フードディレクター野村友里さんが開いたレストランで話題! 〈restaurant eatrip〉の厨房から。vol.1 キャベツを発酵させてみよう。
日本では味噌や醤油など古くから伝わる身近な発酵食がたくさんあるが、欧米でも同様にピクルスやザワークラウトなどの発酵食品がある。瓶詰めにすれば長期保存が可能になり、瓶に入れればキッチンを美しく彩る「インテリア」にもなってしまう。Hanako.tokyoでは〈restaurant eatrip〉のシェフ・大西政貴さんと共に、四季を追いながら季節の食材を使った発酵食について学んでいきます。
第一回は「キャベツの漬物」
「発酵」は作り方さえ覚えておけば色々と活躍しそう。フードディレクターの野村友里さんは幼い頃からぬか漬け、手作り味噌と発酵と身近かな環境で育ち、今では自分で味噌を手作りする。彼女のレストラン〈restaurant eatrip〉のオープンキッチンには、彩どりの野菜で作られた保存食が入った大きな瓶がいくつも並び、インテリア雑誌の一コマのようだ。
いまの旬な食材と言えば「春キャベツ」。手に入れやすく、多種多様に使える便利さに加え、調理も簡単だ。冬を越して育った春キャベツは甘みがあり、パスタなどイタリアン料理にもよく使われている。その中でも水分が少なく、発酵に向いているのが紫キャベツ。「かわいらしくて鮮やかな色合いは、料理にも映えて一層豊かになります。そこで今回はヘルシーな紫キャベツの乳酸発酵に挑戦してみました。」と大西シェフ。肉・魚料理の添え物にしてもよし、スープの仕上げに入れてみるのもおすすめだそうだ。
■材料
・紫キャベツ…700g(一玉でも可)
・海塩…20g(紫キャベツに対し2%ほどの分量)
・スパイス(コリアンダー、ブラックペッパー、フェンネル)…適量
■作り方
①切る
発酵させるとしなっていくので、細すぎず、食感を楽しめるくらいの粗めな千切りがベスト。
②まぶす
塩はミネラル多めの自然塩が発酵の妨げにならずオススメだ。スパイスはお好みで。今回は〈restaurant eatrip〉定番の、コリアンダー、フェンネル、ブラックペッパーの三種類を使用した。1:1:0.7の割合で入れる。
③もみこむ
全体をよく混ぜ、紫キャベツがしんなりするまで、塩とスパイスをもみこむ。
④詰める
びんの大きさは、空気が入らないようきっちり詰められるものを。ただし発酵すると膨らむのでその分は考慮しよう。
⑤保存する
紫キャベツから出た水がひたひたに浸かるまでギューッと押し込み、最後にラップを被せる。
⑥完成!
日が当たらない常温で発酵させる。1日1回、上と下を入れ換えるように混ぜ、“お手入れ”も忘れずにしよう。好みの味、食感に合わせて3〜10日発酵させるのがベスト。その後は容器から出して冷蔵庫にしまえば一ヶ月ほど保存可だ。
プロフィール/大西政貴シェフ
大学卒業後、人気フレンチ〈L'Embellir(ランベリー)〉で6年半の修行を積む。その後、ビストロを経て2019年1月から〈restaurant eatrip〉のシェフへ。こだわり抜いた旬の食材と向き合う〈restaurant eatrip〉の考え方に共感した。日々発酵食の実験を続けている。ちょっとした工夫で食卓が豊かに。
〈restaurant eatrip〉
フードディレクター野村友里さんが2012年に原宿にオープン。駅から近い場所にありながら木々が豊かで都会の真ん中にいることを忘れそう。野村さんがヨーロッパ、アメリカバークレー、〈シェ パニーズ〉のキッチンに入った経験を生かし安全な食材を使った料理を提供する。
■03-3409-4002
■東京都渋谷区神宮前6-31-10
■18:00〜24:00 月休み
■公式サイト
(Photo:kenya abe, text:ami hanashima, corporation:eatrip)