、本来食べられるのにもかかわらず捨てられている食べ物のこと。世界では1年間に生産されている食料の3分の1にあたる約13億トンが廃棄され、環境悪化や貧困、食料危機に拍車をかけている。日本でもフードロス量は年間600万トン(平成30年度推計値)で、これを一人あたりに換算すると、茶碗約1杯分の食べ物を毎日捨てている計算。
フードロスの約半分は家庭から出ているので、生活をちょっと見直すことが大きなカギとなる。野菜の皮を厚くむきすぎない、野菜くずからだしをとって使い切るといった調理中にできる工夫以外にも、知っておきたいのがフードバンクやフードドライブの存在。フードバンクとは包装の印刷ミスや箱の破損などで販売できない食品を企業から引き取って福祉施設などに提供する団体・活動のこと。フードドライブは家庭で余っている未使用食品を持ち寄って、フードバンク団体や福祉施設に寄贈する活動で、私たちにも参加しやすい社会貢献のひとつ。
買いすぎた缶詰やレトルト食品、乾麺、調味料、いただきもののお菓子など、手つかずで捨てるにはもったいない食品は早めに寄付を。最近は自治体の施設だけでなく、実施店舗は限られているもののファミリーマートやダイエーなどコンビニやスーパーでもフードドライブを受け付けているので利用してみよう。
Teacher…樋口直哉(ひぐち・なおや)
服部栄養専門学校卒業後、料理教室助手、フレンチレストラン勤務を経て料理研究家になる。科学的な考え方から、料理の「当たり前」を深掘りし、おいしさを最大限に引き出すレシピを紹介している。