花井悠希の朝パン日誌 欲を言えば並ばずして巡りたい!パンラヴァーがすすめる神戸の人気パン屋5選
神戸と聞くと血が騒ぐのはパン好きの証?喜びと共に使命感をメラメラさせながら上陸しましたよ、パンの街・神戸。今回は〈PANORMO〉の展示会で行ってきたので、合間に並ばずしておいしいパンが買えるというのも大切なセレクションポイント。2泊3日の仕事の合間に駆け足で巡ってきたとっておきのパン屋さん5軒をお送りします。順を追って臨場感たっぷりにお届けするので、お付き合いくだいませ!
4.パンブランチもいただけるかわいいケーキ屋さん…〈CAKE STAND〉
あっという間に最終日の朝です。〈CAKE STAND〉さんは北野坂にあるので異人館巡りとセットで立ち寄るのもおすすめ。外観も内装もとってもかわいくて、異人館巡りのムードのまま夢を見させてくれます。
買ってすぐにガブリ。パリパリと歯切れの良いクロワッサン生地です。こんもりと盛り上がり膨らんだルックスからもいかに空気を孕んでいるか伝わってきます。
見るからに立派な太いソーセージは“プリンッ”“ばりんっ”と食欲を刺激する音をたて皮が弾けると、目視で確認できるほどまとまった脂がじゅわっと吹き出し、一瞬の隙に口内は想像以上の肉肉しさと旨みと塩味に包まれます。洋菓子屋さんでこんなにワイルドな味わいに出会えるなんて予想していなかったよ。端正な顔したクロワッサンと一緒になることによっておめかしされているけど、これはきっと男子も大喜びなやつです。
持って帰り、翌朝に東京で。なんて爽快なクロワッサンなのでしょう。サクサク、シャリシャリと崩れる音が軽やかに響き、この美しいルックスを私の手によって壊している背徳感も加わって、胸がいっぱいです。バターの香りも味わいも感じられるのに、べたつきが全くありません。翌日なのにこんなにも油っぽさがないなんて。この子から思い浮かぶ映像は、颯爽と走り抜けていく自転車。春の風のようなクロワッサンです。
5.小径の先にあるパンの館…〈サマーシュ〉
〈CAKE STAND〉から歩ける距離にある〈サマーシュ〉。神戸のパンといったら一度は行きたかったお店なのです。こちらも店構えが素敵でお庭にあるテラス席もとてもいい雰囲気。
持ち上げるとどっしり重い。ブリオッシュの生地はほわほわです。あんぱんではなかなか出会えないようなふくよかな膨らみが口に優しく触れてきます。
そこに喝をいれるように(!?)主張するのは豆まめしいあんこ。たい焼きのつぶあんみたいに粒がたった小豆感、豆らしいざらっとした質感も露わで、ぎゅうぎゅうに詰まっています。ふくよかさな柔らかさとのギャップにハッとするあんぱんです。
カリカリの外側と内側のふかふかさ。その輪郭はくっきりしています。米粉だからかむぎゅっと目の詰まった生地なのにふかふかで、まるで高級ベッドの心地。甘さがほぼない生地なので、あんこ添えは大正解。塩バターのしょっぱさとあんこにきめ細やかな生地は合わないわけがありません。小さいサイズ感なので、ベストパートナーを探すべく色々試すのが楽しい。
今回は効率よくたくさん巡りたい欲張りさんにおくる、駆け足アドレスをお届けしました。今度は、じっくり味わうゆったり神戸編といいかも?乞うご期待!?