ハナコと考えるSDGs 「マイ箸も欠かさず持ち歩く。」環境のために何かを始めている女子4人の暮らしトーク。

SUSTAINABLE 2020.08.30

最近よく耳にするようになったSDGs(Sustainable Development Goals)という言葉。「持続可能な開発目標」と訳され、2030年までに“誰一人取り残さない”よりよい世界を目指して17の国際目標が掲げられています。それは政府や企業の頑張りだけでなく、私たちがもっと意識して毎日を“変えて”いくための課題でもあるのです。そこでハナコは、SDGsについて読者のみなさんと考える特集を企画しました。今回のテーマは日常の“普通”が本当に環境にいいのか、少し意識を向けると見えてくる、新しいこと。「自分も地球も気持ちがいい!」を、楽しみながら始めている4人の暮らしのトークをお届け。

みんなで話す等身大の環境のこと。

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それぞれ、エコ&エシカルなファッションや食べることについて発信している人。エコなことに興味を持ったきっかけは?

鎌田安里紗さん(以下、鎌田):高校生の頃からアパレルの販売バイトとかモデルの仕事をしてきたなかで、服にかかわることが多くて。服って生産背景があんまりわからないんですよね。工程が複雑すぎて、工場がどんなところかも見えないまま、服が簡単に作られることに、あれ?って(笑)。エコに貢献するという感覚よりも、服の背景のブラックボックス感が不思議で調べたい気持ちが出てきて。〈ピープルツリー〉みたいに、全工程を把握して、環境のことや働いている人に負担がないかどうかにまでこだわっているブランドがあることを知って。そんな人たちが作ったものを買ったほうが、自分も納得感があるから、そういう服を着たり、プランナーとして作ったりもしているんです。

『この服はどこで作られたの?背景を知るツアーを企画。』服の生産状況を知るため企画した「めぐる旅」。洋服に興味を持つ参加者と、年2回のペースでインド、スリランカ、タイ、バングラデシュなどを視察。写真はカンボジアのオーガニックコットン農場を訪問した時のものだそう。
『この服はどこで作られたの?背景を知るツアーを企画。』服の生産状況を知るため企画した「めぐる旅」。洋服に興味を持つ参加者と、年2回のペースでインド、スリランカ、タイ、バングラデシュなどを視察。写真はカンボジアのオーガニックコットン農場を訪問した時のものだそう。

6151さん(以下、6151):そうなんだ。私はファッションってうといんだけど、食べ物もそうなんだよね。残り物を使った料理コンテストの審査員をしたことがあって。こんなにごみを出さずに料理ができるのか!と超勉強になった。玉ねぎの皮を燃やして薫製にしたり(笑)。

一同:すごい、薫製?(笑)

6151:まだ食べられるのに捨てていたものってたくさんあるんだと知ったし、生ごみも減らせるし、なにより発想するのがおもしろい。

『フードロス解決に創造力で楽しく貢献。』食べられる食材が多く捨てられている日本。フードロスの啓蒙のためクックパッドが主催する「、クリエイティブ・クッキング・バトル」に審査員としてボランティア参加。その経験から、自宅でも食料はムダにしない!
『フードロス解決に創造力で楽しく貢献。』食べられる食材が多く捨てられている日本。フードロスの啓蒙のためクックパッドが主催する「、クリエイティブ・クッキング・バトル」に審査員としてボランティア参加。その経験から、自宅でも食料はムダにしない!

谷本英理子さん(以下、谷本):わかる。私も食べることが大好きだから、食を一番に考えてしまう。ごみを減らすっていうより、野菜や果実は皮も種もあますところなく全部食べたい!だから、ファーマーズマーケットとかで、皮まで安心して食べられる無農薬のものを選んだり。我慢してエコのためにやっているんじゃなくて、楽しいからそれを選択しているんですよね。

『ファーマーズマーケットで生産者さんから野菜を買う。』週末に行われる青山・国連大学前のファーマーズマーケットで、生産者の方から話をうかがって野菜を買うのがお気に入り。食べた野菜や果実の種を庭にまいておいたら、12月だというのにスイカが収穫できたそう!
『ファーマーズマーケットで生産者さんから野菜を買う。』週末に行われる青山・国連大学前のファーマーズマーケットで、生産者の方から話をうかがって野菜を買うのがお気に入り。食べた野菜や果実の種を庭にまいておいたら、12月だというのにスイカが収穫できたそう!

鈴木真由子さん(以下、鈴木):私も1日2、3パックは納豆を食べるから、公園でも食べられるように箸はいつも持ってる(笑)。今、エコなファッションの話が出たあとで、言いづらいんですけど、私、けっこうファストファッションで服、買っちゃうんです。

『脱ペットボトル&ビニール袋。マイ箸も欠かさず持ち歩く。』中学時代からマイ箸を持ち歩き、今でも出先や公園で納豆を食べるためにマイ箸、水筒、エコバッグはマスト。荒廃が問題視される竹林の救済とプラパックを減らすため、竹を容器にした納豆が開発できないか、取り組み中。
『脱ペットボトル&ビニール袋。マイ箸も欠かさず持ち歩く。』中学時代からマイ箸を持ち歩き、今でも出先や公園で納豆を食べるためにマイ箸、水筒、エコバッグはマスト。荒廃が問題視される竹林の救済とプラパックを減らすため、竹を容器にした納豆が開発できないか、取り組み中。

鎌田:ファストファッション自体が悪いってわけじゃないと思うんです。質のいいものもあるし。安いからって、そんなにいらないのにたくさん買って捨ててしまうとか、そういう風潮が問題な気がする。

6151:たしかに長く着られるもの、いっぱいあるよね。鈴木今着ているユニクロのTシャツも、長くなってきたから自分でシルクスクリーンでプリントして、飽きないようにしてる。

谷本:それいいですね!ユニクロやH&M、ZARAで見かける回収した服をリユース、リサイクルするシステムも画期的ですよね。人によって服や食にいくらお金をかけられるのか、それを続けられるのか、基準は様々だから、自分が心地いいと思える軸をいろいろと試して決めていきたいな。ところで、SNSや雑誌でもSDGsやエコという言葉があふれている。言葉の浸透は行動を変えるきっかけになりますよね。

鎌田:いろんなメディアで取り上げられていて、都心、地方関係なくどこにいてもその情報をキャッチできる可能性があるっていうのはすごくいいよね。私、オンラインコミュニティをやっているんだけど、そこで情報交換するのも楽しい。

6151:実生活ではこういう話をする人がいなかったとしてもつながれるのはSNSならではだよね。拡散されるからこそ自分で調べて説明できるくらいまでは理解して発信するようにしてる。「こういうのもあるよ」くらいのおしつけない感じで。

鈴木:楽しい感じで発信するのは大事ですよね。それで、いろんな考えの人とつながれるのがうれしい!

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左から、
■鎌田安里紗(かまだ・ありさ)/1992年生まれ。モデル。環境省「森里川海プロジェクト」アンバサダー。衣服の生産から廃棄の過程で、環境や社会への影響を意識するエシカルファッションを発信。

■6151(ろくいちごいち)/1981年生まれ。ハナコラボパートナー、写真家。世界中に撮影に出かける機会が多い。共著に『インスタグラム商品写真の撮り方ガイド』(技術評論社)。

■鈴木真由子(すずき・まゆこ)1995年生まれ。ハナコラボパートナー、「なっとう娘」の名前で活動する納豆インフルエンサー。学生時代は異文化コミュニケーションを学び、海外ボランティアに参加。

■谷本英理子(たにもと・えりこ)/1993年生まれ。ハナコラボパートナー。東京医科歯科大学医学部医学科卒。医者の卵として、健康と食をクリエイティブな目線でつなぐ商品開発や情報を提案。

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」

目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」…、地球にとって深刻な課題となる中、私たちができることって、なんだろう?大切なのは、全部でなくても、楽しそうだなと始められそうなことがあったらやってみること。その小さな一歩が、未来へとつながります。

(Hanako1185号掲載/photo:Natsumi Kakuto styling:YuiOtani illustration:SANDER STUDIO text:Tomoko Yanagisawa edit:NaoYoshida)

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