フレンチヴィンテージが揃い、まるでパリの蚤の市。 一点ものを求めて。【東京駅イーストエリア】にある注目ヨーロッパ古着屋&アンティークショップへ。
文化を感じる骨董品店やギャラリーが点在する東京駅イーストエリア。雑居ビル最上階の古着店や、週4日だけ営業する古道具店など、異次元に迷い込み、懐かしさと寄り添う時間を楽しんで。
〈Mindbenders&Classics〉宝さがし感覚で訪ねたい、レトロビル屋上にある古着店。/京橋
京橋の古い雑居ビルの手動式エレベーターで昇ると、いきなりパリの蚤の市のような空間が広がる。19世紀から20世紀初頭のフランスの日常着を扱う〈Mindbenders&Classics〉では破れた穴や継ぎはぎもデザインの一部。絵の具のついた画家の服や油のついた作業着が並び、中には100年間誰も袖を通すことのなかったデッドストックも。
人はそれを手に取りその時代に思いを馳せる。今ではオンラインで望みのヴィンテージが探せるようになったが、一点ものだけに一期一会。自分だけの一着を求めて東京駅イーストエリア(EATS)へコレクターが足繁く通う。
〈Mindbenders&Classics〉
雑居ビルの最上階の建物とテントが店舗。1930~40年代に着られていた日常着、作業着などのフレンチヴィンテージがそろう。
■東京都中央区京橋2-6-8 仲通りビル6F
■03-3564-1270
■14:00~20:00 不定休
〈MAREBITO〉懐かしい風合いを日常に。心ほどける古道具店。/新川
亀島川を見渡す雑居ビル2階にある〈MAREBITO〉もそんな時代を愛でる店。店主の古村太さんは昭和30年代の家電や車に魅せられた。「産業が元気だったころのデザインは機能的なんですよ。子供のころからよくゴミ捨て場で扇風機を拾ってきました」と笑う。
プラスチックがまだ使われておらず、不自由な点もあるけれど重厚。実用品にも独独の味わいがあった。
グラフィックデザイナーだった古村さんは集めた古道具の置き場に困り、倉庫として一室を借りるように。その後、好きが高じて骨董商に転身。週末は骨董市に出店し、店は週4日だけ営業している。つまりこの店は倉庫であり、オフィスであり、ショールーム。古材でランプなどをリメイクする古村さんのアトリエでもある。「この酒升でつくったメトロノームはなぜか台湾の若い子たちが買っていくんですよ」と語る。この空間は朗読会などの会場としても利用。「古いソファや椅子がたくさんあるのでコーヒーでも出そうかな」と古村さん。訪れた人を癒す、ゆるくぬくもりのある空間だ。
〈MAREBITO〉
1960年築のビル2階。骨董とともに古材をリメイクしたランプやメトロノームなど、雑貨も販売。
■東京都中央区新川1-3-23 八重洲優和ビル2B
■03-3555-9898
■14:00~19:00、土13:00~17:30 月火休
(Hanako特別編集『East Area of Tokyo Station Magazine』掲載/photo : Satoshi Nagare, Keiko Ichihara text : Noriko Maniwa)
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