「好き」が一番の原動力。その道のプロに聞く。 憧れのレコード入門【中級編】レコードプレイヤーに繋いで“好みの音”を見つけよう。 LEARN 2022.04.06

近年、アナログレコード人気が再熱しています。モノとして持つ喜び、自分好みの音を追求する楽しさ、手間をかけて音を聴くという行為そのものが多くの人を惹きつけているようです。アナログレコード愛好家、飯田貴志さんを先生に迎え、知識ゼロからでも始められるレコード入門、開講です。今回は中級編より、『レコードプレイヤーに繋いで“好みの音”を見つけよう。』です。

プレイヤーを軸に基本の周辺機器をそろえる。

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レコードプレイヤーの構造が理解できたら、好みの音に合わせて、プレイヤー周りのアイテムを一つずつ選んでみましょう。これはCDプレイヤーやストリーミングにはない楽しさです。ポータブルプレイヤーはいわば建売住宅。自分好みの音を追求するのは戸建て住宅を建てるのと一緒と考えるとわかりやすいです。

まず、軸となるのはプレイヤー。〈テクニクス〉の「SL1200」は作りがシンプルで壊れにくいのでおすすめです。音質や音量に関わるアンプ、フォノイコライザーも何を選ぶかによって個性が出ます。あとは、それぞれを繋ぐケーブルをとを間違えず、正しく接続すること。そうしないと違和感のある音に。これ、意外とできてない人いるんです。

そして、針圧調整も大事。レコードを下方向に押さえる針の重さのことで、不要な針飛びを防ぎ、ノイズを軽減します。こういう知識が増えるとレコード生活がさらに充実しますよ。

■必要なもの

1.プレイヤー
ターンテーブルに乗せたレコードからオーディオ信号を抽出。盤面の音溝の振幅を読み取り、音源を再生する。高音質で堅牢な〈テクニクス〉の「SL1200」が飯田さんのおすすめ。

2.アンプ
レコードから読み取る音楽の信号を増幅して、スピーカーへ送るための機械。音質や音量の調整も。見た目もスタイリッシュな〈マッキントッシュ〉の「ブルーアイズ」が人気。

3.フォノイコライザー
レコードに刻みやすく処理された音をフラットな音に戻す回路のこと。プレイヤーやアンプに搭載されている場合も。飯田さんの一押しは〈オーディオテクニカ〉の「AT-PEQ20」。

4.スピーカー
アンプと接続して音を出すもの。アンプ内蔵と非内蔵のものがあり、非内蔵のものはパッシブスピーカーという。純度の高い音質の〈JBL〉の「4312シリーズ」がおすすめ。

5.針
プレイヤーに針が付属されたモデルもあるが、ないものもあるので購入前に確認を。針は消耗品で、針によって拾う音の特徴も異なる。飯田さんは国産の〈ナガオカ〉推し。

Teacher…板焼きマエストロ・飯田貴志鉄(いいだ・たかし)

レコード入門

精密機器のエンジニアである父の元で育つ。ジャズクラブの名門〈ブルーノート東京〉を経て、独立。2016年に、ソムリエールの松坂愛さんとともに、ナチュラルワインと鉄板焼きとアナログレコードの音が楽しめる店〈赤い部屋〉を東京・南青山にオープン。飯田さんは音楽のセレクトと料理を担当。

(Hanako1206号掲載/photo : MEGUMI illustration : Manako Kuroneko text : Mariko Uramoto, Satoru Kanai, Ami Murasakino edit : Kana Umehara)

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