ハナコラボ連載・金子仁美さんが魅せるバレリーナの世界。 〈東京バレエ団〉くるみ割り人形のリハーサル現場へ潜入!
公演を間近に控えた『くるみ割り人形』。ハナコラボ連載で活躍している、バレリーナ金子仁美さんがリハーサルを行なっているというので、目黒にある〈東京バレエ団〉へ伺いました。感動の渦に包まれる、名作『くるみ割り人形』の裏側をご紹介します。©️photo Kiyonori Hasegawa
笑顔と緊張感が入り混じるリハーサル現場!
リハーサル現場に足を踏み入れると、入念に準備していたのは、12月12日(日)14:00の公演でマーシャ役をつとめる金子仁美さんと、くるみ割り王子役の池本祥真さん。ここに入る前、約90分間、クラス・レッスンで体を温めているというので驚きです。
和やかな雰囲気で話しているものの、音楽が流れた瞬間、一気に真剣な眼差しに!現場は笑顔と程よい緊張感が流れます。一曲終わるごとに聞こえてくる荒い息づかいに、練習のハードさが伝わってきて、手に汗握ってしまいます。
現場には主役の金子さん、池本さんの他、東京バレエ団芸術監督・斎藤友佳理さん、東京バレエ団プリンシパル・柄本 弾さんも登場。リハーサル中はzoomを繋ぎ、斎藤さんのご主人であり、元ボリショイ・バレエ プリンシパルのニコライ・フョードロフさんも指導に加わります。
バレエは手探りで生み出すものではなく、雰囲気など独特の世界観は人から人に伝承されるもの。全員で細やかなチェックを重ねていきます。音楽に合わせて、「もっと指先で歌って」「自由がカラダから溢れ出るかのように。自然と手や指が前へ前へと出る感じ」などの指示があり、スタート位置や指先の動きなど、1mm単位で修正を重ねていくんです。本当にすごい世界!
斎藤さんは「ララ〜」と口ずさみながら実践し、見本を披露。金子さんに対して、「お尻をキープして、上半身だけもう少し後ろに倒してみましょう」など、具体的にポイントを示してくれます。ちょっとした手の動きを修正するだけで、どんどん印象が変わるから不思議!スピード感のあるステップも軽やかで躍動感のあるものに生まれ変わります。
柄本さんも、池本さんへ「金子さんが回り始める最初に一瞬、ここを引っ張ってあげると動きやすくなるはず」など、細やかで的確なアドバイスをしていきます。一瞬のサポートではありますが、どこに手を添えるか、どこの立ち位置をとるかで表現にグッと深みが出てくるんです。今回、間近でリハーサルを拝見させていただきましたが、瞬きするのも惜しいくらい、どんどん変わっていく世界に目が釘付け。
リハーサルを通して金子さんが大切にしていること!
約60分のリハーサルを終えた金子さん。和やかでありながら、凄まじい集中力を感じるリハーサルで、まだ呼吸も整わない状態でしたが、日々の練習で大切にしていることを教えてくれました。金子さんは「練習も本番と一緒。常に100%の力を出せるように練習に挑んでいます。その日の100%を出し切りたい」と話してくれます。
「昨年の『くるみ割り人形』は自分の中でベストな状態ではなかったので、今年は気持ちを改めて、今回からデューのつもりで全力で挑みたい。今日のリハーサルは、第二幕のグラン・パ・ド・ドゥをメインに練習しましたが、第一幕では7歳の少女を演じるので、第一幕と第二幕のギャップも楽しんでほしい」と笑顔で答えてくれました。
ハナコラボ連載では、ベールに包まれたバレリーナの生活と、日常でできる簡単ストレッチやトレーニングを紹介してくれている金子さんですが、普段から「必須アミノ酸」を意識して取り入れているとのこと。リハーサル前後や就寝前などに、サプリを愛飲しているそうですよ。
またリハーサル終了後には、念入りにマッサージも!通常だと2時間程度、日中時間がない時は寝る前にマッサージの時間をとるのだとか。こういった日々の積み重ねが、しなやかなカラダづくりに繋がっているんですね!
〈東京バレエ団〉のくるみ割り人形は、2021年12月10日19:00の東京公演から幕開けです。金子さんは12月12日(日)14:00の東京公演(東京文化会館)に、マーシャ役で出演するのでお見逃しなく!
〈東京バレエ団〉くるみ割り人形
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