20220211-DSC09513-700x490

第32回 写真家・田尾沙織の『Step and a Step』500gで生まれた赤ちゃん 【田尾沙織のStep and a Step・32】超あせった! 熱性痙攣! MAMA 2022.02.25

写真家・田尾沙織さんに、500gで生まれて、軽度の知的障害とADHDだと言われている息子、奏ちゃんの子育てと日常について綴っていただくこの連載。
2人の日常を、田尾さんによる色鮮やかな写真と共にお届けします。

実は少し前になりますが、奏ちゃんが初めて熱性痙攣をおこしました。

その日、奏ちゃんが37度から38度くらいの熱を行ったり来たりしていたので、家でだらだらソファに寝っ転がりながら一緒にテレビを見て過ごしていました。すると、15時半ごろ奏ちゃんが寝っ転がりながら突然嘔吐しました。

赤ちゃんの時から嘔吐することがあまりなく、すごく珍しかったので「大丈夫だよ」と声をかけながら掃除をして、また話しかけると、応答しなくなりました。吐いて気持ち悪いのかな、と思ってそのまま話しかけていると、目を見開いて眼球が宙を見上げながら左右に動きはじめました。

様子がおかしい。

「ママのことわかる? 返事して!」

と何度も声かけすると、目線を合わせようとしている気持ちは伝わってくるのですが、目はずっと宙を見たまま。体が硬直してきて、上半身の痙攣が始りました。これはまずいと思い、震える手で何度か押し間違えながらなんとか119に電話をしながら痙攣が始まった時間を覚えておかないと、と思って目の前にあった封筒に時間を殴り書き。

救急車が到着するまでが30分くらいに感じました。声かけしても全く無反応。目は見開いているし、痙攣は全身に。

やっと救急隊到着したと思ったのですが、後から聞いたところ救急隊が到着するまで電話から5分だったそうです。

救急隊が到着と同時に痙攣は治ったので、痙攣の時間が約5分間。救急隊が意識の確認のため、胸を強く押して刺激を与えたのですが無反応。救急車に運ばれて意識が戻って救急隊の方もほっとしていました。最初の意識レベルがかなり低かったと言っていました。

その後も酸素マスクを嫌がって手で振り払うなど、意識は戻ってきたけれど、私が話しかけても右半身が動かず、私は右側にいるのに、目が一生懸命反対の左側を見ようとしていました。

「わかりませんが、脳に何か起きているのかも」

そう救急隊の方から聞いて「このまま右半身が動かなくなってしまったらどうしよう」と思いました。

20220202-DSC09485

結局、病院で先生に見てもらったところ、熱性痙攣で間違いなく、一時的に体の一部が動かなくなることはよくあるということで、病院のベッドで4~5時間休んだところ、会話も元に戻り、目も体も普通に動くように。

そのまま「おなかすいたー!」と怒って叫ぶ奏ちゃんを連れて、帰宅になりました。

救急隊員の方が計った時、体温は37.2度。

私は熱性痙攣という言葉は知っていましたが、39度とか40度の高熱でなると思い込んでいて、まさか37度台でなるとは考えてもいませんでした。

本当にこのまま死んでしまうんじゃないかと思うくらいの状態で、もっともっと一緒に遊んであげればよかった。もっともっと優しくしてあげれたんじゃないか。など、走馬灯のように、今まで過ごした時間やついさっきまでうるさいくらい話しかけてきたことや、忙しくてそれに対して適当に返事をしてしまったこと、当たり前に過ごせていた時間に感謝し、後悔しました。

子育てをしているとハプニングの連続で、何が起きるかわからないと思うと、毎日大切に後悔がないように過ごしていきたいと思いました。

Videos

Pick Up

夏の風物詩、鵜飼鑑賞を〈星のや京都〉専用の屋形舟「翡翠」で。三味線の生演奏が流れる、1日1組だけの雅な「プライベート鵜飼鑑賞舟」は9月23日まで。忘れられない、 ふたりだけの 夏のバカンス。〈星のや京都〉東京を拠点にする料理家と京都を拠点にするアーティスト、ふたりは数年来の友人。はじめてのふたり旅、選んだ場所は、京都の奥座敷・嵐山。喧騒から離れ、ひっそりとした地で、季節を味わい、いつもとは異なる会話とともに過ごす。TRAVEL 2023.08.31 PR
SP用トップ画像ハナコラボ パートナーが楽しむ、とっておきのホテルステイ実現の理由とは。これからの旅にはホテル提携のクレジットカードがお得! 〈ヒルトン小田原リゾート&スパ〉編。久しぶりに行動制限なしで外出を楽しめる今年は、旅行へのモチベーションが高まっている人も多いのでは。旅で使うお金や日常生活の支払いを一つのクレカにまとめると、ポイントや特典がついてお得に。貯めたポイントを次の旅行でも使えたりするから、クレカ選びは大切。今、旅行好きでコスパや特典重視の人たちにおすすめしたいのは、とっておきのホテルステイを驚くほどお得に実現できてしまうカード。 中でも注目すべきは「ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス®・カード」。料金の上がりがちな週末に世界中のヒルトングループのホテルに一泊無料で宿泊ができる「ウィークエンド無料宿泊特典」などがあり、年会費の元があっという間に取れてしまうと評判です。そこで、旅行好きのハナコラボ パートナーの二人がこのカードを体験してみました。毎日の決済やヒルトンでの滞在などでカードを利用しポイントを貯めている様子や、どんな特典を楽しんだかをリポートします(抽選で100名さまにAmazonギフトコードカード500円分が当たる読者アンケートを実施中。回答は記事の最後から) (PR/ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス®・カード)LEARN 2023.08.31 PR
ヘアメイクアップアーティスト・草葉妙子さん 〈+CEL〉ランドセル〈+CEL〉インタビューvol.3 (後編) ヘアメイクアップアーティスト・草場妙子さんが受け継ぎたいメイクアイテムのケアの仕方。ランドセルブランド〈+CEL〉と子どもたちへ受け継ぎたいものについて話を聞くインタビュー企画。シリーズ3回目に話を伺ったのはヘアメイクアップアーティストの草場妙子さん。前編で受け継ぎたいものとしてあげてくれた「メイクアイテムのケアの仕方」について、どんなことを知っておくといいのか、教えてもらう。そして〈+CEL〉のランドセルもチェック。普段、使用するメイク道具も試供品はほとんど使わず、必ず店頭でみてから購入して選んでいるという草場さん。もの選びにこだわりを持つプロの視点、そして6年間の小学生ママ経験者として、〈+CEL〉のランドセルはどう評価する?MAMA 2023.08.17 PR
ヘアメイクアップアーティスト・草葉妙子さん〈+CEL〉インタビューvol.3 (前編) ヘアメイクアップアーティスト・草場妙子さんがみつけた、 子育てと仕事のちょうどいいバランスの取れる場所。日常使いできるナチュラルなメイクと、メイクをすることのシンプルな喜びを教えてくれる、ヘアメイクアップアーティストの草場妙子さん。彼女でなくては、と指名する女優やモデルも数多い。日々撮影を抱え、スケジュールに追われる中でも新しいコスメアイテムの探求にも余念がない(その様子は彼女のインスタグラムでもおなじみ)。仕事にいつも真摯に取り組む一方で、草場さんは家族を愛するひとりの母でもある。 ランドセルブランド〈+CEL〉と一緒に“子どもに受け継ぎたいもの”を訊くインタビュー企画。今回は、今、中学1年生だという娘さんに草場さんが受け継ぎたいものについて、そして草場さんの子育てに対する今の気持ちを訊く。MAMA 2023.08.12 PR