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ハナコラボ日記/前田紀至子のいつかの旅のはなし 第10回 パスタとジェラートをとことん味わう!初夏のイタリア鉄道旅。
日々国内外を旅している前田紀至子による、週末旅から長期旅行まで淑女らしく旅を愉しむためのトラベルガイド。連載10回目は、各地のパスタやジェラートを味わい尽くす、鉄道&ユーレイルパスを利用したイタリア旅。さて、あなたはどこへ行きたい?
私が今月旅に出たのは、おいしいもの好きなら一度は訪れたい国、イタリア。
あらかじめイタリア通のお友達や、プレミアムパスタブランドの〈レガーロ〉 を販売している日本製粉さんにおすすめのお店を教えて貰い、やる気満々でイタリア旅スタート!
今回は、都市別に紹介してゆきたいと思います。
ローマ
生まれて初めてやって来たイタリア。まずはやっぱり首都から知っておきたい!ということで、向かったのはローマ。
ローマで食べるべき代表的なパスタは、カチョエペペとカルボナーラなのだそうですが、実は私、パスタの中でもカチョエペペが大好物。記念すべき最初の一食目はカチョエペペを目指し、〈イル・メルカート・チェントラーレ・ローマ〉というローマっ子御用達のフードコートへ。
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こちらは、ミシュラン二ツ星レストランのシェフがプロデュースするお店をはじめとして、フードコートという言葉を超えた、実におしゃれな雰囲気の施設。
そこでありついたのがこの一皿。カジュアルな佇まいながらも、さすが本場ローマのカチョエペペ。しっかりアルデンテな麺に絡む濃厚チーズと、がつんと効いた胡椒のバランスが堪らない!
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食後は、存分にローマ観光を。〈スペイン広場〉や、〈トレビの泉〉、〈コロッセオ〉など、どこもかしこも大混雑、大行列なので、行くと決めたら気合が必要。
個人的には人が多くない場所が好きなので、〈ヴィットリオ エマヌエーレ2世記念堂〉の展望台から街を見渡せたのが、心落ち着く素敵なひと時。
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翌日のランチには、日本製粉〈レガーロ〉によるおすすめの有名店〈ロショーリ〉のカルボナーラを。ローマいち、カルボナーラがおいしいと言われているだけあって、開店の前から店頭に行列が出来るほどの人気ぶりで、事前に予約しておいたのは大正解。
ローマらしいコシの強い麺と、卵とチーズの素材が際立つソースのバランスは未知の味わい。
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食後には、世界最小の独立国家バチカン市国へ移動して、絶品と名高いジェラートをデザートとして購入。タクシーに乗ればものの十五分で行けるのに、違う国家だなんて、なんだか新鮮な気分。
〈オールド・ブリッジ・ジェラテリア〉のジェラートは、あっさりクリーミーなタイプなので、たとえお腹がいっぱいでも軽いデザート感覚で食べられるはず。3つのフレーバーを選べるのも嬉しい。
チンクエテッレ
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翌日は朝一番の鉄道で、ユネスコの世界遺産にも登録されているチンクエテッレという5つの小さな村へ。
乗り放題の〈ユーレイルパス〉と、予約しておいた一等車両のお陰で、ゆったりとした気持ちで安心の電車移動。
〈ユーレイルパス〉は、自分でも手配することはできますが、ヨーロッパの鉄道は複雑なルールも多く、誤記入などで罰金を取られることもあるので、渡航前にしっかりポイントをレクチャーして貰える代理店で購入するのがベター。
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朝ごはんも食べずに鉄道に飛び乗ったので、バー車両でクロワッサンとオレンジジュースを購入してさっと朝食を取る予定が、一等車両はスナックやドリンクがサービスで付いてくるという嬉しい誤算。パンやお菓子を食べながらの、至れり尽くせりな移動も鉄道旅行の醍醐味。
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鉄道から見える車窓にはしゃいでいるうちに、気がつけば色鮮やかな愛らしい村に到着。カラフルで、お天気も良く暖かくて、何から何まで可愛い小さな村に大興奮!
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チンクエテッレにはたくさん猫がたくさんいるのか、おみやげ屋さんにも猫グッズがたくさん。五つの村のどこかに、こんなにも可愛い猫のタイルがあるので、訪れた際は探してみて。
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名産品であるレモンをモチーフにしたキュートなアイテムの数々。あれもこれもと目移りして、お買い物をする手が止まらない!
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柔らかなトーンの村に映えるレモンイエローは、お店のインテリアなどにも使われていて、この村で過ごすだけで元気になれそう。
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歩き疲れたら、もちろんジェラートも!三百七十段ほどの階段を登ってたどり着く村、コルニリアのバー、〈バー・ア・カヴェナ〉で食べたチョコレートとミルクのジェラートは気の利いた大人の味。観光客の中でもおしゃれな人が集っていたのが印象的。
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夕食は素朴で明るい雰囲気の村、ヴァルナッツァで。さりげないセンスの良さや村の人々の柔らかな気遣いがひときわ輝く、とびきりメロウな村がこちら。
レストランも、イタリア版海の家といった感じのお店が多く、その中から適当に繁盛しているレストランを選んで入ったところ、ムール貝も魚介のリゾットも抜群のおいしさ。この村のクオリティ、おそるべし。
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5つの村の中でも一番大きな村、リオマッジョーレはおみやげを買うにも一番おすすめ。
個人的にマストだと思ったのは、駅から出てすぐのところにある、こちらの場所。おとぎ話に出て来そうな建物を背景に、思い出になる一枚が撮れるはず。
フィレンツェ
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村を後にしたら、目指すはずっと行きたいと憧れていた都市フィレンツェ。目的はばっちり決めているので、どれだけこなせるかが腕の見せ所。
まずは、大好きな〈サンタ・マリア・ノヴェッラ〉のフィレンツェ本店で、お目当てのアイテムを購入。ずっと使ってみたかったバスソルトと、新たに発売されたというバスオイルの「ノッテ」という香りのものをすかさずゲット。こちらの香りは、甘美さとスパイシーさのバランスに一目惚れならぬ一嗅惚れしたこともあって、結局三本購入することに。日本だと銀座店と丸の内店限定で販売されているのだとか。
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老舗カフェ〈カフェ・ジッリ〉でランチも忘れずに。荘厳でロマンティックな佇まいにうっとりしながらも、カフェメニューのおいしさにもうっとり。テラスで食べるブッラータとチェリートマトは格別で、最高の昼下がりになること間違いなし。
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食後はやっぱり、ジェラート。
フィレンツェでは〈ペルケノ!〉というお店のジェラートを。チョコミントとストロベリームースの二種類をオーダーしたところ、なんともファンシーなカラーリングに思わずにっこり。空気をたっぷりと含んだ、甘すぎないジェラートは、毎食後に食べたいくらい絶品。
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絶対に訪れたかったスポットの一つが、今年一月にオープンしたばかりの〈グッチ ガーデン〉。メルカンツィア宮殿内(旧グッチミュゼオ)のこの空間は、アレッサンドロ・ミケーレによってデザインされたもの。
ファッション批評家のマリア・ルイーザ・フリーザがキュレーターを務めるギャラリーや、ミシュラン三つ星シェフのマッシモ・ボットゥーラによるレストランは、フィレンツェに来てよかった!と感激せずにはいられない素晴らしさ。
せっかく来たなら買わなきゃ損した気分になるかもしれないノートやトートバッグなどは€20〜€50で買えるので旅の思い出にもぴったり。思い切ってグッチ ガーデン限定の靴やアパレルを買うのも素敵。
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ディナーは、色々なお友達に「フィレンツェに行くなら一度は食べた方が良い」とおすすめして頂いた〈ブーカ・マリオ〉で、至高のからすみパスタと名高いスパゲティ ボッタルガを。軽やかなクリームソースにからすみを絡めて頂くこのパスタ、「人生で食べたパスタの中で一番かも?」と感動するほどのクオリティ。これぞ、毎日でも食べたくなるパスタ。
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前菜にパスタに、お肉。感激続きの〈ブーカ・マリオ〉は、デザートまでパーフェクト。カートに乗って運ばれてくるティラミスやプリン、タルトはつい欲張って全種類食べたくなる!
ボローニャ
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翌日は「とびきりのおいしい」を探す一日として、ボローニャへ。ボローニャはフィレンツェから電車で三十分ということもあり、気軽に足を延ばせるのが魅力。食材屋さんもたくさんあるので、早々にホテルで食べるためのハムやチーズをゲット!お店のおじさんとコミュニケーションを取るのも、旅の醍醐味のひとつ。
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ボローニャといえば、やっぱりボロネーゼ。こちらでも日本製粉の〈レガーロ〉に教えていただいた〈ドロゲリア・デラ・ロッサ〉というボロネーゼの有名店を狙い撃ち。
完璧に茹で上げられた幅広麺と口内にふんわりと広がるジューシーなお肉の風味は、本場ならでは。
ボローニャーのレストランは二十時半開店のお店が多く、終電までに食べるとなると慌ただしくなる可能性もあるので、ランチの時間に訪れるのも手。
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帰りは、フェラーリ特急とも呼ばれる〈イタロ〉を利用。フェラーリのデザインも手がけるジョルジェット・フェジャーロや、ステファロ・ボエリによる内装、フラウレザーを使用したシートなど、イタリアの粋を体感できるスペシャルな鉄道は、滞在中に一度乗ってみたいところ。
ミラノ
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最高だったフィレンツェとの別れを惜しみつつ、向かうはミラノ。フィレンツェ〜ミラノ間は、2015年から導入されたフレッチャロッサの最高級クラス、エグゼクティブクラスでの移動。一車両あたり十席ほどの広々とした座席や、乗車までの時間に利用できるラウンジなど、鉄道旅がますます好きになる、極上体験。
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今回の旅のラストディナーは、サルデーニャ料理の人気レストラン〈バイアキア〉で。
オーダーしたのは、またもやボッタルガ。こちらは、全体的に日本人によく合う味付けで、年配の人と来ても気に入っていただけそう。和気藹々とした雰囲気もあいまって、楽しいディナーになること請け合い。
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ホテルに戻る前に寄り道をして、1947年創業のジェラートのキオスク、〈ジェラテリア・サルトーリ〉でデザート代わりのジェラートを食べるのも、ミラノ滞在をより一層楽しむためのお約束。
創業当時から変わらないというフレーバーの中から、私はズッパ イングレーゼをチョイス。旅疲れした体に染み渡る、シロップとリキュールの風味は唯一無二のおいしさ。
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翌日は、ミラノでの目的と言っても過言ではない〈フォンダシォン・プラダ〉で、レム・コールハース率いるOMAによる建築や、アートの数々を堪能。隅々までパーフェクトな美意識は、この旅で一番の刺激に。
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ジェフ・クーンズやダミアン・ハーストをはじめとして様々なアーティストによる作品がぎゅっと詰まった施設は、大混雑にも納得。
早めの時間帯に行けばゆっくりと鑑賞できるので、早起きして行くのがベター。
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アートを思う存分鑑賞した後は、ウェス・アンダーソンによるカフェ、〈バー・ルーチェ〉で一息。
内装からメニュー、ウェイターにいたるまで、ウェス・アンダーソンの世界観で作り上げられているカフェは、まるで自分が映画の登場人物になったかのような錯覚を覚えるほどの完成度。
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メニューのライナップには、当然のごとくジェラートもお目見え。暑い日にぴったりなレモンとストロベリーの組み合わせは、とびきりフォトジェニックなビジュアル。今までに食べたどのジェラテリアよりも品の良い一品。
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イタリアのジェラテリアでは、オーダーすると生クリームをトッピングしてくれるお店もあるので、生クリーム好きなら確認してみるのも良いかも。
ローマ、チンクエテッレ、フィレンツェ、ボローニャ、ミラノと、イタリアの様々な都市を巡った一週間。それぞれが見せる、異なった表情に心惹かれて、イタリアという国の素晴らしさに酔いしれるばかりでした。
鉄道を駆使することで、一度の旅でも色々な場所を訪れることができるからこそ、ユーレイルパスを上手に使うのが、ヨーロッパ旅をより一層楽しむ秘訣のような気がします。
今回の旅の場所:イタリア
今回の旅の場所:イタリア
成田空港から〈トルコ航空〉で乗り継ぎをしてフィウミチーノに到着したら、〈欧州エキスプレス〉で手配した〈ユーレイルパス〉をフル活用して、ローマ→チンクエテッレ→フィレンツェ→ボローニャ→ミラノとそれぞれの街へ。パスタとジェラートを満喫する、初夏のイタリア鉄道旅。