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ブーケを長く楽しむひと手間【vol.1 】 花束を買ったらするべき“7つの基本”。フラワースタイリスト・平井かずみさんが伝授!
カラフルな花々や生命力を感じるグリーンが家にあるだけで、気分が全然、違う。花を自由に生けて飾ったり、家庭菜園でハーブや野菜を育てたり。植物のある暮らし、はじめてみたい。ブーケをそのまま、花瓶にポンッと挿しておしまいではもったいない!そこで今回は、フラワースタイリストの平井かずみさんに花を楽しむひと手間を教えていただきました。今回は4月28日(水)発売 Hanako1196号「自分を高める、学びの教科書。」よりお届けします。
1.紙に包んで水揚げをし、2時間ほど休ませる。

洗面器に水を張り、茎や枝を水切りする。水に浸りそうな下葉は取り除いておく。太い枝は、根元に一文字か十文字の切り込みを入れ、皮を3㎝程度削いでおく。葉に霧吹きをして紙で包んだら、水を入れた深めのバケツに立てて浸し、2時間ほど置く。「紙で包むと保湿され、吸水を助けます。花が多い場合は、蒸れないように分けましょう」(平井さん、以下同)

水切りのやり方。
■用意するもの
洗面器/バケツ/花ばさみ/新聞紙(布や紙などでも)/霧吹き
水中で茎の先から3cm程度を斜めにカットする。切れ味のいい花ばさみを使うと、切り口がきれいになり、吸水がよくなる。
2. 1本1本ていねいに下葉の処理をする。

次に、1本ずつ下処理を施していく。葉は、上から1〜2段を残して取り除く。葉が水に浸ると雑菌が発生し、茎が腐ったり、水が汚れる原因に。また、花を生ける前にもう一度水切りを。切り口は必ず斜めにカットして。断面を広くすることで、吸水性が高まる。
3.花の元気を取り戻す、ひと手間を知ろう。

花が弱っていると感じたら、湯揚げや焼揚げを試して。切り口から5cmを残して紙でぴったりと包み、花に熱が当たらないようにするのがポイント。水に浸したあとは、2時間程度そのまま休ませましょう。
湯揚げの仕方。
耐熱容器に熱湯を入れ、茎の切り口1cmほどを約20秒浸し、すぐに水に浸す。びっくりして、深呼吸をするように水を吸う。
焼揚げの仕方。
ガスコンロに茎の先をかざして真っ黒になるまで焼き、すぐに水に浸す。アジサイやバラなど固い茎に適している。
4.茎や水の状態がわかるガラスの花器に生ける。

ボリュームのある枝やブーケを生けるときは、口が広すぎず、高さのある花器がおすすめ。「ガラスの花器は水の濁りがよく見えるので、お手入れのタイミングがわかりやすい」
5.バランスよく見せる花器との黄金比。

【花の生け方】
花器と花の高さは、1対1がベスト。茎の歪みを生かせば、動きのある仕上がりに。「花はかわいいから、どう生けても様になる(笑)。花の自然な曲がり方を活かしてみて」
【枝の生け方】
花よりも長持ちする枝ものは、ボリュームがあるものが多く、1本でも存在感あり。花器と枝は1対1・5(葉が少ない場合は1・2)で生けるとバランスよく決まる。
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枝向きの花器とは?
枝ものは、口が狭い花器のほうが生けやすく、形も決まりやすい。枝の重さを支えられる、どっしりとしたものを選んで。
6.水替えと切り口のカットはセットで。
水替えと茎の切り口のカットは毎日セットで行いましょう。いつも新鮮な切り口を保つことで、水の吸い上げがよくなり、雑菌の繁殖もおさえられる。「花器に入れる水の量は、半分程度が適量ですが、花の量によって調節を。水が多すぎると茎が腐ってしまうので注意して」
7.弱った花も捨てないで!最後まで楽しむ。
毎日の水替えのときに花の状態をチェックして、弱った花は次のステージへ。茎をカットして水に浮かべれば、もう数日楽しめる。花が散る前なら、逆さに吊るしてドライフラワーにしても。「ドライフラワーは、固い蕾つぼみよりも開いた状態からのほうがきれいに作れますよ」
Navigator…フラワースタイリスト・平井かずみ(ひらい・かずみ)
草花を身近に感じられる「日常花」を提案。花の教室のほか、雑誌やテレビで活躍。