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読書の秋に読みたい! 人気映画プロデューサー・作家、川村元気さんのおすすめ!今読みたい「愛」がテーマのおすすめ本4冊。
LEARN 2018.10.04
読書の秋に読みたい、愛をテーマにした本とは?『四月になれば彼女は』などで知られる人気映画プロデューサー・作家の川村元気さんが、おすすめの4冊を教えてくれました。
川村元気(かわむら・げんき)/映画プロデューサー、作家。『告白』『君の名は。』『怒り』などの映画を製作。『世界から猫が消えたなら』『億男』などの小説に加え、絵本も発表している。
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『四月になれば彼女は』
かつて心の全部を満たしていた愛はどこへ消えたのか?若き日々の瑞々しい記憶と、目の前を通り過ぎていくように淡々と進む現実。愛とは失われてしまうものなのか?その真実を問う長編。(文藝春秋/1,400円)
1.最果タヒ『死んでしまう系のぼくらに』
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1986年生まれの若き詩人が、死を見つめ愛を見つめ心を解き放つ、3冊目の詩集。川村さんにとっての最果タヒは、「人が人を好きになるってどういうことか、それを最短距離で書く人」。(リトルモア/1,200円)
2.三島由紀夫『春の雪―豊饒の海(一)』
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公爵家に生まれた青年と公家の血筋を引いた令嬢。華やかな大正時代を舞台に、若く美しい二人の愛と恋情が結ばれほどかれていくさまを艶やかに描く。四部にわたる「豊饒の海」シリーズ第一巻。(新潮文庫/710円)
3.佐野洋子『100万回生きたねこ』
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愛と生と死を描き、発表から40年を経ても愛され続けるロングセラー絵本。「読み返すたびに自分がリセットされる。自分で自分をごまかしていた部分が明らかにされてしまう怖さもあります」。(講談社/1,400円)
4.向田邦子『思い出トランプ』
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「小説も書く映像界の先輩として尊敬する向田さん。映像的な手法を使って決定的な情景を切り取り描写する短編集です」。直木賞を受賞した「花の名前」「犬小屋」「かわうそ」を含む、13編を収める。(新潮文庫/460円)
(Hanako1127号掲載/photo:Maki Ogasawara text:Hikari Torisawa)