娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 【新酒】日本酒初心者にこそおすすめしたい「よこやまSILVER7 生 純米吟醸」~『伊藤家の晩酌』第二十九夜3本目~
弱冠24歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?今回は、2022年、新年にふさわしいしぼりたての新酒をご紹介。第二十九夜の3本目は、麦焼酎発祥の地で、新たに生まれた長崎県のお酒。
今宵3本目は、見事なバランス感で誰もが好きになる「よこやまSILVER7 生 純米吟醸」。
娘・ひいな(以下、ひいな)「本日ラスト!新酒3本目は『よこやまSILVER7』です!」
父・徹也(以下、テツヤ)「へぇ。『シルバーセブン』ってめずらしい名前だね。どこの蔵?」
ひいな「長崎県の壱岐」
テツヤ「お!島だ!」
ひいな「そう。壱岐島のお酒です」
テツヤ「壱岐島に日本酒の蔵があるんだ」
ひいな「壱岐にはもともと焼酎蔵がたくさんあって、重家(おもや)酒造っていう蔵で日本酒も造ってたんだけど、1990年から日本酒を造るのをお休みしたんだって」
テツヤ「日本酒も造ってたんだね」
ひいな「麦焼酎の『ちんぐ』を製造してる蔵なんだけど、2018年に日本酒蔵を建設したの。杜氏の横山太三さんという方が再建したんだけど、この蔵、前に紹介した『東洋美人』澄川酒造場とゆかりがあって。横山さんがこの蔵で修行をしてたんだって」
テツヤ「おぉ!」
ひいな「その修行を終えて壱岐に戻って、2018年に蔵を建設して日本酒が復活したの。1902年の壱岐島には17個の日本酒蔵があったんだって!」
テツヤ「それはすごいね。そんなにあったんだ。壱岐は焼酎もあるけど、日本酒の島でもあったんだね」
ひいな「激しい気候の変化と杜氏の高齢化で1990年には日本酒を造る蔵はゼロになっちゃった」
テツヤ「あら。重家酒造が最後だったんだ」
ひいな「そう。でも、2018年に復活して生まれたのが『横山五十』なの。横山さんが高校生の頃に日本酒造りを辞めたんだって。親が苦しい思いをしてるのを近くで見てたみたい。日本酒をもう一度やりたいと思ったきっかけは、〈はせがわ酒店〉の代表の方とお話ししたことで自分たちは日本酒を造りたいんだって目覚めて、壱岐で日本酒を復活させようと思ったらしい」
テツヤ「新しく生まれた『よこやま』飲むのが楽しみだねぇ」
ひいな「今回は徳利に入れてみるね」
テツヤ「少しにごってる?発泡してる感じもあるね」
ひいな「新酒だからね。このお酒は純米吟醸の生酒になります」
テツヤ「いただきます!わぁすっきりしてる!」
ひいな「うん、おいしい!」
テツヤ「春酒って感じだな」
ひいな「うんうん、春酒っぽいよね」
テツヤ「2月だしもう新春だし、まさにぴったり!」
ひいな「ほんとだね」
テツヤ「いやぁ本当においしいね、このお酒。こういうお酒こそ、日本酒入門編にいいんじゃない?みんな好きだと思うな」
ひいな「本当にそう思う。飲みやすいよね。特等の山田錦を使ってるっていうのもあって、いいお酒だと思う」
テツヤ「失礼しました(笑)!新酒なのにもったいなかったね」
ひいな「そろそろ、このお酒に合わせるおつまみを持ってくるね!」