パン激戦区! 学芸大学・三軒茶屋を牽引する人気ベーカリー〈TRASPARENTE〉、〈Boulangerie BONNET D’ANE〉のおすすめパンをチェック!
パン好きが行きたい、名シェフが手掛けるとっておきのベーカリーとは?パン激戦区、学芸大学・三軒茶屋を牽引する人気ベーカリー〈TRASPARENTE〉、〈Boulangerie BONNET D’ANE〉のおすすめパンをご紹介します。
1.〈TRASPARENTE〉/学芸大学
イタリアのトラットリアでパティスリーのシェフも務めた森シェフ。店は色彩とモダンな形に満ちている。
惣菜パンが充実。お客さんもパンもあふれ、山と積まれる。
あふれんばかりのパンに交じって、ケーキもラインナップする。
その代表はグラノ。
形は曲線的にうねり、枝豆のドットがちりばめられたデザインは確かにイタリアン。ベーコンの旨味と塩が、枝豆の青々しさへ伝染し、噛みごたえある生地はスルメのようにかじりつく快感を生む。仕事帰り、ワインとともに楽しみたい、中目黒的なパン。あるいは、カーニにあるクランベリーの目にしみるピンク。
アイシングの甘さとクランベリーの酸味が口の中で火花を散らしあい、じんじんさせる。静かにして熱い森シェフにとって、ただスタイリッシュな店だと思われるのは本意ではない。地元密着を目指し、食パンを安価に抑える。国産小麦を使ったプリマベーラ。
麦の香りと、ミルクの甘さ、なめらかさという、両立しがたい2つを兼ね備える秀逸な食パンだ。
驚きの長さ、はちみつの甘さと、後味に酵母の香り。
(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo:Keiko Nakajima)
2.〈Boulangerie BONNET D’ANE〉/三軒茶屋
顔は日本人だが、精神はフランス人。荻原浩さんはそういう人である。「フランス人は香りを重視する人たち。フランスのパンの特徴って香りがあること」。バゲットの皮にあるフランス産小麦の甘い香り。中身からは穀物的ないい風味が鼻へと抜けていく。
これは荻原さんが修業したパリのパン屋のバゲット・トラディションを再現したもの。パリの端っこにあったその店を「パリでいちばんおいしい」と言い、いまだに深く愛している。
バゲットを使って作られるサンドイッチ、ジャンボン・フロマージュ。荻原さんはジャンボン・ド・パリ(パリのハムという意味)によく似たもも肉のハムをわざわざ探して、グリュイエールチーズとともにはさむ。
木いちごのジャムのタルティーヌ。
バゲットに塗られた自家製フランボワーズジャムの情熱的な甘酸っぱい香りとバターの甘さ。「ハマる人が続出しています」と言うとおり、取材時「ジャムだけ売って」と懇願するおばさんに遭遇。
バゲットにプラリネを塗る贅沢。犯罪的なほどすばらしいチョコの香り。
荻原さんのフランス愛は三宿付近をじわじわと浸食しつつある。
チョコとラズベリーのマリアージュにため息。
ピーカンナッツとメイプルシュガー。
(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo:Akiko Mizuno,Youichiro Kikuchi)