無題 (4)
2022.07.05

鎌倉びいきが教える鎌倉の答え 小説家・小川糸さんと鎌倉。/小説「ツバキ文具店」は鎌倉散歩の参考書。

毎月数日は鎌倉で過ごすという小説家・小川糸さん。町の住人やお店に注ぐ眼差しは温かく、愛にあふれる。訪れるたびに新発見があるという町の魅力について聞く。

「ツバキ文具店」とは

ツバキ文具店の主人ポッポちゃんと鎌倉の人々との物語。舞台となるカフェやカレー屋さんなど、筆者が鎌倉を歩いて見つけ出した場所ばかりが登場し、読者は実在と物語が入り混じる。暮らしと季節がやさしく綴られている。

小説「ツバキ文具店」は鎌倉散歩の参考書。

レンバイにある〈はな〉。レンバイに来たときに、お団子や太巻きを購入する、普段使いの店。〈パラダイスアレイ〉の向かい側。
レンバイにある〈はな〉。レンバイに来たときに、お団子や太巻きを購入する、普段使いの店。〈パラダイスアレイ〉の向かい側。

小川糸さんの小説「ツバキ文具店」は、鎌倉の代書屋、ポッポちゃんのお話。チャーミングだったり、ひとクセふたクセあったり、困ったちゃんであったり、といった愛すべき登場人物が織りなす物語が、鎌倉を舞台にキラキラと綴られていく。読者にとって何よりうれしいのは、お話に出てくるお店や場所が実在することだ。だから、ポッポちゃんやお隣のバーバラ婦人になった気持ちで、鎌倉散歩が楽しめたりもする。『ツバキ文具店の鎌倉案内』(幻冬舎刊)なんて文庫本まで出ちゃってるから、聖地巡礼のように、本を手に鎌倉巡りをする人も多い。

小川さんがうれしかったのは、鎌倉駅そばにある鎌倉総合案内所に、「すみません、ツバキ文具店はどこにあるんでしょうか」と、尋ねてくる人がいることだ。いかに、この町になじんでいるかという証しである。作者にとっては、この上ない喜びだろう。「長く温めていた、この物語の構想がまとまったとき、核となる代書屋がある町は、鎌倉が一番しっくりくると思ったんです」

〈島森書店 鎌倉本店〉
〈島森書店 鎌倉本店〉
〈鎌倉市農協連即売所〉
〈鎌倉市農協連即売所〉
〈古我邸〉
〈古我邸〉
〈段葛(だんかずら)〉
〈段葛(だんかずら)〉
〈島森書店 鎌倉本店〉
〈鎌倉市農協連即売所〉
〈古我邸〉
〈段葛(だんかずら)〉

1. 3部作が同時に揃う。〈島森書店 鎌倉本店〉/小町
地元の書店として多くの人に100年余り愛されている。入口を入ったところにロングセラー「ツバキ文具店」の3部作が常に置かれている。
■神奈川県鎌倉市小町1-9-3
■0467-22-0266
■9:30~20:00無休

2.料理人も野菜を買いに来る。〈鎌倉市農協連即売所〉/若宮大路
「レンバイ」の名前で親しまれている。23軒の農家が4班に分かれてお店を構え野菜を販売。レストラン関係者も注目。カフェなどもお店を構える。
■神奈川県鎌倉市小町1-13-10
■8:00~野菜がなくなり次第終了

3.駅近のサンクチュアリ。〈古我邸〉/扇ガ谷
築100年余の邸宅をレストランに改造(P.68参照)。木々や花々に囲まれる。裏庭にはカフェが設けられている。
■神奈川県鎌倉市扇ガ谷1-7-23
■0467-22-2011
■11:00~15:00、17:00~21:00(レストラン)火、第1・3水休

4.新緑のアーチを見に行く。〈段葛(だんかずら)〉/若宮大路
鶴岡八幡宮への参道である若宮大路は源頼朝が妻・政子の安産のために、鶴岡八幡宮から由比ヶ浜まで造らせたもの。二ノ鳥居から中央に一段高く造られた参道が「段葛」と呼ばれる。桜の季節には桜のアーチができる。

Profile…小川 糸(おがわ・いと)

1973年、山形県生まれ。2008年のデビュー作『食堂かたつむり』は英、韓、中、伊、仏語などに翻訳され、海外の文学賞も受賞。神奈川新聞に再び、「ツバキ文具店」シリーズの続編を連載している。

(Hanako特別編集『鎌倉びいきが教える鎌倉の答え。』/photo : Norio Kidera text : Michiko Watanabe)

prof_hensyubu
編集部 / Hanako編集部

「東銀座にある編集部からお届けします!」

編集部さんの記事一覧 →
2021年4月1日以降更新の記事内掲載商品価格は、原則税込価格となります。ただし、引用元のHanako掲載号が1195号以前の場合は、特に表示がなければ税抜価格です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。
TOPに戻る