ハナコと考えるSDGs “わたしらしく働く”をあきらめない。数字で見る現代の女性の働き方【SDGs特集】

SUSTAINABLE 2020.04.27

最近よく耳にするようになったSDGs(Sustainable Development Goals)という言葉。「持続可能な開発目標」と訳され、2030年までに“誰一人取り残さない”よりよい世界を目指して17の国際目標が掲げられています。それは政府や企業の頑張りだけでなく、私たちがもっと意識して毎日を“変えて”いくための課題でもあるのです。そこでハナコは、SDGsについて読者のみなさんと考える特集を企画しました。

ハナコラボメンバーに”働き方”について大調査。

仕事もプライベートも充実しているように見える読者コミュニティ・ハナコラボの女性たち。 30代を中心にアンケートに答えてもらうと、 みんな人生や仕事に前向きだからこそ、 未来のために解決したいことがあるようです。

Q1.今の仕事に満足していますか?

SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

全体の70%が、ある程度現状に満足しているという結果に。今の働き方にやりがいを見出し、行動している様子がみてとれる。一方で、未来のことを考えると不透明で不安だという意見もチラホラ。保障や昇給制度の有無、女性の上司たちの活躍によって、満足度が左右される。

満足している…32%
・「働きやすい制度、一緒に働く人たちが好きです。 (IT系営業/28歳)」
・「様々な経験ができるから。日々 悩みを抱えながらも、成長を実感しています。(ディレクター/30歳)」

やや満足している…38%
・「昇進や昇給の制度がもっと整っていたらより良いと思います。社内に女性の管理職の方も少ないので、将来が不安に感じることもあります。(広報/27歳)」
・「勤務時間は短く、アクセスの便利なところにあり、休みも取りやすいから。ただ人間関係が難しいところがあり、完全に満足とは言えない。(秘書/31歳)」

やや不満がある…24%
・「キャリアチェンジを望んでいないのに、同意もなく異動させられた。残業も多いし、理不尽だと思いました。(会社員/34歳)」
・「副業ができないこと、やりがいが感じられない時があること。(会社員/27歳)」

不満がある…6%
・「福利厚生などの待遇が良くない、 副業ができない、やりたい仕事 ができない、給料が上がらない など......。(会社員/30歳)」

Q2.転職を考えたことはありますか?

SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

65%の人が、転職について意識している。リモートワークや時差出勤など、フレキシブルな働き方を求めている人が多い。踏み出せない、踏み出さない人の声で圧倒的に多かったのは、「結婚や出産のタイミング」の懸念。やはり女性にとってキャリアと子育ての問題はまだかなり複雑だ。

考えていない…35%
・「まだやり残していることがあるため、完全転職は考えていないが副業は検討中。(プログラマー/26歳)」
・「一度転職し、現在の職場に戻ってきました。今の環境が最高だと気づいたので転職する気はありません。(IT系営業/28歳)」

転職したいが予定はない…47%
・「現在携わっている大きなプロジェクトが終わったら、転職を考えようと思ってはいますが、結婚や妊娠のタイミングを考えると悩んでしまいます。(広報/30歳)」
・「過去に転職活動をして苦労したので、社内で異動希望を出して様子を見るつもりです。(会社員/29歳)」

転職予定…18%
・「結婚をきっかけに、より自由な勤務形態で働けて、出張や休日出勤が少ない企業を探して転職活動をしています。(会社員/28歳)」

Q3.独立・起業を考えたことはありますか ?

SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

独立や起業に対して興味を持つ人は65%。理由は、転職同様にフレキシブルな働き方を求めてという声が多い。結婚や出産のタイミングを懸念する点も同じだ「。興味がない」と答えた人の中には、会社に所属する安心感を重要視する声や、今の仲間との関係性に満足しているとの声も。

考えていない…35%
・「独立するには自分にしかできないスキルや才能が必要だと思うが、自分にはまだ足りない。(会社員/24歳)」

挑戦したいが予定はない…56%
・「より自由な形態で働けるように何かしたいけれど、明確にはなっていません。(企画/30歳)」

独立・起業予定…9%
・「自分にしかできないことを自分のスタイルで実行・発信していきたいし、もっと時間を有効活用していきたい。(ディレクター/30歳)」

Q4.副業や複業に興味はありますか?

SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

好奇心旺盛なハナコラボのメンバーらしく、過半数の人が何かしらの副業や複業がある様子。「会社が複業NGでなければ」「自分にできることがあれば」と、ほとんどの人がマルチキャリアに前向きな声を寄せた。収入面はもちろん、自分の経験をより豊かにしたいという人が多い。

興味はない…3%
・「副業も否定はしませんが、私自身は本業一本に全力を注ぎたいタイプ。どちらも中途半端になってしまいそうです。(秘書/31歳)」

興味はある…44%
・「色々な仕事を経験してみたいの で、一つの会社だけでなく広く 挑戦してみたい。(会社員/33歳)」

副業や複業をしている…53%
・「複数の仕事をしていると、どちらかで思い悩んだときに冷静になれたり、バランスが取れるところも魅力の一つだと思っています。(会社員/30歳)」

Q5.働き方や仕事についてモヤモヤしていることは?

人生という軸で見た長期的な話でも、平日と休日といった短期的な話でも、「ワークライフバランス」についてモヤモヤしている人が多数。ほかにも、実績が還元されないなど一生懸命働いているからこその憤りや、対人関係という永遠のテーマも見られる。

・「今の会社は画一的な働き方しか選択できないので、その働き方から外れる=退職、転職となってしまう。子供が生まれたら、時短勤務や時差勤務だけではなく、給料が減るものの週3、週4フルタイムっていう働き方もあるのでは…。(会社員/31歳)」

・「働くために生きているように思うことが多々あります。いつまで身を削って働かなくてはいけないのか不安。(プロデューサー/30歳)」

・「毎日ではありませんが、仕事が重なると暮らしが疎かになってしまうので、もっと効率良くバランス良く働けたらなあと思います。(IT系営業/28歳)」

・「時間、曜日関係なく働いているのが辛いです。オンとオフをしっかりわけて働ける職場を探しています。(広報/30歳)」

Q6.「わたしらしい働き方」に求める要素は?

理想の働き方について考え始めると、「人生で大切にするもの」というテーマに繋がる。仕事の充実度、安定感、プライベートの時間など、優先順位は千差万別。その上で社会と繋がり、自分が居心地いいと感じるのはどういう時か。みんな日々考え続けている。

・「愛のある仕事だけをすること。そして、仕事だけの生活にならないこと。(広報/30歳)」

・「好きなことを仕事にして、社会や人に貢献することかな、と思います。(会社員/34歳)」

・「「給与への納得感」「学び」「職場での人間関係」が重要。生活とは切り離せないから給与面に納得できていれば頑張れる。学びがあればモチベーションが上がり、人間関係が良ければ自身のパフォーマンスを発揮できる。(会社員/30歳)」

・「自分に合った仕事を自由な場所でしたい。人生を豊かにするために働きたい。(プログラマー/26歳)」

・「ワークライフバランスではなく、ワークライフブレンド。今の仕事でもできている気もしなくないけど、もっと自分が本当に「これだ!」って思えるものを見つけられたらいいな。(秘書/31歳)」

SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」について。

昨年、国際労働機関(ILO)が発表した日本における女性の管理職比率は、全世界平均27.1%に対してわずか12%。この国は女性にとってまだまだ働きにくい環境だといえます。今後、世界中が一丸となって、女性の力をもっと引き出せるような取り組みが進められていく中、私たちも自分の働き方についてポジティブに見つめ直す良い機会なのではないでしょうか。次回は“わたしらしく働く”ことをあきらめない、女性のストーリーを紹介します。

(Hanako1184号掲載/illustration:Nodoka Miyashita photo:Takehiro Goto , MEGUMI, Yoshiki Okamoto text:Makoto Tozukai, Rie Hayashi, Narumi Sasaki, Rio Hirai edit:Rio Hirai)

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