憧れは、バレリーナのような美しさ。 『ロミオとジュリエット』の舞台裏に潜入!金子仁美振付作品も。【バレリーナ金子仁美のきれいなカラダのつくり方】
バレリーナ金子仁美さんが、ベールに包まれたバレリーナの生活と、日常でできる簡単ストレッチやトレーニングをご紹介します。第26回は特別編!先日、無事に公演が終了した舞台『ロミオとジュリエット』の裏側をリポートします。
『ロミオとジュリエット』の舞台裏を公開
こんにちは。みなさん、GWはどのように過ごされていましたか?〈東京文化会館〉では『上野の森バレエホリデイ2022』が開催され、会場の中も外もバレエに関連するイベントがたくさん!今回はその中でもメインとなる、大ホールで上演された〈東京バレエ団〉初演となる、ジョン・クランコ版『ロミオとジュリエット』の舞台裏についてご紹介します。
物語を知っている方はたくさんいらっしゃると思いますが、バレエ作品でもとても人気があり、偉大な振付家たちが色々なバージョンの『ロミオとジュリエット』をこの世に残しています。なんといってもプロコフィエフの音楽は聴いているだけで心が震えるほど感動します。〈東京バレエ団〉が上演したクランコ版は、セットも衣装も振付もどれも無駄のないシンプルかつ魅力的な作品。幕開きから舞台に立つ一人一人がその場で、その時代でしっかり生きていて、自然な人間の様子を踊りと演技で表現しています。中でも、主役の2人が踊るシーンはどこをとっても無駄がなく美しく、出会い、喜び、愛し合い、結婚、別れ、苦しみ、死ぬ…と心情を細かくうつし、音楽にのせることで、さらに感動的に。見ている人は胸を打たれます。
大好きな作品なので魅力を語り出したら止まりません。私は1幕で街人、3幕で百合の乙女たちを踊らせていただきました。ジュリエットの結婚式のためのブライズメイドのような存在です。全幕を通して多くのダンサーが舞台に立ち、衣装チェンジが多い役や、ヘアセットが大変な役もあります。
今回の舞台装置、小道具、衣装などは全てオーストラリアのバレエ団からお借りしたもの。廊下にはたくさんの帽子やら小道具が並べられていました。間違えたりしないようにスタッフお手製の棚も。衣装は全部で203着!準備は本当に大変です。毎回ですが、スタッフさんには本当に感謝しかありません。
3日間の舞台は全日満席のお客様で会場を包んでくださり、無事に幕を閉じました。ありがたいことに再演を求める声を多く耳にしました。私も近い将来、再演されることを願います。素晴らしく、美しい作品をさらに多くの方に見ていただきたい、触れていただきたいと思います。
金子仁美の振付作品『Daydream』も上演!
バレエホリデイではたくさんのイベントが開催されましたが、その中でも小ホールで行われたダンス&クリエーションで、新作を発表。『ロミオとジュリエット』の本番後30分で3人のダンサーが準備してくださり、私が振付した作品を踊ってくれました。
題名は『Daydream』で、ダンサーは加藤くるみ、髙浦由美子、上田実歩。3体のマネキンが動き出す…そんな発想から生まれた作品です。音楽は誰もが知っている曲がよくて、どこかお人形の動きもはまるところがあるなぁということで『トルコ行進曲』にしました。こちらの会場にも多くのお客様が来てくださり、あたたかい拍手をくださいました。ありがとうございました!
次回、〈東京バレエ団〉では6月に『ドン・キホーテ』を上演します。この記事がアップされる頃には、リハーサルの真っ最中。ぜひ〈東京文化会館〉にお越しいただき、一緒にスペインの太陽を浴びながら盛り上がりましょう。以上、金子仁美でした。また来月、お会いしましょう!