これさえ覚えればOK!
ワインがもっと楽しくなる白ブドウの品種8選
おいしいワインは好きだけど、専門的なことは難しくてあまり気にしていない、というかたも多いのではないでしょうか。実は、それってちょっともったいない。ワインの味わいの決め手となるブドウの品種を、みんなが知っているハリウッド俳優に当てはめてみました。白ブドウの8つの主要品種を4人の「飲み手」のプロの案内のもと紹介します。
ハリウッド俳優に例えて学ぶブドウ品種【白ブドウ編】
スッキリした口当たりとフルーティさが特徴の白ワインの原料である白ブドウの品種をハリウッド俳優に例えて紹介します。
1. ソーヴィニヨン・ブランは「マーゴット・ロビー」
清涼感あふれるアロマについつい惹きつけられる
青草やハーブなどの植物を思わせる豊かでフレッシュな香りが最大の魅力。個性的ながらも明るい笑顔で人々に愛されるマーゴットにもどこか通じる。「ナチュラルな造り手にかかると、青みが消え山椒のようなニュアンスも」(ワイン輸入会社営業/齊藤誠也)
■主な産地:フランス・ボルドー地方、ロワール地方など/合う料理:山菜やハーブ系の料理。
2. シャルドネは「メリル・ストリープ」
変幻自在な表情を見せる高貴で器用な代表品種
果実味が豊かでリンゴや柑橘を思わせる香りが特徴。産地や造り手、熟成によって七変化する様は、役によって印象を変える大女優メリルのよう。「熟成された上質なシャルドネは時に、カスタードプリンのような香りに」(建築家/干田正浩)
■主な産地:フランス・ブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方など/合う料理:魚の天ぷら、和牛など。
3. シュナン・ブランは「マリオン・コティヤール」
強い酸味と豊かな旨味で可憐で芯のある一杯に
酸味がしっかりしていて旨味の強い品種。白い花やハチミツのような甘い香りも持ち、意志が強く逞たくましいけれども可憐なマリオンを想起させる。「白ワインながら赤ワインにも近い強さを感じるので、肉料理にも合いそうです」(ワイン輸入会社営業/齊藤誠也)
■主な産地:フランス・ロワール地方、南アフリカなど/合う料理:鶏肉や豚肉を使った料理。
4. リースリングは「キーラ・ナイトレイ」
甘美さとシャープな酸味。その両輪で人々を魅了
甘味と酸味のバランスが良い品種。しっかりとした酸の印象を持ちつつ熟成に従い複雑な味わいに変化するところは、涼やかさを携えながら年々円熟味を増すキーラにも通じる。「甘味がある分、塩気が多い料理にも合いますよ」(ワイン輸入会社営業/齊藤誠也)
■主な産地:フランス・アルザス地方、ドイツなど/合う料理:甲殻類の料理、タイ料理など。
5. 甲州は「シアーシャ・ローナン」
キリッとした酸で料理を軽やかに引き立たせる
キリッとしたほのかな酸が特徴で、飲みやすくて軽やかなワインに。どんな食事も邪魔しないシンプルさは、様々な作品に爽やかに溶け込むシアーシャのよう。「白ワインは通常、鉄分が多く生魚に合わないとされますが、甲州は鉄分が少なく刺身にも合います」(ワイン輸入会社営業/齊藤誠也)
■主な産地:日本など/合う料理:寿司、刺身、焼き魚など。
6. サヴァニャンは「アダム・ドライバー」
素朴な野性味と重みは熟すほどに豊かになる
ミネラル感と酸味、旨味が豊富で、素朴な野性味と貫禄を携えたアダムを彷彿とさせる重みのある味わい。長期で酸化熟成させたヴァン・ジョーヌという黄色ワインの原料にも。「熟成につれ紹興酒のような香りに」(酒屋店主、パラレルワーカー/飯田明)
■主な産地:フランス・ジュラ地方など/合う料理:モン・ドール(ジュラのチーズ)、コンテチーズなど。
7. デラウェアは「クロエ・グレース・モレッツ」
豊かな果実感が際立つチャーミングなワインに
生食用として一般的なラブルスカ系のブドウの一種で、アロマティックで華やかな果実感が特徴。チャーミングで華のあるクロエにも通じる。「食用ブドウに通ずる弾けた果実感がワインに反映されるので、ジューシーで生き生きとした香りを楽しめます」(医師/金由梨)
■主な産地:日本など/合う料理:チーズフォンデュ、川魚を使った料理。
8. ケヴェルツは「ペネロペ・クルス」
オリエンタルな華やかさで唯一無二の個性を確立
ライチのような華やかな香りとスパイスの香り、穏やかな酸が特徴的。ペネロペのオリエンタルで魅惑的なイメージにも合致する。「口に広がる香りとスパイシーな余韻が、エスニック料理に寄り添います」(医師/金由梨)
■主な産地:フランス・アルザス地方、ドイツなど/合う料理:カオマンガイ、薬膳スープなど。