本山順子の迷子のお守り〜お寺と神社、お散歩アラカルト〜 「ミシュラン・グリーンガイド」三ツ星の鎌倉〈報国寺〉を参拝。四季折々の美しい風景にうっとり。

LEARN 2020.07.04

モデル・本山順子が神社仏閣、教会や寺院を国内外問わずご紹介する本連載。第52回目は神奈川県鎌倉市に街詣で。Hanako7月号の誌面でもご紹介されていた、別名「竹寺」とも呼ばれる〈報国寺〉にお邪魔してまいりました。”竹の庭”をはじめ、隅々まで手入れの行き届いた庭園は必見です!それでは早速!詣でましょ〜う!

鎌倉 報国寺

「ミシュラン・グリーンガイド」で三ツ星と評される〈報国寺〉は、入り口の山門「薬医門」からチョキチョキと庭師さんのハサミの音が聴こえ、なんとも涼しげ。なだらかな参道へと続きます。

鎌倉 報国寺

山門をくぐると、立派にむした苔のじゅうたんに青々とした緑が美しい中庭が。参拝者で賑わっていても不思議と落ち着いた静寂さがあり、一気に心がほどかれていくのがわかります。左手にはお釈迦様が穏やかな表情で見守られておられました。

本堂へご挨拶を。〈報国寺〉は仏乗禅師が開山され、御本尊は釈迦如来様。開基は足利尊氏の祖父にあたる足利家時ですが上杉重兼も創設に関わっており、両家の菩提寺とされています。見所を迎えたミツバツツジが本堂にそっと彩りを添え、なんとも渋くてかっこいい佇まい…!

鎌倉 報国寺

本堂向かって左手には茅葺の鐘楼があるのですが、その鐘楼を見下ろすように立つ大イチョウはなんと樹齢300年以上なのだとか!秋には鐘楼の茅葺の屋根を黄色に染め、また違った表情を見せるのでしょうね〜。

鎌倉 報国寺

受付で御朱印帳を預け、拝観券を納めていよいよ「竹の庭」へ!こちらであらかじめ抹茶券を購入しておくと中の茶席で一服楽しめますよ〜!

鎌倉 報国寺

風が吹き抜けるたびに笹の葉がさらさらと囁き、時折竹同士がぶつかり合い乾いた音を響かせます。木漏れ日がキラキラと降り注ぎ、あたり一面がグリーンに輝いて、思わず大きく深呼吸。心身が一気に軽くなるのを感じます。

鎌倉 報国寺

竹林の小道を進んでいくと、永享の乱で足利家時と足利義久が自刀された足利一族の墓(やぐら)が見えてきます。義久がわずか10歳のことだったのだそう。平地の少ない鎌倉特有の墳墓で、岩肌をくりぬいて造られた横穴式墳墓。

鎌倉 報国寺

天岸の岩から流れるせせらぎに導かれ、たどり着いたのは凛!と美しい枯山水。緑緑しい紅葉に南天、レンギョウなどの四季折々の花との調和が素晴らしいの一言です。どこを撮っても絵になり、写真で切り取って持ち帰るのが楽しくなります。

鎌倉 報国寺

孟宗竹林や中庭の花々を存分に楽しんだ後は、〈休耕庵〉で一服。特等席で竹林を眺めながらお抹茶と干菓子をゆるりといただく。なんとも贅沢で心に染みるようなひと時を過ごさせていただきました。

心を解きほどくように優しく迎えてくださり、静寂さの後に凛!と背中を押してくださるような〈報国寺〉。すっかり心洗われました。枝垂れ梅、オオデマリ、椿、セッコクなど、どんな季節に訪れてもいろんな表情で出迎えてくださるのだろうと次の季節も待ち遠しくなるようないい参拝ができました。それでは皆様も良いお参りを〜!

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