お医者さんに聞いてみました。 ウイルスに負けない体をつくる!お医者さんに聞いた「免疫力を高める習慣」5選。
ウイルスに負けない体をつくるためには、免疫力を高めることが第一。すこやかな体づくりのための秘訣を聞いてみました。2020年11月10日発売「免疫力アップBOOK」よりお届け。
Q1.「免疫力を養うには、どうすればいいですか?」
A.「良質な食事と睡眠が免疫力向上のカギです。」
新型コロナやインフルエンザといったあらゆる病原菌から体を守るには、体の防御システムである、免疫力を気にかける生活を心がけることが大切。健康関連の著書を多数執筆している東京〈イシハラクリニック〉の石原新菜先生に、すぐ実践できる5つの方法を聞いてみた。
「免疫力は20歳を超えると徐々に低下するといわれていますが、食事や睡眠をきちんととることで、体のバリア機能を高めることができます。偏った食生活や強いストレスは免疫力低下につながるので、極力避けたいもの。適度な運動や漢方を生活に取り入れるのも免疫力向上のために欠かせません」と石原先生。
健康的な体にはバランスのとれた食事が不可欠だが、なかでも味噌や納豆といった発酵食品は「日常的に摂取したい食べ物のひとつ」。さらに、7時間以上の睡眠をとり、体温を高めることで免疫力がアップし、アレルギー症状が緩和されたり、風邪をひきにくい体質になるという。「規則的な生活サイクルを守ることは大切ですが、無理をせずに自分のペースでできることから。免疫力を高めることで体だけではなく、心もすこやかになります」5つのアドバイスを参考に、免疫力の高い体を目指そう。
1.発酵商品と食物繊維をたっぷり摂る。
バランスのとれた食生活を心がけ、発酵食品と食物繊維を積極的に摂取することで免疫力がアップ。「発酵食品のなかでも味噌と納豆は日本が誇るスーパーフード。野菜やきのこに多く含まれる食物繊維とともに取り入れることで、不調知らずの体に近づきます。乳がんになりにくいともいわれるので毎日の味噌汁がおすすめ」
2.湯船にしっかりつかってめぐりのいい体に。
忙しいとついシャワーですませてしまいがちだけど、心身をリラックスさせて免疫力を向上させるためには、日々の“温活”が大切。「湯船にゆっくりつかることで血行がよくなり、冷え性の改善にもつながります。細かい気泡が全身の新陳代謝を促してくれる炭酸系の入浴剤を入れれば、気分もリフレッシュできるはず」
3.日常に適度な運動を取り入れよう。
家にこもりがちな寒い季節は、自宅でもできる方法で運動不足を解消。「定期的に体を動かすことがストレス解消や免疫力アップにつながります。スクワットやもも上げなど、大きい筋肉を鍛える運動は代謝アップにも効果的。過度な運動はかえって体に負担をかけてしまうことも。続けることが大切なので、無理は禁物です」
4.睡眠時間はできるだけ7時間以上をキープ。
良質な睡眠こそが免疫力を向上させ、ストレスフリーな体に導くカギ。「睡眠時間が5時間未満の人は7時間以上の人に比べて4.3倍も風邪をひきやすくなるといわれています。体のコンディションを整え、免疫力を強化するためにもできるだけよく眠るように心がけたいもの。リラックスできるように睡眠環境を整えるのも大切」
5.心身をすこやかにする漢方ライフを始めよう。
予防医学の考えに基づいた漢方は、上手に取り入れることで心身を元気に。「漢方の選び方がわからないという質問をいただきますが、不調時だけではなく、体内のバランスを正常に保つという面でも漢方パワーは有効です。生理痛や肌荒れなど悩みがあれば漢方医に相談をしてみて。自分と相性のいい漢方は心のお守りにもなります」
Navigator…石原新菜(いしはら・にいな)
医師。〈イシハラクリニック〉の副院長として診療をする傍ら、テレビや雑誌などメディアにも出演。漢方医の資格も持つ。
(Hanako WELLNESS免疫力アップBOOK掲載/photo : Natsumi Kakuto illustration : Manako Kuroneko text : Keiko Kodera)