自分へのプチご褒美に! 時間を忘れちゃう!心ゆくまで読書を楽しめる、こだわりのブックカフェ6軒〜その1〜
食事も読書も楽しめて寛げるのが魅力のブックカフェ。しかし、今回2回にわたってご紹介するのは、そのジャンルのツウな本が揃っていたり、作家や作品にちなんだメニューが楽しめたりと、さらに本好きさんのツボを刺激するお店ばかり!是非、あなたのブックカフェを見つけてみて下さい。
1.〈ROUTE BOOKS〉/上野
観葉植物の旺盛な緑と古材で作られた書棚やテーブル、そこにざっくり飾られたライフスタイル系の本や雑誌、暮らしにまつわる品々。年月を経た建物の再生を得意とする工務店〈ゆくい堂〉が手がけた空間には不思議な懐かしさとワクワク感がある。ここを訪れた人同士の交流からイベントが生まれたり、本や雑貨の作り手によるワークショップが開かれることも多数。本からはじまる楽しいこと、探しに行こう。町工場が並ぶ下町の一画、古びた階段を上がると思いもよらぬ空間が広がる。
家具や調度のほとんどが可動式で、雰囲気はその時々で変わる。
本はもちろん、ユーズドやリメイクの家具、書棚やグリーンも購入可。
コーヒーはハンドドリップ。豆はコーヒー好きのスタッフが選んだロースターから取り寄せる。
2016年4 月にスタートした小さな出版社〈ライスプレス〉によるフードカルチャー誌『RiCE』。創刊号は蜷川実花╳坂口健太郎の「男子丼」などビジュアルもおもしろい。
大阪発ローカルカルチャー満載の『IN/SECTS』。リトルプレスやZINEと呼ばれる個人発の小規模出版物も応援している。
「スコーン」250円、「バナナケーキ」200円などハンドメイドの焼き菓子も。
「ハンドドリップコーヒー」400円。
〈ゆくい堂〉の「継がれゆく箱」P/T、築30年の工場をリノベーション。
〈ROUTE BOOKS〉
■03-5830-2666
■東京都台東区東上野4-14-3 Route Common 1F
■12:00〜21:00/不定休
2.〈BUNDAN COFFEE & BEER〉/駒場東大前
日本近代文学館の一室、天井まで届く書架には2万冊以上の本が並ぶ。超のつく本好きの書斎さながらのカフェを手がけたのは自身も文学を愛し続ける〈東京ピストル〉の草彅洋平さん。時代やジャンルを限らず、草彅さんが心に響くと認めた現代の“文学”を手に味わうのは作品や作家にちなんだメニュー。“芥川”“鴎外”と名付けられたコーヒー片手の読書に時間を忘れて。日々増殖する本のほとんどは草彅さんの私物。
駒場公園の緑を眺めるテラスも18席。
ユーズドの調度や作家の遺族から寄贈されたテーブルが落ち着いた雰囲気を醸し出す。
村上春樹が選んだ海外のラブストーリー+書き下ろしを収めた短編集。
鬼才と呼ばれた作家との日々を描いたエッセイ。「愛」をテーマに草彅さんが選んだ2冊。
森瑤子が与論島で食したオイルサーディンの丼、「ヨロン丼」1,000円。
モカコーヒー、「寺山」700円。コーヒーは三軒茶屋〈オブスキュラ〉の豆を使用。
文学作品にちなんだ朝食も人気。
3.〈森の図書室〉/渋谷
道玄坂沿いの雑居ビルに秘密基地のような空間が現れる。
書棚いっぱいの本は小説に随筆、漫画に絵本、ビジネス本まで幅広く、ほとんどが貸し出し可能。物語に登場する料理や飲み物をイメージしたメニューも楽しめる、本好きのためのワンダーランドだ。会員が皆に読んでほしいと持ち込んだ本も並ぶ(閲覧のみ)。会員制だがビジターも席料500円で利用できる。
読後の感想などが貼られた掲示板。
料理や飲み物が登場する作品をまとめたメニューブックも読み応えあり。
戦後日本を代表する詩人の遺稿集はスタッフももこさんオススメ。
「元気を出したい時に」とスタッフ影山さん。
最近は席料込みのお得なランチもスタート。見逃す手はありません!梨木香歩『西の魔女が死んだ』にちなんだ、「パパの好きなキッシュ」600円、江國香織『神様のボート』に登場する甘いお酒、「シシリアンキッス」800円、「ドライフルーツの盛り合わせ」600円。
(Hanako1127号掲載/photo : Yoko Tajiro text : Mutsumi Hidaka)