パワースポットを巡って30年!植島啓司さんの「圧倒的聖地」。
知る人ぞ知る「隣のガチ聖地」
LEARN 2023.01.24
はるか昔から広く崇敬され、今や海外からも注目される著名な祈りの場。しかし、そのお膝元や近場をつぶさに見ると、スルーしてしまうにはもったいない、力ある神社仏閣が存在する。植島さんが推す、もう一つの聖地とは?
1. 日光に行くなら 日光二荒山神社別宮瀧尾神社【栃木】
日光東照宮造営の遥か昔、弘法大師が平安時代初期に開いた聖域。日光修験の始まりの地とされ、御祭神の田心姫命(たごりひめのみこと)は男体山の神の妃にして水の神。
「結界を越えた途端、空気が変わる。かつての禊場だった滝もあり神域は豊かな水の気配に満ちています」
2. 出雲に行くなら 命主社【島根】
大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を幾度もの危難から護った神皇産霊神(かみむすびのかみ)を祀る。神の御座所とされた巨岩を背に鎮座。社殿裏手の真名井遺跡からは銅戈(どうか)と勾玉(まがたま)が発見された。
「樹齢1,000年とされるムクノキが目印。好きな場所です」
3. 伊勢に行くなら 瀧原宮【三重】
伊勢の皇大神宮(内宮)の別宮で、熊野古道 伊勢路の道中に鎮座。元伊勢とも伝えられ、古くから「遙宮(とおのみや)」として崇敬を集めてきた。
「数ある別宮の中でも奥深い魅力にあふれたところ」
4. 熊野に行くなら 大馬神社の清滝【三重】
花の窟、産田神社に次ぐ熊野屈指の古社。地中に鬼の首を埋めたという社殿の奥に位置するのが清滝。落差30m、2段の滝が流れ落ち、水しぶきが周囲を潤す。
「神域いっぱいに滝の音が響き渡り、目を閉じると水の中にいるような錯覚に陥ります。大きな水害が起きても、この場所は変わらない。力のある場です」
5. 京都に行くなら 常照皇寺【京都】
660年の歴史を刻む光厳法皇ゆかりの禅刹。
「澁澤龍彦も愛した寺。洛中から遠く公共交通機関も限られ、冬は道路状況も厳しい。簡単には辿り着けませんが、それを凌駕する魅力がある。周囲の自然を取り込んだ寺域の空気に心が鎮まります」