フォトグラファーから美容部員まで。 好きなことを「副業」で叶える!本業と両立を叶えた女性たち3人の本音インタビュー。

LEARN 2020.04.20

働き方改革で脚光を浴びている、“副業”。収入アップが見込めるのはもちろん、キャリアアップにつながることも。ただ、興味はあるんだけど、何をすればいいのかわからない……なんて人も多いはず。そこで、副業をエンジョイしている女性たちにインタビューしてきました。この記事をヒントにして、副業を始めてみませんか。

本業は研究員、副業はフォトグラファー。舘野愛さん

“週末フォトグラファー”こと舘野愛さんは、多数のクライアントを抱えている人気写真家のひとり。ところが写真の仕事は副業で、本業は研究員だといいます。
「平日は都内の病院で博士研究員としてフルで働き、週末や平日の夜八時以降に、写真の仕事をしています。週に1度はイベントに撮影で呼ばれたり、商品撮影の仕事が入っています。そして、2カ月に1回は旅の撮影の仕事にも出向いています。去年だけでも韓国、ニューヨーク、ハワイに行きましたね」。

■写真の副業はいつから始めましたか?
「写真を始めたのは22歳頃なのですが、4年前から仕事をもらえるようになりました。きっかけはインスタグラムです。〈インスタグラム〉が公式ユーザーとしてフォローしてくれて、気づいたらフォロワーが5万人くらいになっていたんです。そしたら突然、フランスの〈モエ・エ・シャンドン〉から『ドン・ぺリニヨンを撮ってほしい』とダイレクトメッセージが来たんです。そこから英語で送り直してもらって、私の作品を5枚提出したら、ドルで給料が振り込まれて(笑)。作品はドン・ぺリニヨンのサイトに掲載されました」

■副業の収入はいかがでしょう?
「助かっていますね。インスタグラムの仕事であれば、1枚につき報酬が入ってくるので、毎週アップするといいお小遣いにはなります。あとは、〈キャノン〉の「EOS学園」の講師にもなっています。私のような写真はどうやってとるのかのレクチャーをしていく予定で、これからはそういったお仕事にも力を入れていきたいです」

■副業をしてから変わったことはありますか?
「時間の使い方が上手になったと思います。本業しかやっていなかった時期があったのですが、その時はとりあえず長く研究室にいたほうがいいと思っていたんです。結婚してからは、それではいけないと思って。プライベートな時間や家でほっとする時間も必要だなと思ったんです。そこからは研究室を7時に出るようにしたんです。そのあとは家で写真の仕事をしたりとか。いまのほうが忙しいけれども、ストレスがなくなりましたね」

舘野愛さん

■最後にこれから副業を始める女性に向けて、アドバイスはありますか?
「まわりの働く仲間に理解してもらうことが重要です。現状にたどり着くまでには長い年月が必要でした。ちゃんと結果を出せているからこそ、応援してもらえているのはありますね。自分にとって居心地の良い職場にするというのが、副業をする人にとっては重要なんだと思いますね」

「あとは、ある程度の器用さと楽観する姿勢が必要だと思います。『絶対に本業をしっかりとやらないといけない』っていう人は副業は難しいんじゃないかな。全部全力でやっているつもりですけど、後でやれることは後でやったりしていますし。取捨選択をして仕事をすることも大切だと思います」

(edit:yuma tsujino text:osamu sasaki)

本業は会社員、副業は刺繍アーティスト。木原円さん

ポップでガーリーな刺繍のアイテムを手掛ける、刺繍アーティストの木原円さん。そんな彼女は、平日は保険代理店の事務員として働いていて、刺繍が副業だと言います。さらに、月に1度はおでん専門店〈おでん学園〉の店主として勤めているとのこと。

■刺繍のTシャツなどを売り始めたのはいつからですか?
「2年半ほど前にスタートしました。『欲しい』と思えるデザインのTシャツがなくて、自分のために刺繍をしたTシャツを作ったんです。
それをインスタグラムに載せ始めたら、人気が出て販売に至りました。一番人気があるのはTシャツで、次はトートバッグです!」

■刺繍の収入はどれくらいですか?
「月によってバラバラですが、頑張った月は20万円ほど売り上げたことも!本業のお給料とは差がありますが、かなりプラスになっていましたね。
もし刺繍が本業だったら、人気のTシャツを作り続けてもっと稼げたとは思いますが、私の性格上、同じものを作り続けるのは飽きてしまうんです。だから、副業で今みたいに自由気ままに作りたいものを作るというのが合っているんだと思います」

■本業の会社の理解はありますか?
「すごくあります。会社の規模はそれほど大きくはなくて、副業についてもOK。社長が、もうひとつの副業である〈おでん学園〉にも遊びにきてくれたりしますよ。この仕事は、友達の紹介でたまたま始めたんですが、いろいろな人に会えるし、お酒も飲めるので楽しいですよ!」

木原円さん

■時間の管理はどうされていますか?
「刺繍をどこの時間で入れるかが大事ですね。刺繍ってどこでもできるからこそ、ちゃんと取り組む時間を決めておかないといけないです。「この日は休憩中にする」とか決めておく。
じゃないと時間を無駄にしちゃうと思うんです。副業をする人は、「この日は何する」っていうのをすごく細かく決めておいたほうがいいと思います」

■これから副業をする方へ、アドバイスをお願いします。
「本業に支障が出るのはよくないと思います。本業と副業をきちんと分けられるようにした方がいいかと。本業と副業があまり近い仕事だと、気分転換にならないし楽しくないから疲れてしまうと思います。本業があんまり自分の好きなことじゃない人はとくに。逆に、本業がすごく好きな人は、生活のために副業をお金目当てにしてもいいかもしれないですね」

(edit:yuma tsujino text:osamu sasaki)

本業は人材サービス会社のマネージャー、副業は美容部員。藤田祥子さん

本業は人材サービス会社〈ビースタイル〉のマネージャーを務め、副業で美容部員もしている藤田祥子さん。「本業では、企業からニーズを聞き出し、それにマッチするスタッフをご提案しています。その仕事とともに、1年ほど前から美容部員としても働いているんです」。藤田さんは、以前美容部員として働いていた経験があり、それを活かして副業を謳歌しているそう。

藤田祥子さん

■月にどれくらい美容部員として働いていますか?
「アルバイトの契約で入っていまして、月に2回程度、路面店で働いています。おもな業務は商品の販売と、来店されたお客様のメイクアップです。それほど忙しい店舗ではなく、1日で3人程度はメイクしていますね。収入でいうと月に2〜3万円程度なので、お金のためというよりかは“人の肌にふれてメイクする”楽しさのために副業をやっています」

■副業のきっかけは?
「学生の時からメイクが好きで。メイクアップの専門学校にいって美容部員を辞めてからも、“美容”にはずっと携わり続けたかったんです。ただ、本業とのバランスがなかなかとれずに諦めていました。そんな時に、取引先で『メイクできる人を探しているんです』というご依頼を頂きまして、『私でもできますか?』っていう相談から入ったんです。月に2回でも人の肌にふれる機会をもらえるのは本当にありがたいですね」

■副業の魅力はどんなところにありますか?
「メイクをさせてもらえる楽しさもあるのですが、副業が“アウトプットを試す”場にもなっていますね。たとえば私は結構数字が好きなので、副業の方でも売り上げが気になるんですよ。『いま売り上げがどれくらいで、目標に行くまでには来店数をどれくらい増やさないといけない』と私は考えがち。その一方で、床のシミや店内をずっと綺麗に掃除している同僚とかもいる。そういう同僚の方が売り上げを立てていたりするんです。副業では環境が変わってリセットされるので、本業で気がつかなかったことに気づけるんです」

■これから副業を始める女性に向けて、アドバイスはありますか?
「副業をすることに、はっきりとしたメリットを感じられなければやらない方がいいですね。どうしても時間的にも体力的にも負担にはなってしまいます。休日はつぶれるし、プライベートな時間が減ることは間違いないです。
大きなメリットを感じられるからこそ、副業は続けられるんだと思います。義務感で続けてしまうと、仕事のバランスが崩れてしまうので注意が必要ですね。あとは時間管理も大切。平日は本業、休日は副業に専念する。そういった時間管理さえできていれば、それほど負担にはならないんじゃないかな」

(edit:yuma tsujino text:osamu sasaki)

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