人気店づくりのポイントとは? 世界も注目!個性あふれる店舗づくり。プロデューサー・丸山智博さんつくった8のものとは? FOOD 2018.04.06

現在、6軒の店舗を統べる丸山さん。どれも大人気である。〈東京ミッドタウン日比谷〉に開く〈一角〉をはじめ、店づくりは続く。どの店にも、彼の歩いてきた道が刻まれている。その一部をご紹介。

店づくりのポイントは、「自分が行きたい店かどうか」

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「好きなものに囲まれて暮らしたいでしょ。好きなものが集合体になって空間ができている。そんな店でありたい。だからつい、自分の家からいろんなものを持ってきてしまう(笑)」。

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パリに憧れていたという丸山さん。セルジュ・ゲンズブールの音楽は必須。ランプシェードは初めてのパリ旅行の際、ゲット。最近よく聞くのはインディーズ系。カセットでも聞くのだそう。

一番好きなのは、「おいしいものを食べた余韻が残る、食べ終わったあとのテーブル」

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料理人でもあるから、当然、料理 はおいしい。いい器に盛れば、相乗効果でさらにおいしくなる。デザイン好きだから、自然とムダなものが省かれ、心地よい空間が生まれる。興味の範囲は食はもちろん、音楽やファッション、ライフスタイルなど、全方向。

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尊敬する大先輩たちの本と、よく読んだ雑誌。料理人修行時代に愛読した。傷み方に、何度も何度も開いて読んだ様子が見て取れる。先達の修行時代の話にも感動したものだ。

毎日の生活の中に、驚きや感動を与えてくれるものを探す。

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丸山さんのつくる店には、ドキドキやワクワクのタネがたくさんちりばめられている。だから、客は常に好奇心や探求心をそそられる。インテリア好きだから、器にテーブルセッティング、家具やお花、照明にしても、また、調理道具や器の収納の仕方にしても、刺激がいっぱい。真似してみたいこと、見習いたいこと多々である。

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日本でもファンの多いカリフォルニアの〈ヒースセラミック〉の器は、温かい手ざわり。シンプルで和にも洋にも使える。

また、丸山さんが手がける店に花は欠かせない。「空間をつくるとき、最後に花をいけて完成」する。〈ALEU〉には徳利に花が一輪挿されていた。

自分を磨き、謙虚に学ぶ。

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ガストロノミーが好きで食べ歩きも欠かさない。そんなときに交遊した急須と花瓶。トップレストランが使用するテーブルナイフ。訪ねた三ツ星シェフたちの本。

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常に自分を磨き、若いスタッフからも学ぶことを忘れない。その姿勢が、顕著に「店」に表れる。だから、丸山さんの店は、どこに行っても楽しいのである。

丸山智博

まるやま・ちひろ╱〈シェルシュ〉代表。プロデューサー。1981年生まれ。長野県出身。フレンチレストラン勤務ののち、2010年に代々木上原にビストロ〈メゾンサンカントサンク〉をオープン、以来、代々木上原を拠点にレストラン6軒をオープン、プロデュース。

(Hanako1152号掲載:photo : Norio Kidera,illustration : Itsuko Suzuki,text : Michiko Watanabe)

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